弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2009年7月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・第一東京弁護士会・宮本孝一弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・怠慢な事件処理

懲 戒 処 分 の 公 告

第一東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 宮本孝一

登録番号 27513

事務所  東京都目黒区鷹番2

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

(1) 被懲戒者は2006年12月懲戒請求者から遺産相続の相談を受け2007年1月31日正式に懲戒請求者と委任契約を締結し遺産分割協議書案及び戸籍謄本の書類一式を同人から預かり同年2月1日着手金の支払を受けた 被懲戒者は同年4月9日頃、家庭裁判所に家事審判を申し立てをしたが 担当書記官から遺産目録の必要書類の追完を求められても何の反応もせず 担当書記官及び懲戒請求者が連絡を取ろうとしても連絡することができなくなり懲戒請求者が担当書記官の指導によりやむなく上記審判事件の申し立てを取り下げざるを得なくなる等、審判追行の意思を事実上放棄した

(2) 被懲戒者は2007年9月懲戒請求者から弁護士会に紛議調停を申し立てられその手続きの中で懲戒請求者に対し着手金及び預かった書類の返還に応ずることになった。しかし被懲戒者は預かった書類のうち遺産分割協議書案及び戸籍謄本等については2008年10月に探し出すまで返還できなかった

(3) 被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規定第35条に上記(2)の行為は弁護士職務基本規定第45条第1項にそれぞれ違反し弁護士法第56条第1項の弁護士としての品位を失うべき非行に該当する

4 処分の効力の生じた日         2009年3月30日        2009年7月1日  日本弁護士連合会