弁護士通じ被害届取り下げ迫る 証人威迫罪などで懲役3年 札幌地裁

 自分の弁護士を通じて傷害事件の被害者を脅したとして、証人威迫と傷害の罪に問われた札幌市の無職、及川雄介被告(33)に札幌地裁は16日、懲役3年(求刑懲役4年)の判決を言い渡した。
 判決理由で多々良周作裁判官は「自己保身を優先して刑事責任を免れようと、被害届の取り下げを求める書面を執拗に送りつけた。他人を侮り、刑事司法をも侮る被告の態度は強い非難に値する」と指摘した。
 一方、証人威迫罪について「弁護士が職責に照らして当然の活動をすれば起こり得なかった面があり、被告の責任は軽くするべきだ」と述べた。
 判決によると、及川被告は昨年3月の傷害事件で起訴された後の同5月、被害者の男性と妻に「被害届を取り下げなければ絶対に許さない」などと書いた手紙を弁護士に郵送させた。
 弁護士は、札幌地検が昨年7月に嫌疑不十分で不起訴処分にした。
サンケイ
 
手紙郵送の弁護士を懲戒請求 2014年7月24日
  • 傷害事件の被害者に加害者の男が被害届を取り下げるよう脅す手紙を送りつけた事件で、札幌地方検察庁は男から頼まれて手紙を郵送した弁護士について、23日、嫌疑不十分で不起訴にした一方で、札幌弁護士会に対し懲戒処分を求める申し立てを行いました。
    懲戒処分を請求されたのは、札幌弁護士会に所属する20代の男性弁護士です。 札幌地方検察庁によりますと、この弁護士は、今年5月、傷害事件の弁護を担当した際、事件の被害者に被害届を取り下げるよう脅す内容の手紙を被告の男から預かり、そのまま郵送していたということです。 男は23日、証人威迫の罪で起訴されましたが、弁護士は任意の調べに対して「手紙の内容は確認していなかった」などと関与を否定したということで、札幌地検は嫌疑不十分で不起訴にしました。
    その一方で、札幌地検は安易に手紙を郵送したことなどについて「弁護士としての品位に反する」として、23日、札幌弁護士会に対しこの弁護士を懲戒処分にするよう申し立てを行いました。 
  • 以上NHK札幌
(サンケイの報道)
起訴状によると、及川被告は5月下旬、被害者の男性らに「被害届を取り下げなければ絶対に許さない」などという内容の手紙3通を郵送したとしている。地検によると、手紙は及川容疑者が書き、弁護士が投函(とうかん)していたが、弁護士は「手紙の内容は分からなかった」と容疑を否認していた。
北海道新聞ではもう少し詳しく書いてあります
被害届を取り下げなければ絶対に許さない。自分で自転車で転倒したことにしろ接見時に腹部を携帯電話で撮影し印刷しその写真を弁護士に渡し受け取った弁護士は被害者に送った。とあります。
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さて裁判所でひとつの判断が出たのですから、札幌弁護士会としてももう議決をしなければなりません。裁判官にここまで言われてしまいました
「弁護士が職責に照らして当然の活動をすれば起こり得なかった面があり、被告の責任は軽くするべきだ」