千葉県弁護士会HPに懲戒委員会に事案の審査を求める議決が公表されました。この後に懲戒委員会で処分が決まります。(戒告、業務停止、退会命令、除名処分)
懲戒手続に付されたことの公表に関する会規第2条1項1号及び2号に基づく公表
令和5年8月30日 千葉県弁護士会
当会は、下記会員について、 当会綱紀委員会において、 懲戒委員会に事案の審査を求 めることを相当とするとの議決を行ったので、懲戒手続に付されたことの公表に関する 会規第2条1項1号及び2号に基づき、 本日、下記のとおり公表する。
記
1 懲戒相当の議決の対象となった会員(以下「対象会員」という。)
氏 名 大友 道明 (75歳) おおとも みちあき
登録番号 234 23
事務所
千葉県千葉市中央区本千葉町4-14 内海ビル2階
大友法律事務所
2 懲戒相当議決の理由の要旨
(1)認定した事実
ア 対象会員は、令和4年10月初めころ、自己の法律事務所の広告をネット上 に掲出した。 そのトップページには、 「大友法律事務所、投資詐欺に返金に強い弁護士事務所です、FX・SNS・マッチングアプリ詐欺、国際ロマンス詐欺、株投資・仮想通貨詐欺」と表示され、 さらに、 以下のような表示も掲げていた(原文のまま)
1 「特定調査、 残高調査最短15分、 他事務所平均7日」
2 「大友法律事務所、当事務所で駄目なら諦め下さい!!」
3 「他社は着手金を支払うまで何も動きません」
4 「ご準備いただくものはございません。 すべてお任せ頂ければ丸っと解決い たします」
5「大友法律事務所は全国から詐欺被害を撲滅いたします」
イ また、 対象会員は、 インターネット広告上に、「金融庁」 「消費者庁」「警察庁」 「国民生活センター」の名称とロゴマークを掲載し、「中小企業の活性化を 目指すメディくる社、 ネットニュースなど口コミ、評価も好評な大友道明弁護士と業務提携しました」との文言も掲示していた。
(2) 判断
以下のとおり、 対象会員の行為は、弁護士職務基本規程第9条に違反し、弁護士 法第56条の弁護士の品位を失うべき非行に当たり、懲戒委員会に事案の審査を求 めることを相当と判断する。
不当景品類及び不当表示防止法第5条第1号に違反する可能性
対象会員の広告のうち「大友法律事務所、当事務所で駄目なら諦め下さい」と の表示は、他社の商品・サービスよりも著しく優良であると示す表示であって不 当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれ があると認められるものの標示をしてはならないとする不当景品類及び不当表 示防止法第5条第1号に違反する可能性がある。
2 弁護士の業務広告に関する規程第3条第3号の 「誇大又は過度な期待を抱かせる広告」に該当
対象会員の広告のうち「残高調査最短15分、 他事務所平均7日」 や 「ご準備 いただくものはございません。 すべてお任せ頂ければ丸っと解決いたします」と の表示及び消費者庁や金融庁等とともにロゴマークや 「提携」という文言を記載 しているなどの広告内容は、 実際にはロマンス詐欺、投資詐欺等の被害回復が極 めて困難であるとの実態に鑑みれば、弁護士の業務広告に関する規程第3条第3 号が禁止する 「誇大又は過度な期待を抱かせる広告 に該当する。
3) 弁護士職務基本規程第9条で禁止する 「虚偽又は誤導にわたる情報の提供」 「品位を損なう広告または宣伝」に該当
対象会員の広告のうち「丸っと解決いたします」という表示は、弁護士職務基 本規程第9条第1項が禁止する 「虚偽又は誘導にわたる情報の提供」「品位を 損なう広告または宣伝」 に該当する。
なお、 対象会員には、綱紀委員会の調査期日において本件広告を行った事実を率直に認めていること、 対象会員が受任した案件ではある程度の詐欺被害の回復の実 例も存在したことは否定できないこと、 弁護士会からの改善勧告や削除命令を受け て一応反省の意を表し、令和5年4月8日までに当該ホームページの問題となった 広告文言を訂正削除していることなどの事情が認められる。 しかしながら、 対象会員の行ったインターネット広告は、 深刻な詐欺被害で苦境にある被害者の不安定な 心理に付け込み二次被害発生の可能性を生じさせる等、 その影響の大きさに照らせば、 本件の重大性を軽視することはできず、本件を不問に付することは相当ではない。
3 議決をした日 令和5年6月19日
4 対象会員の意見陳述の有無及びその内容
令和5年7月31日、 当会は、 対象会員に対し、 意見陳述の機会を付与したところ、 同会員及び同会員の代理人が出頭し、本公表について、 憲法31条の保障する適正手 続に反する、 対象会員には現在「非行」に当たるべき行為はなくその他懲戒手続に付 されたことの公表に関する会規に定める要件を充たさないとの意見を述べた。また、 同年8月28日、 再度の意見陳述の機会を付与したところ、 同会員の代理人が出頭し、 本公表について、 憲法31条の保障する適正手続に反するとの意見を再度述べた。
相談窓口について
当会は、 対象会員の依頼者等からの相談に対応するため、次のとおり特設電話相談窓口を開設する。
日 時
8月31日 (木) 9月1日(金)、9月4日 (月) 9月5日 (火)
午前9時から午後5時まで (正午から午後1時までの時間帯を除く)
電話番号 043-222-7016
以上