弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」21012年4月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・仙台弁護士会・浅野公道弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・預り金の処理が不適切

公文書偽造事件 元弁護士事務所職員に有罪判決 仙台地裁

 仙台市の弁護士事務所職員による書類偽造事件で、有印公文書偽造・同行使の罪に問われた仙台市泉区、元弁護士事務所職員S T被告(54)に対し、仙台地裁は10日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。 川本清巌裁判長は「弁護士事務所職員が公文書を偽造、行使し、社会的信頼を低下させた」と指摘した。 判決によると、被告は2009年8月下旬、弁護士事務所で相談者の50代男性=仙台市=に関する仙台地裁民事部名義の受理票の写し1通を偽造し、男性に渡した。

懲 戒 処 分 の 公 告

 仙台弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

1 処分を受けた弁護士氏名 浅野公道

登録番号 11792

事務所 仙台市青葉区国分町   浅野公道綜合法律事務所    

2 懲戒の種別 業務停止2月

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は懲戒請求者らから20076月頃、懲戒請求者らの所有する土地建物を売却する事、同建物の入居者の立ち退きを完了させること等を受任したが弁護士報酬を定めた委任契約書を作成せず被懲戒者が主張する弁護士報酬について懲戒請求者が理解するに足る適切な説明をしなかった

(2)上記土地建物については20081118日売買契約が締結されたが,被懲戒者は懲戒請求者の了解なく2008128日頃、仲介業者である株式会社Aに仲介手数料の一部1000万円をその支払い期限前であるにもかかわらず支払い懲戒請求者から20091112日付け及び同年124日付けで返還を求められたにもかかわらず返還しなかった
(3)被懲戒者は懲戒請求者から20091112日付けで被懲戒者との委任契約を解消する等を通知され同年124日付けで入居者の立ち退きを目的とした即決和解手続の和解調書等の返却を求められ、同月28日付けで懲戒請求者らとの」委任契約解消に同意したにもかかわらず和解調書等を返還しなかった。
(4)被懲戒者」は」預かり口座から懲戒請求者らの承諾を得ず20081211000万円を2009625日に1100万円をそれぞれ弁護士報酬に充て懲戒請求者から2009124日付けで」懲戒請求者が適正な弁護士報酬と認める420万円との差額1680万円の返還を請求されたにもかかわらず返還しなかった。
(5)被懲戒者は懲戒請求者から2010629日に提起した預かり金3億円から正当な支出と認められるとする金額を控除した39131640円の支払いを求める訴訟に対し懲戒請求者との合意があったとは認められず被懲戒者の労力が多大であった等の特段の事情がありながら58045408円の弁護士報酬債権があるとして」預り金口座の残金8142015円の返還債務と相殺した後の49903393円の内金39131640円の支払いを求める反訴を同年1228日付で提起し預り金を返還しなかった。
 
(6)被懲戒者の上記各行為は弁護士職務基本規定第24条、第29条第130条第1項及び第45条違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する、被懲戒者が懲戒請求者と訴訟外で和解し関連書類を返還するとともに3500万円を返還したこと等を勘案しても業務停止2月を選択する。
4 処分の効力を生じた年月日 20111213日 20124月1日   日本弁護士連合会
 
 
 
 
 
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