弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2022年11月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・山形県弁護士会・熊谷誠弁護士の懲戒処分の要旨
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処分理由・嫌がる女性事務員にマッサージ等 (日弁連異議)
所属弁護士会の処分が不当に軽いと思料された場合、懲戒請求者が日弁連に異議申立をすることができます。
戒告⇒業務停止1月に変更された懲戒処分、
セクハラ行為の程度よりも被懲戒者の反省が無いということで戒告から業務停止1月に変更
山形県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士氏名 熊谷 誠 登録番号 15062
事務所 山形市市宮町2-6-34-10 熊谷誠法律事務所
2 懲戒の種別 戒告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、被懲戒者が経営する法律事務所に事務員として勤務していた懲戒請求者に対し2017年末頃から2018年4月までの間、複数回にわたり、事務所において、部屋に二人しかいないところで、懲戒請求者が依頼することがなかったにもかかわらず懲戒請求者の足をマッサージし、また同年1月頃及び5月1日、事務所において、懲戒請求者の意に反する性的に不快な発言するなどの言動を行った。被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2021年6月24日 2021年11月1日 日本弁護士連合会
(1)被懲戒者は、同人経営の法律事務所の職員である懲戒請求者に対し、約半年の間に6回、マッサージとして懲戒請求者の身体に触れる行為を行ったり、性的な意味を含む「事務所で抱き合っていたら、私も一発でうつっていたよね。」、「事務所の部屋から二人で汗だくで出てきたら、二人で抱き合っていたと思われるよ。」などの発言を行ったりしたが、このような行為は、いずれも懲戒請求者に対して強い不快感や嫌悪感ないし屈辱感等を与えるものであり、職場における女性職員に対する言動として極めて不適切なものであったといわざるを得ない。
(2)懲戒請求者は、その後、法律事務所を退職したが、上記の行為に起因するストレスのため、適応障害との診断を受け、病状は改善傾向にあるとされるものの、令和3年9月18日の時点において、なお通院治療を要する状態であったことが認められる。
(3)以上によれば、被懲戒者が過去に懲戒処分を受けたことがなく、自らの行為を反省していることなどを考慮しても、原弁護士会の被懲戒者を戒告するとの処分は軽きに過ぎて不当であり、原弁護士会の処分を変更し、被懲戒者の業務を1月間停止することが相当である。
(4)なお、いまだ被懲戒者が懲戒請求者に対する被害弁償を行っていないのは、被懲戒者が、懲戒請求者が求める1000万円の一括支払による和解には応じられないとして、訴訟での解決を予想していたためと考えられ、係る被懲戒者の対応は理解できないところではないから、被懲戒者が被害弁償をしていないことは、処分の量定に当たって特段の考慮はしない。