弁護士懲戒請求の書き方・出し方 ③
弁護士に非行があれば所属弁護士会に懲戒請求を出します。
書面で出さなければなりません。
懲戒請求書の書き方・その③
ここでひとつ注意事項
何を書いてもいいというものではありません。私の元には毎月何通かの懲戒請求書が届きます。気持は分かりますが次のようなものは棄却されるしかありません。対象弁護士のことを
「人間の面をかぶった鬼・悪魔」
「人間の所業ではなく悪魔の所業といわざる得ない」
「このものは必ず地獄に堕ちるであろう」
私も「まさに法匪といわざるを得ない」と書いたことがあります。対象弁護士から「難しい言葉知ってるね」と誉められた?ことがありますがきっとムカイついていたことでしょう。まあ、あまりいい言葉ではありませんので使用しないほうがいいです。あなたが言いたいことだけ書いてすっきりする分にはいいですが、本気で処分を取りに行く場合には罵詈雑言は書かない方がいいでしょう。
事実でないことを書くと民事で訴えられたり刑事告訴される場合もあります。「弁護士に暴行された」「レイプされた」などは注意しましょう。
事実なら懲戒請求ではなく警察に行くべきです。懲戒はその後にしましょう
非弁提携の虚偽告訴もそうです。
懲戒請求も一種の告訴事件となりますのであまりにもひどい虚偽、偽造などがあれば民事・刑事で訴えられる場合がありますから注意しましょう。弁護士にもよりますがひどい場合は名誉毀損、虚偽申告罪、威力業務妨害などで刑事告訴も考えられますので虚偽懲戒は止めましょう。
それでは懲戒請求書のひな型です。
【懲 戒 請 求 書】
平成○○年○月○日
○○弁護士会会長 殿
(綱紀委員長は×必ず弁護士会長とする。会長氏名が分からなくても会長で 可能)
懲 戒 請 求 者
〒××
○○県・・・・・・・・・・・
氏名 ○○ ○夫 印
生年月日
℡ (携帯でも可)
対 象 弁 護 士(被調査人でも可)
〒×× 東京都○○・・・・・・
氏名 ○○ ○
登録番号 ×××
法律事務所 ○○法律事務所
電 話 03-×××-××
FAX 03-×××-××
(複数いる場合は続いて書く)
① 懲戒請求の趣旨
A 対象弁護士(被調査人)の懲戒の処分を請求する。
B 弁護士法第58条第1項の規定により貴弁護士会所属の○○弁護士に対し懲戒を請求する。
C ○○弁護士会所属の ×××弁護士を懲戒することを求める。
どれか好きなものひとつ選択する
② 【懲戒請求の理由】or 【懲戒を求める事由】
ここから懲戒請求をした理由を書いていきます。
難しく考える必要はありません。短いものであれば次のようなものがあります。新潟の弁護士がツイッターで「天皇はチンポコだ!」とツイートしたので弁護士としての品位を失う行為であると懲戒請求したときの請求書
「懲戒を求める事由」
対象弁護士がインターネットの短文投稿サイトに次のような書き込みをした。弁護士として品位を欠く行為である。
1 平成24年10月5日「天皇はチンポコだ!」と天皇陛下に対する不適切な書き込みをした。
2 また、同年10月3日、日弁連会長である山岸憲司会長を「ヤマグソも佐賀 に逝っているのか?」と短文投稿サイト書き込んだ。
弁護士法第56条第1項の弁護士としての品位を失うべき非行に該当するので
貴弁護士会に於いて調査し処分されたい。
(この懲戒請求は新潟県弁護士会がツイッターであれば問題がないと棄却)
少し複雑なものについては次回