弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2021年7月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・岡山弁護士会・横野崇司弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・遺産分割協議事件の報酬の説明が不十分。

5%にするといったじゃない!

懲 戒 処 分 の 公 告

 岡山弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士

氏名 横野崇司

登録番号 33485

事務所 岡山市北区中山下1-10-10 新田ビル3階

横野崇司法律事務所 

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

 被懲戒者は、報酬基準につき、自己のウェブサイト内に簡略な「弁護士費用一覧表」を掲示していたものの、独自の詳細な報酬基準は作成しておらず、旧日本弁護士連合会報酬等基準に準拠して報酬を算定することとしていたが、2015年10月30日、懲戒請求者からAとの遺産分割交渉事件を受任した際、懲戒請求者に対し、上記基準に定める遺産分割請求の報酬額算定方法を説明することはなかった。また、被懲戒者は、上記事件に関する懲戒請求者との委任契約書では、報酬金は懲戒請求者の得た経済的利益の8%とされ、事件終了後、懲戒請求者と被懲戒者の協議により経済的利益の5%まで変更を認めることとされていたところ、事件終了時において、報酬金の前提となる経済的利益の算定方法について、懲戒請求者と何ら協議等を行わず、報酬割合をなぜ5%でなく8%とするのかについての説明もしないまま、2016年7月15日、懲戒請求者が取得した遺産全額の評価合計額を経済的利益とし、その8%及びこれに消費税を加算した額を報酬金とする請求書を懲戒請求者に送付し、同年9月9日、Aから受領した解決金から報酬金を差し引いた残額を懲戒請求者の預金口座に一方的に振り込む方法により報酬金を受領した。

 被懲戒者の上記行為は、弁護士職務基本規程第29条等及び弁護士の報酬に関する規定第3条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4 処分が効力を生じた日 2021年2月9日 2021年7月1日 日本弁護士連合会