弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2021年8月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・第一東京弁護士会・鈴木謙弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・預り金横領。
弁護士の不祥事の処分は弁護士仲間で決めるのが弁護士自治、綱紀委員も懲戒委員も弁護士です。弁護士の仕事は被告人を弁護して罪を軽くする。優秀な弁護士である綱紀委員や懲戒委員はいかに処分を軽くする方法はないか考えているのでしょうか。弁護士が横領に手を染めても、弁済すれば除名・退会処分にせず、業務停止の最長である2年でもなく業務停止1年10月を選択する。他の業界であれば確実に業界追放、刑事告発でしょう。銀行員が預金を横領して弁済しても銀行業界にはいられません。まったく常識が違うのが弁護士業界。被懲戒者は一旦事務所も閉鎖し処分明けにまた事務所を立ち上げるのでしょう
業務停止2021年3月24日~2023年1月23日
会長談話と報道がありました
当会は、本日、当会所属の弁護士に対して、同弁護士が保佐人及び成年後見人として財産を管理していた事件において、それぞれ多額の現金を横領したことを理由に、業務停止1年10月の懲戒処分を言い渡しました。同弁護士のこの様な行為は、弁護士に対する信頼を著しく損なうものであり、極めて深刻な事態であると厳粛に受け止めております。
当会は、同弁護士が横領行為を行っていたと疑われる事実を把握した後、直ちに当会綱紀委員会に対して調査を請求し、その後、同委員会及び当会の懲戒委員会における調査、議決を経た上で、今回の処分に至ったものです。
当会では、不祥事の芽を早期に摘み取るべく、以前より、市民相談窓口の充実を図るなど、不祥事の根絶に向けた努力を続けておりますが、今年度には、「所属会員及び弁護士法人の不祥事予防・不祥事対策検討プロジェクトチーム」を設置して、当会の総力を挙げて各種の不祥事の予防及び対策に取り組んでおります。特に弁護士による預り金の着服については、債務整理事件、成年後見事件及び未成年後見事件等の預り金を保管する業務を行う弁護士に対する監督を強化するために新たな施策を講じることを検討しており、今後も弁護士に対する市民の信頼確保のために全力で取り組んでいく所存です。
2021年(令和3年)3月24日 第一東京弁護士会 会長 寺 前 隆
会長談話に弁護士氏名がありません。
発表では、鈴木弁護士は2018年7月〜19年10月、保佐人や成年後見人として管理していた2人の銀行口座から41回にわたり計4100万円を引き出し、横領したとしている。 鈴木弁護士は同会の調査に事実関係を認め、「事務所経費や生活費に充てた」と説明。被害者に全額が弁済されて示談が成立しているとして、同会は刑事告発を見送るとしている。 読売 3月25日都内版
以前の勤務先
鈴木 謙弁護士 登録番号 25405 所属会 第一東京弁護士会
第一東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士氏名 鈴木 謙
登録番号 25405
事務所 東京都港区赤坂7-6-66パルロイヤルアレフ赤坂312 小杉方
2 懲戒の種別 業務停止1年10月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、2009年9月8日にAの保佐人に選任されAの財産管理に関する代理権を付与されて財産管理を行っていたところ、2018年9月25日から2019年5月27日までの間に23回にわたり、合計1950万円をAの資金を保管していた預金口座から引き出し、自己の用途に費消するため着服した。
(2)被懲戒者は2014年5月8日にBの成年後見人に選任されBの財産管理に関する代理権を付与されて財産管理を行っていたところ、2018年7月9日から2019年10月24日までの間に18回にわたり、合計2150万円をBの資金を保管していた預金口座から引き出し、自己の用途に費消するため着服した。
(3)被懲戒者の上記各行為はいずれも預り金の取扱いに関する規程第2条並びに弁護士職務基本規程第5条、第6条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
被懲戒者が上記各行為に係る横領金額全額を返済したこと等から業務停止1年10月を選択する。
4処分が効力を生じた日 2021年3月24日 2021年8月1日 日本弁護士連合会