ケナタッチ文書、日弁連幹部が民進に提供か 公開前、政権攻撃で連携
6/18(日) 7:55配信
プライバシーに関する国連特別報告者のケナタッチ氏が5月22日付で日本政府に反論した文書をめぐり、日本弁護士連合会(日弁連)の「共謀罪法案対策本部」副本部長を務める海渡雄一弁護士が同文書を受け取った直後に民進党に渡していた疑いがあることが17日、分かった。民進党関係者が明らかにした。
海渡氏は5月23日の記者会見で文書を公開したと説明していたが、その前に海渡氏と民進党が連携し、文書を政権攻撃の材料に利用した実態が浮かび上がる。
5月22日付のケナタッチ文書は、今月15日に成立した「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法について「法案を性急に成立させることを愚かにも決定した」と批判した。海渡氏は産経新聞の取材に対し、文書を5月23日の記者会見で公開したとし、民進党に渡したかどうかについては「質問に意味はない」と明確な回答を避けていた。
しかし、海渡氏が記者会見した23日午後0時半よりも前の同日午前9時に開かれた民進党法務部門会議で、文書はすでに配布されていた。民進党ネクスト法相を務める有田芳生参院議員は文書の入手経路について産経新聞の取材に「海渡氏からではないか。(文書は)民進党事務局から出された。直前に示されて、こういうものがあるんだと思って5月23日の法務部門会議で出した」と証言した。
一方、同党政務調査会は「資料の入手元は明らかにできない」と回答した。海渡氏も産経新聞の再取材に「前回の質問にお答えしたとおりで、付け加えることはありません」とだけ答え、文書のルートに関しては明言しなかった。
国連特別報告者は政府に情報収集を求める権限を有するが、ケナタッチ氏は日本政府に問い合わせることなく一方的に5月18日付で改正組織犯罪処罰法を批判する書簡を送付した。22日付文書は、ケナタッチ氏本人から日本政府に直接届けられていない。