弁護士の選び方 ④  弁護士を紹介してはいけない!

 

弁護士が見つからない!!

どうしたらよいか? ネットや弁護士広告は信用できるのか?

そうだ、友達に聞いてみよう!

友達は以前に交通事故に遭い弁護士に依頼したことがあると聞いた。その友達ならいい弁護士を紹介してくれるかもしれない。

弁護士を紹介してはいけない! 友達から紹介された弁護士に依頼しない!

 

過去にこんなことが岡山でありました。

岡山弁護士会元副会長、福川律美元弁護士は交通事故事件等で地元岡山でとても信頼の厚い弁護士でした。被害者側、加害者側、保険会社からも事件を受け、事故を起こした当時者が警察官から、福川さんのところに行ってみればといわれるくらいの弁護士でした。福川弁護士に依頼し事件が終了した方も福川弁護士を紹介していました。

ある車の修理工場の方も福川弁護士さんがお勧めですと実際にかなりの数の紹介をしていたようです。

なぜ、他の弁護士と比べて福川弁護士の評判がよかったのでしょうか

元岡弁副会長という肩書き、家族に警察関係者がいる。交友関係が広い。気さくな人柄等々もありますが一番は、『立て替え金』を事故直後に渡してくれたからです。病院代、治療費、相手への見舞金、生活費を福川弁護士が立て替えてくれたのです。

福川さんは生活費を用立ててくれる。地元で評判になりました。

福川弁護士が自分の金を立替えしたわけではありません。保険会社から入る保険金を流用して渡し、次の仕事の保険金を充当していく。自転車操業でした。

ある時、大口の立て替えをして保険金がおりないことになり、自転車操業がほころびました。結局、総額9億円が消えてしまいました。被害者は300人とも報道されました。福川弁護士は懲役14年の実刑となりました。

(裁判で明らかになった被害の例)

子供が交通事故に遭い植物人間になった。将来の生活費と医療費2億円の保険金を横領。

交通事故で片足切断となった方の保険金5000万円を使い込み。

傷害事件の容疑者の保釈金300万円を使い込み保釈取消になり有罪となった。

離婚の慰謝料数百万円を福川が使い込み、慰謝料なしで離婚となった女性

 

福川弁護士を紹介した人に責任は無いかもしれません。まさか弁護士が横領するとは思ってもいないでしょう。保険会社、車の修理工場、保険代理店、そして福川弁護士を紹介した友人・・・

福川弁護士を紹介した方はどういう思いをしていたでしょうか・・・

 

弁護士が横領しても弁護士会、日弁連が弁済してくれることはありません。

 

横領ではなくても、弁護士の気分ひとつで依頼した事件が放置されることがあります。依頼者が弁護士に事件処理に指図したというだけで、わざと放置するのです。懲戒処分になったとしても戒告しかありません。相手から取れるお金も時効で取れなくすることもあります。

なぜ、あんな弁護士を紹介したのと文句を言われても困ります。

うまくいって当たり前。うまくいかないこともあります。

どうしても弁護士を紹介する時は万が一のことを考えて次のように言いましょう。

 

「私の場合はうまく事件を解決してくれたけれど、でも、あなたの場合はどうなるか私は分からない。弁護士との相性とかもあるし、うまくいかないかもしれない。それでよければ、ここに電話してみてはどう。いっとくけど私はどうなろうと責任は持てないわ、それでもいい!」

 

友達を失くしたくないなら、軽々しく弁護士を紹介しないのが一番です。