日弁連広報誌「自由と正義」2018年5月号に掲載された。2017年会務報告


日弁連事務総長(前) 出井 直樹

Ⅱ 弁護士自治に関わる諸問題
1 弁護士自治を守るということ
2 不祥事対策・依頼者見舞金・預り金規程改正施行

4 大量懲戒請求問題
日弁連及び複数の弁護士会の意見表明に関し、数百名から日弁連・弁護士会の役員等を懲戒すべきであるとする書面が全国20以上の弁護士会に提出された。
これらいわゆる「大量懲戒請求」の取扱いについて日弁連として検討し、その検討状況を順次理事会に報告した。
まず、全会員を対象とするものについては、懲戒請求の名を借りた会務執行に対する批判であって、個々の弁護士の非行をただすことを趣旨とする懲戒制度の予定していないものであるとして、これを懲戒請求として取り扱わないことを相当とした。
(2017年12月25日付け会長談話参照)また、多数の請求者から又は多数の会員を対象とする懲戒請求については、簡易な手続きによって取り扱うことも可能とする見解を2018年1月の理事会に報告し、各弁護士会に通知を発した。(2018年2月6日付け事務総長通知参照)さらに、同一の会員に対する重複した懲戒請求の場合にどのように取り扱うかについて、いくつかの考え方を2018年2月の理事会で示し、各弁護士会で参考にしていただくこととした。会務執行や会としての意見表明を対象とする懲戒請求の取扱いについては、各方面のご意見を聴いてさらに検討を進めることとした。
これら大量懲戒請求の取扱いは例外的なものであり、これ以外の通常の懲戒請求に対しては各弁護士会で粛々と迅速・公正に対応することが重要である。2017年12月の前記会長談話でもそのことを改めて宣明している。

全国各地における弁護士会員多数に対する懲戒請求についての会長談話

近時、当連合会や弁護士会が一定の意見表明を行ったことについて、全国の21弁護士会に対して、800名を超える者から、その所属弁護士全員を懲戒することを求める旨記載した書面が特定の団体を通じて送付されてきている。これらは、懲戒請求の形をとりながらも、その内容は弁護士会活動に対して反対の意見を表明し、これを批判するものであり、個々の弁護士の非行を問題とするものではない。弁護士懲戒制度は、個々の弁護士の非行につきこれを糾すものであるから、これらを弁護士に対する懲戒請求として取り上げることは相当ではない。私は、本年12月21、22日開催の当連合会理事会において、各弁護士会の会長である当連合会理事にこの旨をお伝えした。各弁護士会においてしかるべく対処されることを期待する。

弁護士懲戒制度は、基本的人権を擁護し社会正義を実現することを使命とする弁護士の信頼性を維持するための重要な制度である。すなわち、弁護士は、その使命に基づき、時として国家機関を相手方として訴えを提起するなどの職務を行わなければならないこともある。このため、弁護士の正当な活動を確保し、市民の基本的人権を守るべく、弁護士会には高度の自治が認められているのであって、当連合会及び弁護士会による弁護士の懲戒権はその根幹をなすものである。

当連合会は、この懲戒権を適正に行使・運用しなければならない責務が存することを改めて確認するとともに、市民の方々には、弁護士懲戒制度の趣旨について更なるご理解をいただくようお願いする。

2017年(平成29年)12月25日

日本弁護士連合会
 会長 中本 和洋

(日弁連ホームページから引用)

5 日弁連・弁護士会の政治的活動
日弁連・弁護士会は、司法の問題を中心として意見を表明し、またその実現のために対外的に運動する、意見書を政府各省庁を含め関係機関に持ち込み(いわゆる意見書の執行)国会議員・政党に対して陳情し、マスメデアに発表し、時には市民団体とともに集会を開く等の活動を行う、これらの活動が特に『政治的』あるいは「政治活動」として批判されることがある。
日弁連・弁護士会は強制加入団体であり、政治活動そのもの、すなわち、特定の政党や政治家を支援することを目的とする活動を行うことはできない。
また、そのような活動と誤解されるような運動方法は、一般論として慎むべきであろう、他方、人権の擁護と社会正義の実現を使命とする法律家専門職の団体として、法整備や法律事象について、法律論上の見地から意見を述べることは日弁連・弁護士会の権能の範囲とされており(東京高裁平成4年12月21日判決)日弁連・弁護士会の意見表明や運動はこの権能の行使である。特に人権が絡む問題については日弁連・弁護士会は問題を検討して適時に意見を社会に対して述べ、国会、裁判所、政府、さらには社会の中での議論の参考に供することは、その責務であると言える。
日弁連・弁護士会は、このような責務及び権能の重要性と限界を常に意識し、慎重に対応しなければならない。

 

当会会員多数に対する懲戒請求についての会長談話

             東京弁護士会 会長 渕上 玲子
日本弁護士連合会および当会が意見表明を行ったことについて、特定の団体を介して当会宛に、今般953名の方々から、当会所属弁護士全員の懲戒を求める旨の書面が送付されました。
これらは、懲戒請求の形で弁護士会の会務活動そのものに対して反対の意見を表明し、批判するものであり、個々の弁護士の非行を問題とするものではありません。弁護士懲戒制度は、個々の弁護士の非行につきこれを糾すものであって、当会は、これらの書面を懲戒請求としては受理しないこととしました。
弁護士懲戒制度は、国民の基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする弁護士の信頼性を維持するための重要な制度です。すなわち、弁護士は、その使命に基づき、時として国家機関を相手方として訴えを提起するなどの職務を行わなければならないことがあります。このため、弁護士の正当な活動を確保し、市民の基本的人権を守るべく、弁護士会には高度の自治が認められており、弁護士会の懲戒権はその根幹をなすものです。
弁護士会としてはこの懲戒権を適正に行使・運用しなければならないことを改めて確認するとともに、市民の方々には弁護士懲戒制度の趣旨をご理解いただくことをお願いするものです。
弁護士自治を考える会

当会としても、近く大量懲戒請求に関し談話を出す予定です。

そもそも、懲戒請求を却下することは、綱紀委員会に委ねられているはず、弁護士会とは別の組織でなければならない綱紀委員会、懲戒委員会の独立性を犯すものである

特に、弁護士会長に対して懲戒請求が申立てされたということであれば、対象弁護士が却下を求めたということになる。

それでは過去に大量懲戒があったか
大阪弁護士は弁護士会館で集会を行い懲戒請求者を集めた。
辻公雄元大阪弁護士会副会長が先頭にたち弁護士会館では「大阪弁護士会として橋下徹氏に懲戒請求と発言した」

橋下市長を懲戒請求=市民ら730人、慰安婦発言で―大阪

 

時事通信 529()198分配信
 橋下徹大阪市長の従軍慰安婦などに関する発言は弁護士の品位を害するとして、弁護士や市民ら約730人が29日、大阪弁護士会に懲戒請求した。橋下市長は弁護士資格を持ち、同弁護士会に所属している。
 請求代表人の辻公雄弁護士は記者会見し、「橋下市長の発言は前例のない暴言。公人として許されない」と述べた。請求に参加した市民は集会やインターネットなどで募り、今後も追加で懲戒請求するという。
これに対し、橋下市長は同日の定例会見で「懲戒請求権の乱用だ」と反発。「今回の発言は弁護士とは全く違う立場でやっている。僕が弁護士として登録しているという形式的な理由だけで、懲戒請求の対象にするのは横暴極まりない」と批判した。 また、「品位を害する」という請求理由について、「ものすごく恣意(しい)的に使われている」と指摘した。 
 辻弁護士(twitter 拡散用)

5/29(水)午後必着 橋下徹懲戒請求呼び掛け【緊急拡散】全国から提出可能/住所、氏名、印鑑押印してに郵送〒530-0047大阪市北区西天満6-7-4大阪弁護士ビル6F603
弁護士法人大手前ノーベル法律事務所大阪事務所 #橋下イラネ #橋下リコール #維新 #維新の会 #署名

FBを立ち上げて橋下氏に懲戒請求者を集めた

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会員に意思を問わずに政治的行動をした日弁連・弁護士会執行部に
撤回せよと会員が訴訟提起した

平成27年(ワ)第18254号

東京地方裁判所民事第18部合議2A係 
安保法案反対等の政治的意見表明の撤回削除等請求事件
原告   南出喜久治弁護士(京都)

 

被告   日本弁護士連合会外5名

 

平成27年12月14日付けの原告の準備書面が届きました。

 

この裁判は日弁連という強制加入の団体が会員の意見も聞かずに

 

いわゆる安保法案の反対運動を弁護士会、日弁連としておこなうのは

 

おかしいのではないかという趣旨です。

 

日弁連、各弁護士会は、安倍政権が憲法を勝手に解釈して法案を出してきた。立憲主義に反するという法案反対理由ですが、それでは日弁連、各弁護士会は会長と一部執行部の判断で政治活動をしている。

 

日弁連こそが立憲主義に反しているのではないか、法案に反対をするなら日弁連ではなく法案反対の有志で反対表明をするべきであり、会員個人に対して一方的に反対運動を強制させ、弁護士会費から反対運動に対する予算を出すのはいかがなものか、弁護士会こそが少数意見並びに個人の意見を尊重すべきではないかという内容です。

 

原告準備書面 日弁連答弁書

旧記事番号:35614215.はリンク切れです。 URLはリンク切れです。

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橋下徹弁護士に大量懲戒者を集めたり、会員の判断も聴かず、安保法制反対運動上記の事務総長談話と違うような気がします

そして2人の弁護士が懲戒請求者に対して損害賠償請求を求め提訴した、

<2弁護士>訴訟方針 大量懲戒請求者に1人60万円請求

5/16(水) 19:04配信

インターネット上での扇動を背景に、所属弁護士会に大量の懲戒請求を送られた2人の弁護士が16日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、請求者にそれぞれ60万円の賠償を求める訴訟を6月末をめどに起こす方針を明らかにした。
2人は東京弁護士会の佐々木亮、北周士の両弁護士。佐々木弁護士は昨年6月以降、身に覚えがないのに「朝鮮学校への補助金交付に賛同している」とネット上で扇動され、大量の懲戒請求を送られた。また、北弁護士は佐々木弁護士に対する懲戒請求について「根拠のない請求はひどい」とツイッターに書き込み、同様に大量の懲戒請求を送られた。
会見では、請求者が両弁護士に慰謝料計10万円を支払えば和解に応じる方針で6月末まで交渉を続け、和解に至らなかった請求者に訴訟を起こすと表明。2人が同じ人物から懲戒請求を送られたケースは約960件に及ぶと明かした。
佐々木弁護士は「顔も知らない人から大量に請求され、嫌な気持ちだ。弁護士の懲戒請求は誰でもできる制度だが、意義をよく考えてほしい」と話した。【