相続財産管理人の立場を悪用するなどして2億円余りを着服したとして、業務上横領罪に問われた元弁護士平田秀規被告(51)に熊本地裁(平島正道裁判長)は8日、懲役9年(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。 起訴状によると、2020年5月~22年2月、相続財産管理人として預かったり、遺産整理業務で管理したりしていた複数人の預金口座から計約2億3400万円を着服したとしている。 21年12月に平田被告から成年後見人に関する定期報告がなかったため、熊本家裁や所属していた熊本県弁護士会が調査し、一連の横領疑惑が判明。起訴後の22年10月、除名の懲戒処分となった。
求刑10年でっ懲役9年の実刑、被害者に弁済していないのですから9年の実刑も甘いという方もおられると思います。
熊本県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士氏名 平田秀規 登録番号 40105
事務所 熊本市西区二本木3-4-22 サムテイ熊本駅南801 平田法律事務所
2 懲戒の種別 除名
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、亡Aの相続財産管財人であったところ、被懲戒者が業務上管理する預金口座を2020年9月8日に解約し5335万6539円を不正出金した。
(2)被懲戒者は成年後見人Bの成年後見人であったところ、被懲戒者が管理するBの預金口座から2020年10月9日から2021年3月12日までの間10回にわたり合計2349万7750円を不正出金した。
(3)被懲戒者は成年後見人Cの成年後見人であったところ、被懲戒者が管理するC名義の預金口座から2020年12月3日から2021年12月15日までの間8階にわたり合計637万3000円を不正出金した。
(4)被懲戒者はBの成年後見人業務に関し2020年12月の定期報告時点で名義の預金口座から合計2346万2750円の出金があったにもかかわらず、同月18日付け後見事務報告書には1回10万円を超える臨時支出はなかった旨記載し、財産目録には最終記帳日を同月14日、残高を2000万円と記載した上、預金通帳について上記出金が記載されていないものを提出し、家庭裁判所に上記出金を隠すために虚偽の報告をした。
(5)被懲戒者はAの相続財産管理業務に関し預金口座について2020年9月8日に解約しているにもかかわらず、2021年3月30日付け管理報告書添付の同日付財産目録には解約前の同額5335万6539円の預金が存在しているよう記載し、預金通帳についても解約前のものを提出し、家庭裁判所に上記(1)の出金を隠すために虚偽の報告をした。
(6)被懲戒者はB及びCの各成年後見人業務に関し2021年12月までに家庭裁判所に対して書面による定期報告が求められていたにもかかわらず、これを怠った、
(7)懲戒者の上記(1)から(3)の各行為はいずれも職務基本規程第5条及び第6条並びに預り金等の取扱いに関する規程第2条に、上記(4)から(6)までの各行為はいずれも弁護士職務規定第5条第6条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2022年10月5日 2023年2月1日 日本弁護士連合会