弁護士裁判情報 所得税法違反差戻審 6月7日 818号 判決
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東京高裁

所得税法違反容疑 令和2年う125×号 東京高裁刑事1部
被告人  小谷平弁護士 東京 登録番号12356 愛知法律事務所
     小谷万理子(公認会計士)
主 文
本件各控訴を棄却する。
平被告を懲役2年6月、罰金2億円、万里子被告を懲役1年6月とした2020年の東京地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。
=傍聴記=
8億円の脱税で原審は逆転実刑、1審無罪判決を破棄、原審夫求刑は懲役2年6月、罰金2億5千万円、妻1年6月(求刑2年)
前回被告人の弁護士は刑法323条第2項により、証拠調べ請求の書面が「特に信用すべき書面で証拠能力が認められる」と主張、結審に異議を述べたが却下された。
収益帰属の判断。脱税の目的で関係各社が存在していると裁判所は判断、原審判決を踏襲する。実質オーナーは小谷平弁護士、資金調達は元妻と位置付けた、平氏は24件の不動産を購入、「不動産購入や賃貸の主体は法人、主体ではない」と主張
控訴主意は法令違反、法令適用の誤り、事実誤認、いずれも判決に影響を及ぼさないと判断した。
被告人二人が共謀の上、平氏が個人事業として損金計上する複数の法人を有しあたかも無関係であるかのように税務申告を行った。
本件は平成22年3月15日に原審で無罪判決、平成26年5月26日に控訴審判決。
不動産売買契約と賃貸借契約の当事者である平氏の契約だが契約書が不存在だった。
平氏は「法人が資金を管理している」としたが、裁判所は「法人であれ自然人であれ、経済独立性があったが問題」として平氏が係るA社B社間のつなぎ融資に関しても、資金の移動に過ぎない」と判断した、
平氏の代理人は「1法人の会計処理上のミスから、経済的独立性がないと判断するのは誤り」と主張していたが、退けた、
裁判所は理由を述べるにあたり「被告人が当然としている前提が誤っている」と何度か断りを入れた。
弁護士は時より険しい顔、高裁に出頭する元妻は真相を明らかにするよう時よりメモをした。
以上<地裁でひっそり開示請求>
 
8億円脱税、再び実刑判決 弁護士と元妻の公認会計士 2023年6月7日共同

 8億円余りを脱税したとして、所得税法違反罪に問われた弁護士小谷平被告(81)と元妻の公認会計士小谷万里子被告(72)の差し戻し後の控訴審判決で、東京高裁は7日、平被告を懲役2年6月、罰金2億円、万里子被告を懲役1年6月とした2020年の東京地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。  14年の一審東京地裁判決は平被告の収益ではなく無罪としたが、二審東京高裁判決は「事実誤認の疑いがある」と破棄して審理を差し戻し、地裁が有罪としていた。  判決によると、2人は共謀し04、05年分の不動産取引による所得計約21億8千万円を隠し、計約8億1千万円を脱税した。

過去の報道

弁護士ら2人、審理差し戻し=脱税事件で一審無罪—東京高裁 2016年2月26日

時事通信2月26日(金)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160226-00000056-jij-soci

 不動産取引を法人が行ったように見せ掛け、個人の所得約22億円を隠したとして、所得税法違反(脱税)の罪に問われた弁護士小谷平被告(73)ら2人の控訴審判決が26日、東京高裁であった。小坂敏幸裁判長は、2人を無罪とした一審東京地裁判決を破棄し、審理を差し戻した。 他に罪に問われたのは、元妻の公認会計士小谷万里子被告(65)。2人は平被告が個人事業として行った不動産取引を多数の赤字会社による取引に装い、2004、05年の同被告の個人所得を隠し、所得税約8億円を脱税したとして起訴された。

逮捕時の報道20102241026分 読売新聞)
不動産売買を巡る所得税法違反事件で、逮捕された弁護士・小谷平容疑者(67)は、バブル崩壊後、実質的に経営する不動産会社が廃業したことから個人でも多額の債務を抱えていたことがわかった。
小谷容疑者が債権者への返済を免れるため、赤字会社を使った脱税に走った疑いがあるとみている。小谷容疑者は、1978年に名古屋市で設立された不動産会社「志摩」を実質的に経営。不動産取引に乗り出したが、バブル崩壊で業績が悪化し、99年、同社は宅地建物取引業を廃業した。
同社はピーク時で銀行などから計約3000億円を借り入れており、小谷容疑者は、同社の借り入れの際に連帯保証をしており、多額の債務を抱える結果となった。
実際に利益を得たり、代金を払ったりしているのは元妻で公認会計士の小谷万里子容疑者(59)が役員を務める「錦町商会」(東京)など6社だった。これらの会社間で資金の貸し借りをしており、小谷容疑者は、支払利息によって赤字を装うなどして、約7億6900万円を脱税した疑いが持たれている。
20102241026分 読売新聞)
8億円脱税に「無罪」、ダミー会社使った不動産投資 2014年5月21日

不動産取引で得た所得約21億円を隠し、所得税約84400万円を脱税したとして、所得税法違反の罪に問われた弁護士の小谷平被告(72)、妻で会計士の万里子被告(63)の判決公判が21日、東京地裁(鹿野伸二裁判長)で行われ、「犯罪の証明がない」などとして2人に無罪(平被告:求刑懲役36月、罰金25000万円、万里子被告:同2年)を言い渡した。

 実質的にペーパーカンパニーに近い赤字法人を利用した不動産取引が、平被告の個人事業として行ったものか、法人事業として行ったかが争点となった。東京地裁は結果的には、この事件については無罪を言い渡したものの、取引のスキームに疑問も呈する場面もあり、グレーな印象を残すものとなった。
 小谷平被告は東京弁護士会の弁護士、妻の万里子被告は会計士。法律と会計をよく知る2人が実行したスキームだが、平被告は78年に名古屋市の不動産取引会社「志摩」を設立し、株式の先物取引や不動産の売買を行っていた。バブル期には規模を大きく拡大していたが、バブル崩壊後は多額の債務を出しており、数十社を使って売買を繰り返すなどした。
 会社には妻や長男を役員に付けたりするなどしていた。実態としてはペーパーカンパニーに近いもので、2004年、2005年にわたって不動産取引の利益22億円余りを隠して、約84400万円を脱税したとされた。あまりに露骨とも言えなくもないが、こうした取引を検察側は問題視していた。
 検察は、平被告が不動産取引の意思決定に関わっていたり、また、意図を持って法人から顧問料など給与所得を受け取っていたことを問題視し、脱税の意図があったとした。
 しかし、鹿野裁判長は「取引の主体は法人。名義などは契約の際の諸事情を考慮するもの」とした。また、不動産投資が会社の事業目的として登記されていない場合でも「(不動産投資の)目的はないが、営利企業の購入は合理性がないとは言えない」としている。

2010年の逮捕から始まったこの裁判も終結しました。有罪判決となりましたので、弁護士登録取消となります。東京弁護士会は、懲戒処分を下すでしょうか、会長声明を出すでしょうか