県弁護士会所属弁護士に4度目の業務停止処分
(大分県)
県弁護士会に所属し由布市に事務所を構える秦文生弁護士が民事裁判の損害賠償金を依頼人に渡していなかったなどとして、県弁護士会から先月28日付けで業務停止8か月の懲戒処分。秦弁護士はこれまでも依頼人に無断で裁判を和解したり和解金を支払わなかったなどとして3度業務停止処分を受けていて、これで4度目の業務停止処分。県弁護士会によると連絡にも応じない状態が続いている。

弁護士自治を考える会
甘い処分を出すから被害者が増えてしまうという典型
ましてこの先生の身体の状態を考えれば、弁護井士業務を続けさせることが良いとは限らないのではないでしょうか
(1回目の報道)

和解金など不適切処理で弁護士を処分

 同会によると、秦弁護士は県内の女性から不動産の処理を依頼され、2008年5月19日、土地の売却代金1230万円を預かった。その後、約200万円を返却したが、残りの約1000万円を返還していないという。また、同会が昨年10月、日弁連の規定に基づいて、依頼者からの預かり金の保管状況を照会請求したが、回答しなかったとしている。

 今年1月、女性からの相談で発覚した。ただ、秦弁護士はうつ病と診断を受けており、同会の聴取にも1月の1回しか応じていないという。同会は相談窓口(097・536・1458)も設けている。【佐野格】

 
1回目の懲戒処分の要旨

  

(2回目の報道)

昨年懲戒処分の弁護士 新たに業務停止

 201551日(金)


(
大分合同新聞)

 離婚訴訟で反訴を起こすよう依頼されたのに起こさなかったなどとして、県弁護士会は30日、同会所属の秦文生弁護士(60)=大分市=を新たに業務停止4カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は26日付。不在者財産管理人として管理していた金銭を適切に取り扱わなかったなどとして、同会は昨年11月にも秦弁護士を業務停止6カ月の処分にした。その後の調査で他に非行行為があったと認定した。
 同会によると、弁護士は2012年、離婚訴訟で訴えられた夫側の代理人になり、妻側に慰謝料などを求める反訴を起こすよう依頼された。しかし、弁論終結までに提起せず、昨年4月に判決期日が指定されたのに、こうした経緯を夫に伝えなかった。和解を希望していた夫に、和解できるかのような虚偽の説明をしていた。
 さらに離婚までの生活費を夫が支払うとの審判が出たのに、弁護士は知らせなかった。夫は裁判所から178万円の支払い勧告を受け、初めて審判の確定を知った。弁護士は夫に178万円の賠償を約束したものの、支払っていない。夫は昨年5月に懲戒請求した。 弁護士には精神疾患があるという同会が今回の件で求めた弁明書は提出されなかった。 会見を開いた西畑修司会長は「誠に残念。職務放棄のような事案で、病気が影響したかは本人が来ないのではっきり申し上げられない」とした。

 


  

懲 戒 処 分 の 公 告

 大分県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する

 

1 懲戒を受けた弁護士

氏 名           秦 文生

登録番号         22419

事務所          大分市明野南2

               秦文生法律事務所

2 処分の内容      業務停止1

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は2008519日依頼者Aから1230万円を預ったがAのために支出した金員を控除した残金約1000万円についてAに返還しなかった。

被懲戒者は所属弁護士会が20141031日付けで行った預り金等の保管状況等に関する照会に対し回答しなかった。
被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規定第45条に違反し上記各行為は、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4 処分が効力を生じた年月日

201511月1日    201621日 日本弁護士連合会