AV出演強要を拒否した女性に高額な請求訴訟を提起した.AVプロ側代理人弁護士(二弁)に懲戒請求、日弁連懲戒委員会は棄却

 

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 長い闘いでした。この懲戒請求を順に追ってみます。

 

(1) AV出演強要を拒否した女性に高額な賠償請求訴訟を提起したAVプロ側代理人弁護士が所属する第二東京弁護士会に懲戒請求を申立て
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(2) 第二東京弁護士会綱紀委員会は棄却(処分しない)
      
(3)日本弁護士連合会綱紀委員会に処分しないのは不当であると異議申立
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(4) 日弁連綱紀委員会は「懲戒相当」であると議決
 
 日弁連綱紀委員会で「懲戒相当」が出た時の報道
AV出演拒否で女性に賠償請求 提訴の弁護士「懲戒審査相当」 日弁連異例の決定 「正当な活動」反論も
アダルトビデオ(AV)出演を拒否した20代の女性に所属事務所が約2400万円の損害賠償を求めた訴訟をめぐり、日本弁護士連合会(日弁連)が、所属事務所の代理人を務めた60代の男性弁護士について「提訴は問題だった」として、「懲戒審査相当」の決定をしていたことが18日、関係者への取材で分かった。弁護士は依頼者の利益を代弁する職責を持つため、提訴を理由に懲戒審査に付されるのは異例だという。 確定判決によると、女性は「タレントになれる」と18歳でスカウトされ、事務所と契約。その後、AV出演を求められ、拒否すると事務所から「違約金を支払え」などと脅された。女性が契約解除を求めると、事務所は男性弁護士を代理人として損害賠償訴訟を東京地裁に起こした。 しかし平成27年9月の1審判決は「事務所は高額の違約金を盾にAV出演を迫った」と指摘。「女性には契約を解除するやむを得ない事情があった」として請求を退けた。事務所側は控訴せず、判決は確定した。 この報道を知った東京都の男性が27年10月、「提訴は女性を恫喝(どうかつ)したAV出演強制を助長する行為で、弁護士の品位に反する」として、男性弁護士の懲戒を所属先の第2東京弁護士会(2弁)に請求した。請求した男性は女性や男性弁護士と面識はないという。 
 2弁の綱紀委員会は28年3月、「提訴は正当で、品位に反するとは言えない」として懲戒審査に付さないことを決定。男性は日弁連に異議を申し立てた。
 日弁連の綱紀委は28年12月、「訴訟活動は弁護士の本質的職務で、提訴が懲戒理由とされるのは極めて例外的な場合に限られるべきだ」としつつも、(1)提訴はこの女性や同様の立場にいる女性にAV出演を強制する行為とみなされる恐れがある(2)請求額の妥当性や、提訴が女性の心理に与える圧力などを十分に検討していない-などとも指摘。
 「訴えの正当性がないことを知りながら提訴するなどの『不当訴訟』とまでは言えないものの、提訴や訴訟内容に問題がなかったとは言えない」として2弁の決定を取り消した。このため2弁の懲戒委員会は今年1月、懲戒審査を始めた。   以上 産経
 
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(5) 日弁連綱紀委員会から次に第二東京弁護士会懲戒委員会に審議が付された。
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(6) 二弁懲戒委員会は再度「処分しない」と議決
 
(二弁懲戒委員会が日弁連で「懲戒相当」の議決を「処分せずとした」時の報道)
AV出演拒否の女性を提訴 代理人の男性弁護士を懲戒処分にせ
ず 第二東京弁護士会
アダルトビデオへの出演を拒否した女性に所属事務所が損害賠償を求めた訴訟をめぐり、提訴したことが懲戒処分の理由に当たるかを審査していた第二東京弁護士会が、事務所の代理人を務めた60代の男性弁護士を懲戒しないと決定したことが29日、分かった。27日付。
 弁護士会は「弁護士にビデオ出演を強制する意図はなく、女性のプライバシー保護にも努めていた」と判断。男性弁護士は「正当な結論でほっとした」と話した。
 訴訟で事務所側は女性に違約金約2400万円を請求。東京地裁は2015年9月に棄却し、判決が確定した。日弁連の綱紀委員会が「多額の請求はビデオ出演を心理的に強制し得る」として、男性弁護士の懲戒審査を求めていた引用産経http://www.sankei.com/affairs/news/170929/afr1709290026-n1.html
 
《二弁懲戒委員会の議決書》
 
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(7) 日弁連懲戒委員会に異議申立
 
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平成29年懲(異)第40号 第二東京弁護士会 平成29年(チ)第3号

         議 決 書
          対象弁護士   第二東京弁護士会
          宮本 智  16967
 
         主 文
  本件異議の申出は棄却するを相当とする
       理 由
異議申出人の対象弁護士に対する本件懲戒請求の理由及び対象弁護士の答弁の要旨はいずれも第二東京弁護士会懲戒委員会の議決書に記載のとおりであり、同弁護士会は同議決書記載の認定と判断に基づき、対象弁護士を懲戒しないこととした。本件異議の申出の申出の理由は、要するに前記認定と判断は誤りであり、同弁護士会の決定には不服であるとうにある。当委員会が、当委員会における対象弁護士の審尋結果を含め審査した結果、同議決書の認定と判断に誤りはなく同弁護士会の決定は相当である。よって本件異議の申出には理由がないので棄却するを相当とし主文のとおり議決する。
なお、本件については、本件出演契約に基き9回出演しなければならないことを前提とした逸失利益を含む高額の損害賠償請求をした点には問題があり、戒告の処分をすべきとの意見が相当数あったことを付言する、
平成31311
日本弁護士連合会懲戒委員会    委員長  永石一郎
 
懲戒委員の中で処分すべきであるとの意見が相当数あったというのが救いでした。中野区長選挙にも出た(落選)元日弁連会長の盟友には処分できないということでしょうか。
これで、またAV製作側が出演を拒む女性に代理の弁護士が
「おまえ!契約書にハンコついたやろが、出ないんだったら2000万円払え!訴えてやる!、わしら弁護士は処分なんかないんだからな!」
と女性を追い込んでいくことにもなりかねない
AV業界とっては大変ありがたく、日弁連の皆さまに感謝の気持でいっぱいでしょう。
日弁連には女性であることだけで副会長になった弁護士がいます、日頃は女性の人権だ権利だ、女性を守れ!という人権派?女性弁護士もいますが、これが日弁連のいう「社会正義の実現?」これでよかったのでしょうか??
 
 
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この委員の中で何人かは処分すべきだという意見を出された。
多数決をすると弁護士の数が多いように決められています。
しかも、対象弁護士と同期の弁護士が2人、二弁から1人の委員がいれば、「処分」は土台無理だったかもです。
 
委員の中でどの方が「処分すべき」とのご意見をお持ちでしたでしょうか

 

日弁連懲戒委員会
(1)永石一郎弁護士(懲戒委員長)東京13132平成25年5月旭日小綬章受章

 

(2) 白石史子      東京高裁裁判官

 

(3) 高博一弁護士  第二東京 17380

 

(4) 吉田誠治    最高検検事(長野地検検事正)

 

(5) 井上圭吾弁護士 (大阪)36期 18786

 

(6) 齊藤隆博   最高検察庁検事。元東京地方検察庁特別捜査部長

 

(7) 平田和一   専修大学法学教授

 

(8) 若江健雄弁護士  第一東京 18560

 

(9) 北田幸三弁護士 神奈川  16637

 

(10) 渥美雅康弁護士  愛知県 17832

 

(11) 長野秀幸    法制局長

 

(12) 木下秀三弁護士   東京 16730

 

(13) 小野裕伸弁護士    広島 18898

 

(14) 臼井敏男     元朝日新聞論説委員
 
 
今回の弁護士懲戒双六
ちょっとだけ期待持ちましたが、これならずっと棄却で弁護士のいない「綱紀審査会」の方がよかったかもです。
 
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