弁護士自治を考える会

『SNSで弁護士×弁護士がバトル!』なぜ杉山程彦弁護士(神奈川)は処分されたのか

6月9日 神奈川県弁護士会の杉山程彦弁護士の懲戒処分「戒告」の議決書を公開いたしました。反響も多く当会のツイッターには1日で約1万8000件の訪問がありました。また多くのコメントやご意見がありました。

この懲戒処分に対する評価は半々

1 弁護士のツイートとして相応しくない。処分は当然

2 良く言ってくれました。そのとおり、処分は不要

突然、妻が子どもを連れて出て行かれて途方にくれている方、離婚後の子どもの面会交流ができない方、裁判所の和解で子どもとの面会の約束がありながら約束が履行されていない方、杉山程彦弁護士はこの方たちからの事件の依頼を数多く受けています。

今回の処分は、事件放置した。預り金を使い込んで処分されたものとは違います。弁護士が弁護士にSNSを利用して対して各々の立場で意見交換をした。そのツイートの一部が弁護士として品位を失うべき非行であるいう処分理由とされているようですが果たしてツイート内容が不適切だったのでしょうか、過去の処分例を見てみましょう。

弁護士が誹謗中傷・暴言で処分を受けたケース

誰に⇒相手方代理人・相手方当事者・裁判官・調停委員

手法⇒ 準備備書面等で相手弁護士を罵った。法廷で相手弁護士を罵った例

以下の処分例があります。

(弁護士に対する暴言・誹謗中傷 懲戒処分例(懲戒請求者は弁護士)

 「破産者の操り人形に成り下がり」「非弁整理屋がかんでいるのであろう明らかに犯罪行為である」「申立代理人としてほとんど何も仕事をしていない」大阪戒告2009年
2、「被害者を食い物にした卑劣極まる弁護士の犯罪である」「ペテン師や事件屋の手口そのものである。」東京 戒告 2012年
3、「ふざけるな馬鹿」二弁 戒告 2005年
4、「いわゆる暴力団あるいはアウトローのやる行為」 神奈川 戒告 2006年
5、「あまり、つまらないことはしないほうがいいよ」「あたりまえだ、君の無知には驚くよ」東京 戒告 2000年
6、「弁護士の発言とは思えない」「人間感覚がないのではないか」「嘘も百篇つけばホントになる」「自分のやることは全て正しいが反対派のやることは同じ行為でも間違いであると言っているに等しく正気とは思えません」 新潟 戒告 2018年
7、「ことさら紛争を煽り自らの商売にしている」「お金のためなら事件を煽りなんでもする」京都 戒告 2017年
8、「読む方が恥ずかしくなる主張だ、こんなことを準備書面に書いて陳述することに抵抗感はいのだろうか」兵庫 戒告 2017年
9、「馬鹿な裁判官だったら騙せると思ったのであろうか」「速やかに法廷に出廷してこい」東京 戒告 2018年
10、辞めた弁護士に破産宣告を申告する」「弁護士生命を断たれるに等しい」二弁 戒告 2018年
11、「この手の弁護士は交渉時に独自の理論を強弁して話せば話すほど混乱を極めるタイプである」「ほんなら表に出て話をするか」兵庫 戒告 2018年
12、「弁護士としての倫理観が欠如している」「ヒステリー気味な言動が見られる」神奈川 戒告 2013年
13、「徹底的にずるい奴」「根性が悪い」「耳が悪いなら弁護士を辞めなさい」金沢 戒告  2015年

一方的に書面で書かれたり法廷での暴言で互いにSNSを利用して双方バトルをしで罵り合ったものではありません。

 

SNSで弁護士同士がバトルし合い述べ片方が処分されたケース

当然、懲戒請求者は弁護士です。SNSを弁護士が利用し始めたのは約15年くらい前からでしょうか、まだ処分例は多くありますせんが処分に一定の法則があります。

懲 戒 処 分 の 公 告 2017年1月号

1 懲戒を受けた弁護士氏名 高島章  登録番号22968  2 処分の内容 戒 告

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は2015年3月31日、多数の者が閲覧することが可能なインターネット上のソーシャルネットワーキングサービスにおいて、懲戒請求者A弁護士に対し『お前は馬鹿だ』、『あなたが弁護士を辞めろ』、『あなたと顔を合わせた際、第一にやることはあなたを殴ることです』等の攻撃的かつ威圧的で懲戒請求者A弁護士を屈辱する書き込みをした。

(2)被懲戒者は、2015年4月13日、上記ソーシャルネットワーキングサービスにおいて、懲戒請求者A弁護士について懲戒事由があることを事実上法律上裏付ける相当な根拠について調査、検討をした形跡もないまま、懲戒請求者A弁護士に対する懲戒請求案として7項目にわたる非行事実の骨子を示した上、相当程度の業務停止処分を科するのが相当である旨の書き込みをした。

4 処分の効力を生じた年月日 2016年8月23日  2017年1月1日   日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 2018年7月号
1処分を受けた弁護士氏名  高島章  登録番号 22968  2 処分の内容      戒 告

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は懲戒請求者A弁護士との間でツイッター上のアカウントを使用し、ヘイトスピーチを巡り互いに批判し非難する書き込みを応酬していたところ、2015年11月9日午後2時49分から同日午後10時23分までの間、懲戒請求者A弁護士について所属弁護士会の綱紀委員会の議を経て懲戒委員会における審理が開始した旨の懲戒手続に関する具体的情報をツイッター上に書き込んで事実上公表した。

4 処分の効力を生じた年月日 2018年3月30日 2018年7月1日   日本弁護士連合会

要旨の中のA弁護士とは神奈川県弁護士会の神原元弁護士(神奈川)

高島章弁護士VS神原元弁護士

https://togetter.com/li/899192

https://togetter.com/li/984453

次に処分になる可能性があるもの

綱紀審査会【審査相当事案】SNSで亡くなった弁護士に対し『好訴妄想』とツイートした弁護士に審査相当の議決

2021年3月18日

杉山程彦弁護士のツイート(議決書から)

(1)(懲戒請求者に関し、)「連れ去り弁護士ほど子煩悩をアピールしていたりする」

(2)(同じく)「誘拐弁護士」ただし、その後、この投稿は対象弁護士より削除された。)

(3)(同じく)「誘拐は誘拐だということがアウトなのですね」

(4)(同じく)「昨日は連れ去り弁護士が公認された」

(6)(同じく)「この貧困マッチポンプ活動家」

(7)(上記2名の弁護士以外の弁護士個人に関し)「今日もまた、誘拐を助長する●先生」

(8)(同じく)「国内で誘拐を率先してやっとる」

(9)(同じく)「国内の誘拐された子どもたちのPAは心配しない●」

(10)(同じく)「自称DV被害者の誘拐、児童虐待を推進してきた●先生」

(11)「婚姻費用とは子どもを連れ去った誘拐犯に認められる身代金請求権のことである」

(12)「連れ去り弁護士の教科書ね」

(13)「夫婦別姓や同性婚を応援する弁護士のかなりは連れ去り弁護士である」

(14)「夫婦別氏や、LGBTの訴訟を支援する団体に連れ去り弁護士がかなり入り込んでいる」

(15)「国内事件だと連れ去り弁護士が喜ぶ判しか書きませんからね」

(16)「離婚事件においては、連れ去り弁護士と御用学者の協力関係がある」

(17)「連れ去り被害者にとって、連れ去り弁護士は敵である」

(18)「連れ去り弁護士がパヨクと親和性があるのはなぜでしょうね」

(19)「代理人弁護士から誘拐当日かに犯行声明が送られてきており」

(20)「離婚でなくて、子どもの連れ去り、弁護士はこれで楽勝モードでしょ」

(21)「個別事件がどうこう言うより構造的に弁護士は誘拐犯なのだ」

(22)「専業主婦で夫が高所得の女に連れ去りさせて、婚姻費用養育費財産分与で儲けるのが弁護士のビジネスモデルじゃないか」

(23)「セクハラは悪いことだが、子どもの誘拐は正しいことで、身代金は当然の権利というのが、日本弁護士倫理なのだろう」

(24)「なんでもかんでも、攻撃的という連れ去り弁護士の多くは、自分の言い分と異なる主張に対して聞く耳持たず攻撃的」

(25)「業界全体が誘拐ビジネスをしていることは、地動説を唱えることと同じ」

(26)「家庭裁判所自体が誘拐ビジネスの日本一の誘拐組織である」

(27)「『母親が子どもを連れて父から逃げるのは事案によってやむを得ないだろうし、父と子どもを隔離するのが子の幸せにつながる場合もある』などと宣いながらあらゆる案件で連れ去りをする業界全体が誘拐組織ですよ」

(28)「司法が激烈におかしいこと、弁護士はそれに乗っかり誘拐ビジネスをしていることは、言っていかないといかんと思う」

(29)「日本は日常的に誘拐が行われている国です、行政、司法は誘拐犯の味方をし、弁護士は誘拐犯の側について、金儲けをしています」

(議決書)対象弁護士の投稿は、他の弁護士に対する名誉棄損又は誹謗中傷であり、弁護士職務基本規程第70条及び第71条に反し、所属弁護士会の信用を害し、他の弁護士一般を不当に貶めるものであるから、弁護士法第56条第1項にいう弁護士の品位を失うべき非行にあたる。

(以前の横浜弁護士会、現在は神奈川県弁護士会)

ある弁護士さんも「まあ~これだけやれば処分は仕方ない!」との意見もありました。

なぜ処分になったのか

高島章弁護士のケース

過去にSNSで弁護士同士がやり合って処分になったのは、間違った情報を投稿したからです。高島章弁護士(新潟)と神原元弁護士(神奈川)のSNS上のバトルで高島弁護士の投稿した内容はシバキ隊の存在や行動の件ですが、弁護士会はこの件について判断していません。「懲戒処分を受けた」という誤った情報を投稿したのが処分理由です。

杉山程彦弁護士のケース

杉山弁護士と懲戒請求者のバトルについてや「連れ去り」、「誘拐」の言葉の定義が弁護士のツイートして相応しいかという判断もされていません、懲戒請求者が「(子の)連れ去り」「(子)の誘拐」を行っているという証拠も無くあたかも誘拐を業務にしているというツイートは処分に値するということですが、では「子の連れ去り「誘拐」とは何かについて弁護士会綱紀委員会、懲戒委員会は踏み込んで判断をしていません。

議決書では対象弁護士の投稿は、他の弁護士に対する名誉棄損又は誹謗中傷であり」、とされましたが、全ての投稿が名誉毀損・誹謗中傷の対象だったのでしょうか。どの文言が処分の対象になったという判断も議決書にはありません。

「誘拐」「連れ去り」という文言が使用されていますが、この文言についての判断はされていません。

議決書 「誘拐」「連れ去り」などという表現が用いられているが、綱紀委員会の2020年7月1日付け議決書第4及び第5において、これらを判断の対象としなかったから当委員会でも、判断しないものとする。

高島章弁護士、杉山程彦弁護士の件は双方の弁護士がSNS上でバトルを行った、互いに意見表明、意見対立があったのですが、ところが議決書に書かれたものはどちから一方のものです。処分された方だけです。

まるでバトルの相手は何ら問題ある品位の無いツイートを投稿しなかったように見えますが実際はどうでしょうか?対象弁護士の杉山弁護士も相手方の投稿内容を乙号証として綱紀委員会に提出していますが採用されていません。

弁護士の暴言がありながら処分にならなかったケースがあります。

離婚事件で相手方当事者に対し『テメー!〇×△』と言った弁護士(一弁)。『あんた民法知ってんの』と相手方代理人に暴言を吐き調停室のドアをバーンと開けて出て行ったケース。なぜ処分にならなかったか、それはお互いに罵り合った、相手からも攻撃があったと反論して喧嘩両成敗であると処分をしなかったのです。 

高島章弁護士も杉山程彦弁護士も喧嘩両成敗、どっちもどっちだ!とはならなかった。高島弁護士は間違った情報を投稿したのが処分理由

杉山程彦弁護士の処分理由で決定的だったのは

処分理由(議決書)

対象弁護士が懲戒請求者に対し限定的にせよ謝罪し、自己の非を認めたことなど、対象弁護士に有利な事情を考慮して、対象弁護士を戒告するのが相当である。

対象弁護士が謝罪し、非を認めた。認めたのなら処分するしかない。懲戒請求者にマウントとられてしまい。処分。

当会は懲戒処分の要旨、棄却になった議決書を数多く所持していますが、弁護士が非行を詫びても処分されます。自ら非を認めているから処分せざるを得ないのです。人間的に優しいとか素直な人であっても処分されます。懲戒処分は弁護士会が弁護士を処分するものです。謝罪するなら綱紀委員会にすべきです、懲戒事由にもよりますが、上手に謝罪すれば綱紀委員会は「弁護士として品位を失う非行ではあるが処分するまで至らない」としてくれます。

ずっと離婚の子どもに関して、親権に関してバトルしていたらどうだったでしょうか?

SNS上のバトルの相手方、杉山弁護士の懲戒の懲戒請求者(千葉の弁護士)の投稿はどのような内容だったのでしょうか。杉山程彦弁護士の綱紀委員会に提出した乙号証を公開していただかなければ分かりませんが、懲戒請求者もかなりのツイートをしたのではないかと推測します。

ひとつだけありました。

 

 

懲戒処分されたといっても、悪徳だの弁護士の風上にもおけない、依頼するべきではないという意見をお持ち方もおられるでしょうが、

しかし、私たち依頼者にとって、

弁護士仲間から評判もよく品位があるが押しの弱い弁護士

弁護士仲間から嫌われようが評判が悪かろうが、品位がなかろうが依頼者に寄り添い依頼者のために頑張ってくれる弁護士

あなたはどっちを選びますか?

 

杉山程彦弁護士(神奈川)懲戒処分「戒告」の議決書 神奈川県弁護士会 

2021年6月9日 

【暴言・心ない言葉】懲戒処分例