離婚事件・子ども親権、面会に関して懲戒処分例  ③

処分例  ②
処分例  ①
⑲  偽装結婚に関与
裁決の公告(処分変更) 自由と正義201312月号
処分された弁護士氏名  大貫憲介 登録番号 21200  第二東京弁護士会
1 採決の内容
審査請求人に対する懲戒処分(業務停止1月)を変更する。
審査請求人(大貫憲介)を戒告する。

2裁決の理由の要旨

(1)本件は外国人女性Aと日本人男性Bの婚姻が偽装であり戸籍上Bの子として記載されているCBの子ではないところ審査請求人はその事実を知りながらACに対する強制退去を免れさせるためにBに対してCBの戸籍から抜くための手続きである、裁判所に出頭する必要はないなどと申し向けてBを裁判期日に出頭させず訴えを却下する旨の判決を不法に取得しこれを東京入国管理局横浜支局(以下入管という)に提出してACの不法滞在を助長しようとしたとして懲戒請求がなされた事案である。
(2)しかるに東京高等裁判所の判決を踏まえて審査した結果、審査請求人にABの婚姻が偽装でありCBの子ではないことの認識がなかったこと、Bは親子関係不存在確認請求訴訟(以下本訴訟という)の目的が親子関係を否定しない判決を得ることにあると理解していたことなどが認定できる。そうすると審査請求人はABとの間に戸籍上CBの推定を受ける嫡出子であり、その親子関係についても争いがないにもかかわらず、またBCとの間の親子関係を否定しない判決を得る目的で本件訴訟を提起するyと理解していたのにBが真に求める裁判と相反する請求の趣旨を記載した親子関係)不存在確認請求事件の訴状を審査請求人の委任者であるAの反対当事者となるBのために作成し裁判所に提出させたのであり、しかも審査請求人は却下判決を得るために本件訴訟を提起したのである。つまり本件訴訟は真に親子関係について争いがあり、その解決を目的としてなされたものではなく、実際は訴状に記載された請求の趣旨とは異なる目的で便宜的に利用したものというべきであり、審査請求人のこの行為は裁判の公正及び適正の実現に努める義務を規定した弁護士職務基本規定第74条に違反する。さらに審査請求人は裁判の公正と適正手続に反して入手した判決書を使い弁護士作成の意見書を入管に提出したが、これはあたかも法的に正しい意見を述べたものと誤解させようとするものといわざるを得ず弁護士として許容される方法とはいい得ない。(3)以上の審査請求人の行為に対する責任は重大であり弁護士法第56条ファ第1項の品位を失うべき非行に該当する。
しかしながら審査請求人にはCBの子ではないことの認識がなかったことがその要因となっていることを考慮すると、審査請求人を業務停止1月の処分とした第二東京弁護士会(以下原弁護士会という)の判断を変更し審査請求人を戒告とするのが相当である。(4)なお本件には訴訟手続きを不正に利用して判決を取得しそれを不当に利用し入管行政を混乱させた責任を軽視できないとして原弁護士会の懲戒処分を相当とする反対意見、審査請求人の行為は本件で示された入管行政との関係及び確定した東京高等裁判所の判決からすれば『品位を失うべき非行』にあたるとは必ずしもいえないとして原弁護士会の処分は取り消すのが相当であるとする反対意見があった。

3 採決が効力を生じた年月日  20131023日  
2103121日  日本弁護士連合会
 
 
⑳ どっちの味方?
  懲戒処分の公告   自由と正義 2013年7月号
1 懲戒を受けた弁護士氏名 川村容子 登録番号20111 奈良弁護士会
事務所 奈良市登大路町5 川村容子法律事務所
2 処分の内容  戒 告
3 処分の理由

(1)  被懲戒者は懲戒請求者及びその配偶者Aから婚姻関係についての相談を受け被懲戒者が二人の間の利害を調整した結果、20041017日被懲戒者立ち会いの下、懲戒請求者及びAの間で二人が円満な家庭を築くように努力すること等を内容とする合意書が作成された。しかしながら被懲戒者は上記合意書に基づく懲戒請求者とAとの間の交渉が決裂した後、Aの代理人として懲戒請求者に対し債権差押命令申立をおこなった。

(2)  被懲戒者は懲戒請求者とAとの離婚事件において2011107日付けの答弁書を提出し、それ以後2012107日付け答弁書を提出しそれ以後20121030日の判決言い渡しに至るまでAの代理人として訴訟を遂行した。

4 処分の効力を生じた年月日 2013321日
 
㉑ 婚費請求、会社の異動を退職したと虚偽報告
 
 懲戒処分の公告   自由と正義 20136月号
1 懲戒を受けた弁護士氏 名 飯盛健次郎 登録番号18943 東京弁護士会
 飯盛法律事務所
2 処分の内容 戒 告
3 処分の理由
被懲戒者は懲戒請求者が申し立てた婚姻費用分担審判申立事件について2010621日になされた審判に対して相手方Aの代理人として即時抗告を申し立てた
被懲戒者はAが同年5月末をもって退職した後に系列会社に異動していたにもかかわらず退職した事実のみを主張して退職証明書を提出し系列会社に異動した事実を述べずに事情変更を主張した。
被戒者の上記行為は裁判所にAが無収入になったと誤認させる可能性が極めて高い行為であり虚偽の事実を主張するのと変わるところがないものであって弁護士職務基本規定第5条及び弁護士職務基本規定第75条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日 2013322
 
 
㉒ 調停室会話録音
懲戒処分の公告    自由と正義 20134月号
1 懲戒を受けた弁護士氏名 八木 眞 登録番号 16045 愛知県弁護士会
事務所   名古屋市東区東外堀町 八木法律事務所
2 処分の内容  戒 告

3 処分の理由

(1)  被懲戒者はAの代理人として懲戒請求者Bに対し、離婚及びAの財産の引渡しを求める調停事件を申立てたが、上記事件の継続中に十分な調査及び検討を行うことなく懲戒請求者Bに対しAの財産の引渡しに応じないことが背任罪に該当しる旨を記載した2010611日付け内容証明郵便を送付した。(2)  被懲戒者は懲戒請求者Bの代理人弁護士である懲戒請求者Cに対し懲戒請求者Cを背任罪の共犯として告訴及び懲戒請求をする旨を記載した同月18日付け内容証明郵便及び懲戒請求者Bの依頼を受任すべきではなく受任したのであれば辞任すべきである旨記載した同年72日付け内容証明郵便をそれぞれ送付した。(3)  被懲戒者はAが勤務し懲戒請求者Bが取締役を務める株式会社Dに対しAの代理人として傷病手当を申請するに当たりD社の代理人弁護士に対し懲戒請求者Bが有印私文書偽装罪を犯したとするなどの記載を含む2011314日付け書面を送付した。(4)  被懲戒者は20101126日上記離婚事件の調停期日における調停室内での会話等を録音した、また被懲戒者は201198日懲戒請求者及びAを原告とし懲戒請求者及び懲戒請求者Cを被告とする損害賠償請求事件の本人尋問期日における法廷内の供述等を録音した。4 処分の効力を生じた年月日   20121219

   
 
㉓ 子どもに暴力と虚偽記載
 懲戒処分の公告      201110月号
1 懲戒を受けた弁護士氏名 宮本孝一 登録番号 27513第一東京弁護士会
事務所 東京都千代田区神田鍛治町    法律事務所リライズ          
2 処分の内容        戒 告
3 処分の理由

(1)被懲戒者は2008221日、懲戒請求者から、子の監護者の指定及び子の引き渡しを求める審判並びに審判前の保全処分の申立を受任した。被懲戒者は、同年37日に審判を申し立てたが、審判前の保全処分については同年410日まで申立てをしなかった。また被懲戒者は審判前の保全処分の申立書に、事実に反して夫が子に暴力を振るっているなどと記載した。

(2)被懲戒者は20081117日付けで懲戒請求者から解任されたが懲戒請求者が過去の事実経過を記録し、重要な証拠となっていたノートを返還しなかった

4 処分の効力を生じた年月日 2011103
 
 ㉔ 勤務先に犯罪者だと電話
 懲戒処分の公告    自由と正義  20114月号
1 懲戒を受けた弁護士氏名 松崎龍一  登録番号 25578 東京弁護士会
事務所 青梅市河辺町417  河辺法律事務所
2 処分の内容     業 務 停 止 2 月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は2009511日Aから夫である懲戒請求者Bとの間の離婚事件を受任し同月12日国家公務員であるBの勤務先に電話してBの直属の上司であるCに対し未だ警察の捜査すら行われていないにもかかわらず恣意的な独自の判断に基づいてBが犯罪行為を行っていると話しBの名誉や信用を毀損した
(2)被懲戒者はCはBの任命権者ではないためBを懲戒する権限もBの職務外の行為について調査する権限もないにもかかわらず、被懲戒者がCに対しBが犯罪行為を行っていることを通知したのであるからCは事実関係の有無等を調査し懲戒処分その他の必要な措置を採らなければないらないのに漫然とこれを放置したなどの理由で同年629日BとCについて国家公務員法による懲戒処分を求める申告書を提出しCらの名誉を侵害した。4 処分の効力を生じた年月日 2011年1月12日
 
 
㉕ 相手人格攻撃、相手勤務先に慰謝料を直接請求の通知
 懲戒処分の公告    自由と正義 20111月号
1懲戒を受けた弁護士氏名 大山良平 登録番号16584大阪弁護士会
事務所 大阪市北区南扇町  大山綜合法律事務所
2 処分の内容      業務停止2
3 処分の理由の要旨
(1)  被懲戒者は懲戒請求者とその妻Aとの間の離婚請求事件等のAの訴訟代理人であったが、控訴審において2,00910月ころ準備書面に「最低で筋の悪い依頼者」などと懲戒請求者の人格及び名誉を毀損うる記載をした。
(2)  被懲戒者は上記事件の控訴審判決が懲戒請求者に対する慰謝料請求を認容するものであったが仮執行宣言が付されておらずかつ未確定であってしかもAに対する面談強要禁止の仮処分手続きにおいてAが直接懲戒請求者の勤務先に赴いて取り立てをする旨を記載した請求書を懲戒請求者の勤務先に送付し懲戒請求者代理人弁護士からの抗議後も執拗に直接取り立てる。旨の書面をフアクシミリで送信した。
4 処分の効力を生じた年月日2010年10月14日
 
㉖  ここまで放置とは・・・

 懲戒処分の公告  自由と正義 20101月号
1 懲戒を受けた弁護士氏名 奈良秦哉 登録番号28400 札幌弁護士会
事務所 室蘭市中島町2  奈良法律事務所
2 懲戒の種別  戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は2004年7月8日ごろ懲戒請求者からその妻を原告とし同人を被告とする離婚訴訟を受任した。被懲戒者は2005年1月17日懲戒請求者から、手紙で答弁書の写しの送付及び双方の主張の要点等についての説明を求められたが、答弁書の写しを送付することも主張の要点等についての説明もしなかった。また被懲戒者は懲戒請求者に対し被告本人尋問期日を知らせた際、その1週間前くらいに打ち合わせをしたいとしていたのにもかかわらず、その3日前になってから尋問期日前日に打ち合わせしたい旨の電話連絡を行い、懲戒請求者が対応できなかったことから、結局、被告本人尋問の申請を取り下げた。
同年11月18日被告本人尋問が行われないまま被告敗訴の第1審判決が言い渡されたが被懲戒者は懲戒請求者にそのことを知らせずに控訴した。
被懲戒者は懲戒請求者と何ら打ち合わせることなく控訴審手続きを進め
2006年3月24日控訴棄却判決が言い渡されたが懲戒請求者にそのことを知らせずに上告した。懲戒請求者は同年5月24日懲戒請求者が仮差し押さえを受けた旨の連絡をしてきた際、既に一審判決が言い渡されていることを初めて告げ、同月31日事務所で懲戒請求者と会い一審判決のみならず控訴審判決も既に言い渡されて上告手続き中であることを説明し判決書の写しを後日送付する旨を約束したが、結局送付しなかった。また被懲戒者は同年7月20日上告棄却決定を受けながら11月20日ころまでに懲戒請求者に報告しなかった。
被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当するところ和解金500万円を支払い済みであること等を考慮して戒告とした。4 処分の効力の生じた日2009年9月10日