弁護士資格認定制度で弁護士になった弁護士の懲戒処分例

弁護士の懲戒処分・不祥事専門ブログです。弁護士になるには司法試験に合格することが条件ですが大学法学部の教授になれば司法試験が免除になり弁護士になり業務ができる制度があります。

法務省 弁護士資格認定制度

http://www.moj.go.jp/housei/gaiben/housei07_00004.html

弁護士法一部改正法附則3条2項により,平成20年3月31日までの間に,学校教育法又は旧大学令による大学で法律学を研究する大学院の置かれているものの学部,専攻科若しくは大学院の法律学の教授又は准教授の職に在った期間が通算して5年以上になる者は,司法修習生となる資格を得たか否かにかかわらず,研修の受講と法務大臣の認定を要件として,弁護士となる資格が与えられます。ただし,平成16年3月31日以前に既に在職期間が5年に達している者は,改正前の法律により弁護士となる資格が付与されますので,研修の受講と法務大臣の認定は要件とされず,直ちに弁護士となる資格が付与されます。

しかし、学問と現場の訴訟などの事務、交渉事に法学部教授だから熟知しているとは限りません、いくつかの処分例です。(書きかけです,新たな処分が出れば追加します)

鯰越 溢弘弁護士(新潟) 創価大学
懲 戒 処 分 の 公 告 2017年5月号

1処分を受けた弁護士氏名 鯰越 溢弘 新潟県弁護士会 登録番号 31249

http://hoka.soka.ac.jp/lesson/teachers/3/teacher-namazugoshi.html

2 処分の内容      戒 告

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は、管理組合法人Aから2014年5月7日損害賠償請求事件及び競売請求事件を提起された各被告の訴訟代理人であったところ、上記両事件の係属中に懲戒請求者Bを含むA法人の組合員である区分所有者約60名に対し、上記両事件の原告訴訟代理人である懲戒請求者C弁護士について「弁護士の発言とは思えない」、「管理組合法人の代理人を務めることは弁護士倫理に反し、懲戒の対象となる可能性がある」と記載した手紙「なんの勝算もなく、競売事件の裁判を始めたとしか考えられません」「人間感覚がないのではないかと疑いたくなる」「証拠上、間違いが明らかになった後も、組合員の皆さまに嘘を言い続けているのは、信じられません」、「嘘も百篇つけばホントになる」とでも思ってるのでしょうか」と記載した手紙、「『自分がやることは全て正しいが反対派のやることは同じ行為でも間違いである』」と言っていることに等しく、正気とは思えません」と記載した手紙を順次送付し、上記区分所有者に対する客観的な経緯の説明や情報、さらには批判の域を逸脱し、上記区分所有者との関係において懲戒請求者C弁護士を誹謗中傷した。4 処分の効力を生じた年月日 2017年1月14日 2017年5月1日 日本弁護士連合会

齊藤哲弁護士(仙台) 獨協大学

齊藤哲弁護士ウイキ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BD%8B%E8%97%A4%E5%93%B2

懲 戒 処 分 の 公 告 2019年2月号

1 処分を受けた弁護士氏名 齊藤 哲 登録番号 37994 齊藤哲法律事務所 2 処分の内容   戒 告

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は自動車保険の保険代理店の役員である懲戒請求者の紹介により、2014年8月19日に交通事故の被害者であるAから損害賠償請求事件を受任し、弁護士費用等補償特約を利用して損害保険会社から着手金を受領した後、Aから金銭の貸借を明示的に求められたこともなく、特別の事情がないにもかかわらず、同年10月23日に、Aに対し100万円を貸し付けた。4 処分が効力を生じた年月日   2018年11月11日2019年2月1日 日本弁護士連合会

菊田幸一弁護士(第二東京) 明治大名誉教授 刑事法学者
懲 戒 処 分 の 公 告 2015年4月号

1 処分を受けた弁護士氏名 菊田 幸一登録番号 31228 菊田法律事務所    

2 処分の内容  業務停止2月

3 処分の理由  

被懲戒者は2010年5月、懲戒請求者から金融業者である株式会社Aに対する債務問題について相談を受けたが懲戒請求者所有のマンションにかかる懲戒請求者とA社との間の買戻特約付売買契約が譲渡担保契約であることに気付かず被懲戒者が懲戒請求者に代わってA社に対し750万円を支払い上記マンションを買戻し付きで売り渡すという根本的解決にならない対策しか講じず、またその過程で杜撰な契約書の文書を作成した。その後、被懲戒者は懲戒請求者との間で上記マンションに係る賃貸借契約を締結したが、その賃料は実質的には上記750万円の融資に対する利息と解されるところ、賃料を月額10万円とするなど、利息制限法に違反する契約を締結した。また、被懲戒者は上記マンションの賃料を月額10万円としたにもかかわらず、当初懲戒請求者が生活保護を申請するために月額5万円の賃貸借契約書を作成した。4 処分が効力を生じた日 2015年1月26日2015年4月1日 日本弁護士連合会

 

(注)菊田幸一弁護士の処分履歴

2013年7月号 業務停止2月 

2018年11月号 戒告  

2018年9月号 戒告 

2015年4月号 業務停止2月

 

小畑雄治郎弁護士(大阪)龍谷大学。

http://sc.chat-shuffle.net/human/id:7170356

懲 戒 処 分 の 公 告 2015年1月号

1 処分を受けた弁護士氏名 小畑雄治郎 登録番号28418 2 処分の内容 戒 告

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、2008年2月5日頃、懲戒請求者Aの夫であるBから損害賠償請求事件を受任するに当たり、報酬に関する説明を適切に行わず、委任契約書も作成しなかった。また被懲戒者は、同日頃、上記事件の弁護士費用としてBから41万5000円を受領し、それ以降の報酬請求権を放棄したにもかかわらずBから損害賠償請求権を譲り受けた懲戒請求者Aに対し2011年10月17日付け文書で報酬として83万円を請求した。(2)被懲戒者は2009年9月25日及び同年10月3日に上記事件の紹介者で懲戒請求者Aの父親である懲戒請求者Cから上記事件の処理中に合計40万円を借入れ返済しなかった。(3)被懲戒者は懲戒請求者Aから離婚事件の相談を受け公正証書案を作成するに当たり弁護士費用について説明しなかった。(4)被懲戒者は懲戒請求者Aから離婚事件の相談を受けていた2010年12月10日に懲戒請求者Aから15万円を借り入れた。

4 処分が効力を生じた年月日 2014年9月23日 2015年1月1日  日本弁護士連合会

小室金之助弁護士(東京) 創価大学

(小室金之助{ウイキ})

小室金之助(こむろ きんのすけ、1928年~ )は、法学者、弁護士、創価大学名誉教授。東京都生まれ。東京開成中学校1951年早稲田大学法学部卒業、法学部副手、大学院特別研究生、司法修習生を経て、57年東京弁護士会登録、71年創価大学教授、法学部長、大学院法学研究科長、副学長を経て、92年学長。2007年退職、名誉教授。79年「会員権証券法論」で法学博士(早稲田大学)。商法を専門とし、シェイクスピアや歌舞伎にも関心が深い。

小室金之助弁護士

http://www.hou-nattoku.com/lawyers/lawyer_detail.php?lawyer_id=6960

懲 戒 処 分 の 公 表(東弁リブラ)2012年12月号

本会は下記会員に対して弁護士法第57条に定める懲戒処分をしたのでお知らせします。

被懲戒者 小室金之助(登録番号6960)登録上の事務所 東京都港区西新橋  阿久津総合法律事務所

懲戒の種類 業務停止1月  効力の生じた日 2012年11月21日

懲戒処分の要旨

懲戒請求者2名の父(以下「父」という)は懲戒請求者らと内縁の妻を相続人並びに受遺者とし、遺言執行者をA弁護士と指定する公正証書遺言を作成したが父の存命中にA弁護士が死亡し、その後父も死亡した。父死亡後、被懲戒者は懲戒請求者2名及び内縁の妻から被懲戒者を遺言執行者に選任する旨の申立及び遺産分の分割協議書を作成する件を受任した。その後被懲戒者は遺産分割協議書を作成して懲戒請求者らの同意を得ようとしたが内妻が父の存命中に1億4000万円を父の預金口座から引き出していたことが判明したため懲戒請求者らは遺産分割協議書への署名押印を拒否した。上記のように懲戒請求人らと内妻との間の利害対立が明確になった以上、被懲戒者としては直ちに遺言執行者の選任手続を行うが懲戒請求者2名及び内妻について全員の代理人を辞任するか少なくともどちらか一方について辞任すべきであるのに被懲戒者は各人の立場や法律的な意味について双方に説明することもないまま遺産分割手続を進め、懲戒請求者2名から解任されるまで全員の代理人として行動した。これは弁護士職務基本規定第28条及び弁護士倫理に違反することは明らかであり弁護士としての品位を失うべき非行であるから弁護士法第57条第1項所定の処分のうちから業務停止1月を選択する。2012年11月21日東京弁護士会長 斉藤義房

越知 保見 20193(第一東京)明治大学

https://www.meiji.ac.jp/laws/teacher/ochi.html

法科大学院教授の弁護士懲戒 第一東京弁護士会、「利益相反」

第一東京弁護士会は28日、千葉県の学校法人の法律相談を受任中に、法人の不正経理を指摘した職員の代理人も務めたとして、明治大法科大学院教授の越知保見弁護士(58)を業務停止3カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は27日付。「利益相反」に当たると判断した。越知弁護士は不服として日弁連に審査請求する方針。

越知弁護士は28日、都内で記者会見し「職員の代理人を務めたのは法人から契約解除の通知を受けた後だ」と反論。学校法人が懲戒請求したのは「内部告発した職員への圧力だ」と述べた。

引用 佐賀新聞

https://www.saga-s.co.jp/articles/-/320018

懲 戒 処 分 の 公 告 2019年4月号

1 処分を受けた弁護士  越知保見  登録番号20193 2 懲戒の種別  業務停止3月

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、懲戒請求者学校法人Aから2012年9月頃に懲戒請求者A法人を相手方として申立てられた労働審判事件に対する助言等を、同年11月に懲戒請求者A法人を債権者とする仮処分命令の申立て等を2013年3月に申立られた懲戒請求者A法人を債権者とする仮処分命令申立事件についてのそれぞれ依頼され代理人になる等したが、いずれも委任契約書を作成せず、かつ事件の受任に当たって弁護士報酬について適切な説明をしなかった。

(2)被懲戒者は懲戒請求者A法人からの継続的な法律相談業務の提供関係が存続していたにもかかわらず懲戒請求者A法人に勤務するBらの代理人として2013年8月27日付けの書面において懲戒請求者A法人に対してその内部統制についての調査及び業務監査の実施を要求した。

(3)被懲戒者は懲戒請求者A法人からの継続的な法律相談業務等の処理の過程でしった懲戒請求者A法人に関する情報を利用してBらの代理人として2013年9月2日付けの書面において懲戒請求者A法人に対してその業務監査を要求し、またBらの代理人として同月26日付け告発書において知事に対して懲戒請求者A法人に関する告発を行い。同年11月11日頃に記者会見を行って上記告発の内容を公表し、さらに同年12月5日にBの代理人として懲戒請求者A法人を相手方とする労働審判の申立てを行った。

(4)被懲戒者は2013年11月15日、懲戒請求者A法人から紛議調停を申し立てられて被懲戒者が懲戒請求者A法人に請求した弁護士報酬について業務内容の内訳の説明や請求の根拠となった業務時間記録の交付、支払済みの弁護士報酬のうち相当額の返還等を求められていたにもかかわらず、報酬請求の根拠となる資料の提出をせず、その結果、紛議調停は2014年2月24日不正立により終了した

(5)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第29条第1項及び第30条に上記(2)の行為は同規程第28条第2号に上記(3)の行為は同規程第23条に違反ししずれも弁護士法第56条第1項の品位を失うべき非行に該当する。なお被懲戒者が2005年に戒告の懲戒処分を受けていることなどを考慮して上記処分とした。

4 処分の効力が生じた日   2018年12月27日

2019年4月1日  日本弁護士連合会

浜田治雄弁護士(東京) 日本大学
83歳弁護士を業務停止処分

第一東京弁護士会は2日、同会所属の浜田治雄弁護士(83)を業務停止10月の懲戒処分にした。

発表によると、浜田弁護士は2016年6月には、既に弁護士登録を抹消していた知人の男が無資格であると知りながら、自分の名義を貸してゴルフ会員権を巡る損害賠償請求訴訟を担当させるなどしたとしている。 同会の調査に対し浜田弁護士は「弁護士登録がないとは知らなかった」と話しているという。

以上、読売新聞11月3日付 都内版

 

浜田治雄弁護士 第一東京弁護士会 登録番号36444  ユニバーサル特許法律事務所 東京都港区南青山3-4-12 知恵の館

業務停止 2020年11月2日~2021年9月1日

 

無資格で弁護士名乗り疑い 男逮捕、自ら登録取り消し後 2018年3月7日

2018年3月7日 報道 産経
資格がないのに「弁護士」と書かれた名刺を配ったとして、警視庁保安課は弁護士法違反の疑いで、住所不定、会社役員、若梅明容疑者(71)を逮捕した。

保安課によると、若梅容疑者は昭和45年に司法試験に合格。地裁判事補となったが、49年に退官。同年に弁護士として登録したが、平成11年に自ら取り消していた。 知人の紹介で、27年9月から28年12月にかけ、男性弁護士(80)が所長を務める東京都港区の弁護士事務所で活動。依頼者の相談を受け、着手金など400万~500万円を受け取った疑いがある。 逮捕容疑は28年4月18日午前11時ごろ、大分市内で工務店の男性役員(55)に「弁護士若梅明」などと記載された名刺1枚を渡したなどとしている。若梅容疑者は「間違いありません」と容疑を認めている。 男性役員は損害賠償請求を依頼したが、公判に誰も来なかったので不審に思い、28年12月に事務所に連絡。無資格が発覚した。

2年前に80歳の弁護士のいる港区の法律事務所?これは浜田弁護士ではないのでしょうか??

(日弁連広報誌「自由と正義」の処分要旨掲載は未定)

河原格弁護士(東京)大東文化大学
当会会員逮捕に関する会長談話

2020年11月13日

東京弁護士会 会長 冨田 秀実

本日、当会河原格会員が、弁護士法違反(非弁護士との提携)の容疑で逮捕されたとの報道がありました。逮捕容疑が事実であるとすれば、弁護士に対する信頼を著しく損なうものであり、重大な事態であると極めて厳粛に受け止めております。当会としては本件について事実確認のうえ適正に対処する所存です。

報道

あっせん業者から依頼受ける…弁護士を逮捕

11/13(金) 12:04配信

報酬目的で法律事務をあっせんしている業者から仕事を受ける、いわゆる「非弁提携」をしたとして74歳の弁護士の男が逮捕されました。 警視庁によりますと、弁護士の河原格こと鈴木格容疑者は去年、報酬目的で法律事務の仕事をあっせんしている男から債権回収などの依頼を希望する人の紹介を受け、受任した疑いがもたれています。 報酬目的であっせん業をしている人から弁護士が仕事の紹介を受ける行為は違法ですが、鈴木容疑者はこれまで30件ほどの紹介を受け、300万円以上報酬を得たとみられています。 調べに対し、「弁護士と接見するまで話しません」と黙秘しているということです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9cd4b8bf680e44167fac6059835dea2dbe47689c

 

河原格 登録番号44040 東京弁護士会 河原格法律事務所 東京都文京区春日2-13-4

氏 名 鈴木 格  職務上の氏名 河原 格

大東文化大法科大学院で民法を教授する

 

(日弁連広報誌「自由と正義」の処分要旨掲載は未定)

野村修也弁護士(第二東京)中央大学

(報道)大阪市が平成24年に全職員を対象に実施した組合活動に関するアンケートに、憲法が保障する団結権やプライバシー権を侵害する質問項目が含まれていたとして、第二東京弁護士会は17日、当時の市特別顧問で、アンケートを実施した第三者調査チームの責任者だった中央大法科大学院教授、野村修也弁護士(56)を業務停止1月の懲戒処分とした。アンケートは24年2月、橋下徹市長(当時)の指示で、約3万人を対象に記名式で実施。調査方法を問題視する声が上がり、未開封のまま廃棄処分とされた。
同会は、22の質問項目のうち「特定の政治家を応援する活動に参加したことがあるか」「自分の納めた組合費がどのように使われているか知っているか」などの5項目が、職員の団結権やプライバシー権などを侵害すると認定。また、「このアンケートは任意の調査ではありません」などと回答を強制したともとれる記載があったことなどから、責任者だった野村氏について「弁護士の品位を失うべき非行」に当たると判断した。
同会によると、野村氏は「当時、職員の不祥事が多発していたこともあって、調査は有益かつ必要なものだった」と話しているという。引用 産経

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180717-00000554-san-soci

懲 戒 処 分 の 公 告 2018年11月号

1 処分を受けた弁護士氏名 野村修也 登録番号 31239 事務所 東京都千代田区丸の内2-6  森・濱田松本法律事務所 2 処分の内容  業務停止1月

3 処分の理由

被懲戒者は、2012年1月12日、A市の市長Bから特別顧問の委嘱を受け、A市役所における違法行為等の実態調査、解明のために組織されたA市の職員以外の愛三者からなる調査チームの代表に就任していたところ、上記チームの責任者として組合活動への参加の有無、組合費がどのように使われているか知っているか等について憲法に違反する内容の質問事項を含むアンケートを作成し、上記アンケートの質問事項について真実を正確に回答することを求め、正確な回答がなされない場合には懲戒処分の対象となり得る旨及びA市職員が自らの違法行為について真実を報告した場合には懲戒処分の内容が軽減される旨の市長メッセージを含む市長Bの職務命令を発令させ、上記職務命令を鑑に付して、A市と共同して上記アンケートを実施した。被懲戒者の上記行為は、憲法が保障する基本的人権を侵害するものであると同時に、弁護士法第1条に掲げる弁護士の使命にもとる行為であって、同法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4 処分が効力を生じた日 2018年7月17日2018年11月1日  日本弁護士連合会

杉山博亮弁護士(東京)専修大学法科大学院
懲 戒 処 分 の 公 告 2015年2月号

1 処分を受けた弁護士氏名 杉山博亮 登録番号23069 事務所 東京都千代田区神田神保町2専修大学8号館1階  今村記念法律事務所

2 処分の内容      戒 告

3 処分の理由の要旨

1 被懲戒者は2009年3月22日懲戒請求者らから、その亡父Aに係る社会福祉法人等を相手方とする医療過誤による損害賠償請求事件を受任したが、受任に際し、受任内容について十分に説明せず、委任契約書を作成しなかった。2被懲戒者は医学データの検討及び専門家医師の意見聴取をせず、その他合理的な理由がないにもかかわらず、2009年3月24日付け通知書による最初の受任等の通知から約4か月間示談交渉の申し入れをせず、同年9月13日頃に調停申立ての方針が決まってから約5か月半調停の申立てをせず2010年7月1日頃訴訟提起の方針が決まってから約5か月半訴訟提起をしなかった。3また被懲戒者は2009年11月15日に懲戒請求者らから調停申立ての進捗状況につき報告を求められたが2010年1月31日まで報告をせず、さらに同年9月6日に進捗状況の定期的な報告を求められたが同年11月20日まで報告をしなかった。4被懲戒者は2010年2月24日頃、懲戒請求者らから医療過誤事件に精通した他の弁護士の紹介を求められ、また同年9月23日にも医療過誤事件に精通した弁護士と共同受任するよう求められたところ自ら事件を遅滞なく処理できる状態になく、他の担当の勤務弁護士にも医療過誤事件の患者側弁護士に期待される善管注意義務を尽くして延滞なく適切に事件処理できるだけの時間と経験がなかったにもかかわらず、医療過誤事件に精通し、又は医療過誤事件に相当経験のある弁護士を懲戒請求者らに紹介し、当該弁護士と共同受任するよう努力しなかった。5 被懲戒者は2010年9月24日にAの全診療記録の情報開示請求をし、同年11月2日にこれを入手するまで、示談交渉申し入れ前のみならず、調停申立てをするに当たっても、Aの死亡前3か月間の診療記録を収集して分析及び検討することをせず、また因果関係が争点となることが当然予想されたにもかかわらず、上記訴訟を提起する前に専門医師等に相談して因果関係に関する医学的知見について聴取する等必要な調査及び検討をしなかった。6被懲戒者は訴えの提起前に懲戒請求者らに対して専門家医師から意見聴取をすることの有用性等について説明して医学的文献等の調査では因果関係の根拠となる医学的知見を獲得できていないとこと、それにもかかわらず専門家医師等から意見聴取をしない方針であること及びその理由並びにこの訴訟方針を採用した場合の不利益等の説明をせず、また訴え提起前に専門家医師等から意見聴取をしなかった。被懲戒者は訴え提起前になすべき調査活動をしないまま訴えを提起したことにより、第1回弁論準備手続期日から辞任に至るまでの8か月、認否及び反論を準備できなかった。7被懲戒者の上記各行為を包括的に評価すれば弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4 処分の効力を生じた年月日 2014年11月5日  2015年2月1日   日本弁護士連合会

杉山博亮弁護士懲戒履歴

2019年6月 戒告

2018年7月 業務停止8月

2017年11月 戒告

2017年2月 業務停止1月

2015年2月 戒告