【実子誘拐判例】国外移送略取,器物損壊被告事件 平成 15 年 3 月 18 日 最高裁判所第二小法廷

日本人である妻と別居中の外国人が妻において監護養育していた子を母国に連れ去る目的で有形力を用いて連れ出した行為について国外移送略取罪が成立するとされた 事例 

URLhttps://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50053 

最高裁判所判例集 

事件番号::平成 14(あ)805 事件名:国外移送略取,器物損壊被告事件 裁判年月日:平成 15 3 18 日 

法廷名:最高裁判所第二小法廷 裁判種別:決定 

結果:棄却 

判例集等巻・号・頁 刑集 第 57 3 371 頁 

原審裁判所名:東京高等裁判所 原審事件番号:平成 13(う)1901 

原審裁判年月日:平成 14 3 15 日 

判示事項:日本人である妻と別居中の外国人が妻において監護養育していた子を母国に連れ去る目的で有形力を用いて連れ出した行為について国外移送略取罪が成立するとされた 事例 

裁判要旨 

日本人である妻と別居中のオランダ国籍の者が,妻において監護養育していた2歳4か月 の子をオランダに連れ去る目的で入院中の病院から有形力を用いて連れ出した判示の行為は,国外移送略取罪に該当し,その者が親権者の1人として子を自分の母国に連れ帰ろう としたものであることを考慮しても,その違法性は阻却されない。 

参照法条:刑法 35 条,刑法 226 1 項 

全文:全文 PDF ファイル 

主 文 

本件上告を棄却する。 (原判決 懲役2年、執行猶予3年)

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 

理 由 

弁護人真木幸夫の上告趣意は,違憲をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実 誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ,国外移送略取罪の成否について,職権で判断する。

原判決が是認する第1審判決の認定によると,オランダ国籍で日本人の妻と婚姻していた被告人が,平成12年9月25日午前3時15分ころ,別居中の妻が監護 養育していた2人の間の長女(当時2歳4か月)を,オランダに連れ去る目的で, 長女が妻に付き添われて入院していた山梨県南巨摩郡a町内の病院のベッド上から ,両足を引っ張って逆さにつり上げ,脇に抱えて連れ去り,あらかじめ止めておい た自動車に乗せて発進させたというのである。 

【要旨】以上の事実関係によれば,被告人は,共同親権者の1人である別居中の妻のもとで平穏に暮らしていた長女を,外国に連れ去る目的で,入院中の病院から有形力を用いて連れ出し,保護されている環境から引き離して自分の事実的支配下に置いたのであるから,被告人の行為が国外移送略取罪に当たることは明らかである。そして,その態様も悪質であって,被告人が親権者の1人であり,長女を自分の母国に連れ帰ろうとしたものであることを考慮しても,違法性が阻却されるような例外的な場合に当たらないから,国外移送略取罪の成立を認めた原判断は、正当である。 

よって,刑訴法414条,386条1項3号,181条1項本文により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 

(裁判長裁判官 亀山継夫 裁判官 福田 博 裁判官 北川弘治 裁判官 梶谷 玄 裁判官 滝井繁男)

裁判年月日 平成14年3月15日 裁判所名 東京高裁 裁判区分 判決 

事件番号 平13 (5) 1901号 事件名 

裁判結果 控訴棄却 上訴上告 

裁判経過 

上告平成15318最高裁法廷 決定 14 ()805国外移送略取器物損壞被告事件 

平成13712甲府地裁 判決12 () 388号 

裁判年月日 平成14315裁判所名 東京高裁 裁判区分 判決 

事件番号 平13 () 1901号 事件名 裁判結果 控訴棄却 上訴上告 文献番号

主 文 

本件控訴棄却する。 

理由 

本件控訴趣意弁護小倉京子 (主任)田邊共同作成控訴趣意記載とおりであるからこれ引用する。 

所論訴訟手続法令違反法令適用誤り事実誤認、量刑不当の主張である。 なお以下表記について判決それに従う。 

1 訴訟手続の法令違反の主張について 

(1) 判決本件1事実について弁護主張に対する判断33(1) 本件連れ去り行為略取該当するについてにおいて

(1) このよう 事実経過被告一連行為からする被告たとえA離婚裁判手続開始たり最終離婚成立B親権監護所在決定面接交渉合意定められとしてそれ自分希望適っなけれ自分B養育たり思うよう自由時間過ごしたい欲求逆らえこれ満たすため遅かれ実力行使無断B連れ去っオランダ移っしまう可能極めていわざるないしかも、オランダ移っしまえ日本国内訴訟及びそれ によって決定れる親権や監護所在面接交渉合意など有名無実なる可能いから判示

2引き続い結局のところ本件連れ去り行為当時被告日本法的手続対立親権合意尊重する意思なかっ認められるのであっそうすると本件連れ去り行為相当法的手続によって確保れるべき自由に対する配慮見受けられ親権自己欲求満たすため一方すぎない評価するほかなく本件連れ去り行為によってB病状悪化する危険あっこと併せ考えれ親権に対する裁量行為到底いえない顕著違法あるいうべきあるたがって、本件連れ去り行為は、刑法上 『略取及び誘拐の罪』に いう 『略取』に該当することが認められる。」と判示する。 

(2) 所論要するに判決判示 1部分すべて本件行為起こっない架空できごとあっ判決このよう本件行為いまだ起こっない 

架空状況想定その架空状況被告よう振る舞うその結果その状況どのよう変化する推測その推測基づい被告日本手続対立当事者合意尊重する意思なかっ推定その推定本件略取あたる主たる理由いるこのよう架空できごと基礎おく認定証拠基づいものなく判決訴訟手続法令違反あることあるというある。 

そこで記録調査検討する。 

(3) なるほど記録検討被告A離婚裁判手続開始たり離婚成立B親権監護所在決定面接交渉合意定められたりうなことうかがえ判決判示する1部分これら将来できごととらえられいること明らかある。 

しかしながら前記とおり判決このよう事実経過被告一連行為からするとという判示見れ判決証拠基づい認定事実経過被告一連 行為から合理推測できるものとして前記 1部分将来可能判断あっその判断証拠基づいいること明らかある。 

また判決そのよう将来可能から結局のところとして本件連れ去行為当時犯行において被告日本法的手続対立当事者合意する意思なかっ認められると判断いるあるからその判断やはり基づいいること明らかある。 

加え判決前記 1よう判示する直前において被告夫婦関係修復たいとかB養育自分行いたい欲求一刻早く叶えため調停手続Bオランダ連れ帰っとき同様再び実力自分目的達成しよべく深夜B入院病院に立ち入っAB連れ出しというある判示いるところ被告捜査段階においてそのよう考えB入院病院連れ出しこと供述いる (警察官調書6、7検察官調書11、12) あるから被告そのよう考え照らし本件連れ去り行為当時被告日本法的手続対立当事者合意尊重する意思なかっ認め差し支えない 

以上とおり判決判示 12の部分証拠基づかない事実認定認められ訴訟手続法令違反いう論旨理由ない。 

2 事実誤認の主張について 

(1) 判決認定事実1犯行至る経緯において被告本件国外移 略取犯行至る経緯認定判示犯罪事実において日本国外移送するB略取被告犯罪事実認定判示さらに本件1事実について護人主張に対する判断31において、 関係証拠により (1) ない(13) 事実認定 2において認定事実から推認事実判示3(1)本件連れ去り 行為略取該当するについてにおいて結局のところ本件連れ去り行為当時被告日本法的手続対立親権合意尊重する意思なかっられるあっそうすると本件連れ去り行為相当法的手続によって確保れるべき自由に対する配慮見受けられ親権自己欲求満たすため 一方行為すぎない評価するほかなく本件連れ去り行為によってB病状悪化 する危険あっこと併せ考えれ親権に対する裁量行為到底いえない顕著違法あるいうべきある

したがって本件連れ去り行為は、刑法上『略取及び 誘拐の罪』 にいう 『略取』 に該当することが認められる。」と判示する。 

(2) 所論要するに判決被告本件連れ去り行為略取認定判示 事実誤認あるというである。 

そこで記録調査検討する判決認定事実1犯罪事実及び弁護主張に対する判断3において認定判示するところ裁判所正当として是認することできる所論かんがみ付言する。 

(3) 所論判決本件1事実について弁護主張に対する判断33 (1) 判示する 自由利益という観点から判断べきものあり真に子自由あるいえるため父母両方から愛情受け監護れる利益享受なけれならないABある被告から愛情受け保育監護れる利益自身として被告に対する愛情喪失混同被告父親としてB会う機会一方制限するというB被告から愛情受け保育監護れる権利奪っあり本件B置か状態視点から自由いえるものなくこのようB利益不当制限状態国家刑罰もっ保護べき 自由 ということできない主張する。 

ア 関係証拠よれ被告A婚姻その後別居するようなり間もなくB 生まれA養育いるB被告面接交渉状況について判決31(1) ない(8) (11) 判示するとおりある認められまた所論指摘とお

1被告AA実家B養育する土曜日日曜日及び祭日 B会えることなっところA申し立て離婚調停1期日被告会いたい言っもののAこれ断っことあっこと

2平成1112離婚調停不成立なっから被告A電話かけ居留守使わたり土曜日B会える回数減ったりこと

3B a 病院入院A護婦被告会わないよう欲しいなど頼んこと認められる。 

イ しかしながら前記 1ない3に関しAB会い来るとき別に断り会わしかし離婚調停申し立てその平成117 1調停ありその後会いたいという要請断っことあっうとおりする土曜日曜から更に拡大会わなけれならない思っからある 

それから間もなくB強引オランダ連れ帰っオランダ行っホリディ会う約束B日本帰っ帰っからこれまでどおりB育てB会いから土曜日って欲しい言われ、できるだけ約束守り土曜日日曜祭日会ううにししかし平成12なっからその機会少なくなっそれB入院病院看病たりことあっBパスポート持っそれ使っオランダ連れ帰るかもしれないことからそのパスポート渡す第三者預けるよう提案のにそのようなかっからある B会いたい言え日曜祭日いつでも会わせるなどが、 ホリディ会うという約束のにそれ以外要求たりまた 実家なく執拗 やって来たりなどもの限界あるので時々断っことあっそれりにも執拗また同年5玄関ガラス割るなど乱暴のでそれ以降できるだけB会わないようし、 避けそれ自分かけるようことからある供述(A警察官調書6検察官調書 13) 被告B会わない原因被告あること述べおりまた被告警察官調書(6)において(平成12924入院B見舞っ

アパート戻っからA別々暮らしいる Aに対してAうようオランダ仕事探したりA子供ためいろいろ考え行動A信用くれない両親A同じ考えこと信用くれない去年8 Bオランダ連れ行っお母さん怪我ことありその後信用なくなっまた5ころ玄関ガラス割っこと信用なく なっ』といろいろ考え供述いるあっこれら供述よれAおいて被告B会う機会制限たりいることについて相当理由あっこと認められA一方これ制限いるものということできない。 

ウ なるほど所論いうよう子であるBからすれ父母ある被告A両方から保育監護れるべき利益享受できなけれならないこと当然こととしてA被告折り合い悪くなっ別居A実家B養育いる以上B被告A両方から同じよう保育監護れるということ事実不可能ことあっ前記よう事情除外別居B被告A両方から同じように保育監護れるべきある一般依拠あるB被告から保育監護れる権利不当制限いるという所論にわかに賛成難い。 

(4) また所論被告Bオランダ連れ行こ目的あくまでBオランダ家族会わせることB面接交渉についてA話し合う機会作るためであ って被告AB保育監護する権利奪う目的などまったくなく被告親族会わせること親権裁量範囲ということできないA面接交渉につ 話し合う機会作ること相当法的手続によって確保れるべき自由に対する 配慮見受けられない行為ということできない主張する。 

ア なるほど関係証拠よれば本件当時被告父親病気患っことめられ被告原審公判において父親病状心配父親B会わせることAオランダやって来約束守るよう話し会うつもりだっなど本件連れ去り 行為目的供述いる。 

しかしながら被告捜査段階において状態ままAA両親 3家族思っない私はなっいる日本でA両親いるこからA今後こと話すことできないAB3生活するAと 話す機会作らなけれならないそれBオランダ連れ行け去年8同じようAオランダ来るからすることできる。3生活するランダ住むしか方法ない考え病院からB連れ出しオランダ行くことと供述(警察官調書6)また去年8オランダB連れ帰っA間もなくオランダやって来それから日本帰っその後週末Bめて3会ったり楽しい思いことあっそれで今回B連れオラン 帰れA必ずオランダ迎えそこでA含めて3オランダで生活るか日本生活するいずれまた3これきっかけ生活できるもし ない考え実行移すこと(検察官調書11)A反対いる日本3暮らすことできない日本AA両親関係3 1なっしまうのでオランダ行けその31という均衡なくなるB オランダ連れ行けAオランダについて来るそうすれ3一緒オランダ 幸せ生活できる思った、 など供述(検察官調書12)オランダ話し合う考えあっこと供述いるものの病気父親B会わせるということ何ら 供述ない被告Ba 病院から連れ出しに対する態度 気に入らないことです(警察官調書2)なぜこの時期(平成1292 5)また真夜中 (午前3過ぎ深夜)B連れ出すようこと問いに対してこれ1年来AA父母に対する怒り頂点に達しです平成118B連れオランダ帰りまし日本A帰っからAB会う拒否たりまた戻そとし なかったり積もり積もっもの頂点達しのです(検察官調書1 3)供述いる 

これら被告供述よれ被告病気父親B会わたいという心情有しこと否定できないもの日本3暮らすという被告望んいる 話合い到底できその望み叶えること困難あるオランダB連れ行けば、A追っ話合い有利進めることできA被告要求聞き入れなくなり被告望み達成できる考えその望み達成する目的本件連れ去行為及んもの認められ被告本件連れ去り行為当時日本法的手続対立親権合意尊重する意思なかっこと明らかある。 

そうすると判決判示するとおり本件連れ去り行為相当法的手続によって 確保れるべき自由に対する配慮見受けられ親権自己欲求満たすため一方行為評価するほかなく後記とおり本件連れ去り行為によってB病状悪化する危険あっこと併せ考えれ本件連れ去り行為親権裁量行為あるなどいえないこと明らかある。 

ウ なおこのに関し所論被告Bオランダ連れ行っまま日本帰国BAから保育監護受ける利益を剥奪れる可能少なかっなど主張する前記被告捜査段階供述照らせこのよう所論到底採用することでき。 

(5) さらに所論判決本件行為略取当たる理由として本件連れ去り行為によってB病状悪化する危険あっこと挙げいる被告Bの病状について情報Aから故意遮断おり本件行為時に唯一有し情報12924午後5ころB点滴外し看護婦もう点滴なくよい言っことありこれにより被告Bもう大丈夫思っものあるまた判決B病院から連れ去っ被告Bに対する保育監護状況ついまったく触れない被告静か場所停めBと共に眠り翌朝B着替えB朝食与え大阪着いホテルチェックインデパートB身の回りの揃えるなど父親らしくB保育監護いるあっ仮にB病気ぶり返すよう気配あれ被告B医者放置することありしたがって仮に本件行為B病状悪化する危険あっとして事実B回復始めその病状落ち着いこと加えその後病状悪化ないことそのこと一事もっB被告から愛情受け保育監護受ける権利回復しよ うとし被告行為略取ということできないなど主張する。 

ア なるほど被告924看護婦さん聞いところ点滴今日わりまし言わので大分いい思っ(検察官調書10)など供述いること所論指摘とおりありる。 

しかしながら関係証拠よれB病状について判決本件1事実につ 弁護主張に対する判断31(11) 判示するとおりあっ麻痺腸閉922入院B24なっ回復向かっこの状態点滴けてことから治る兆し見えすぎ点滴止め場合状態悪化することもあ最低点滴止めから1様子ない退院できる判断できなかっことから25まで様子状態落ち着いたら退院することなっのであっ25退院できとして正常戻っということなくあくまで必要なくなっということあり退院しばらく間は安静必要あっこと認められさらに被告AからB 病気腸の病気ある聞いこと認められる。 

それかかわら被告行っ本件犯行態様判決認定事実1犯罪事実判示するとおりあっ深夜B入院いる病院立ち入りベッ B両足引っ張っ逆さ吊り上げ脇腹抱え連れ去り止め乗せ発進B連れ去っというものありなるほど判決被告その行動について触れない前記B病状その犯行態様判示するだけ連れ去り行為によりB病状悪化する危険あっことうかがわれるあっこれ明らかにするためその後被告行動判示なけれならないものない 

加え被告供述 (警察官調書39) よれ本件連れ去り行為告人行動所論指摘するとおりある認められる他方B大阪行くまでどんな状態だっあなたそれに対してどのよう対処質問に対しB元気でし普通同じよう扱いまし(検察官調書10) 供述いるあるから本件連れ去り行為によってB病状悪化する危険なかっなど 言えないこと明らかある。 

(5) 以上とおり本件連れ去り行為略取あたること証拠上明らかあっ認定判示判決誤りない。 

(6) その他所論判決事実誤認あるるる主張する記録検討判決判決影響を及ぼすよう事実誤認認められない。 事実誤認いう論旨理由ない。 

3 法令適用の誤りの主張について 

所論要するに(1) 本件刑法2261適用すること1刑法主義反する2罪刑法定主義反する (憲法31違反) から誤りある(2) 刑法2261本件よう事案予定ないから本件同条1適用すること誤りあるというある。 

そこで検討する所論要するに本件連れ去り行為親権内容たる保育護権行使としてまたA親権奪い合いとして行わものあり被告本国 B会わせるため一時本国連れ行くという目的あっなどということ 根拠主張展開いるこの前記事実誤認主張についてにおいてとおりあっ本件連れ去り行為所論主張するようものないから前提欠き失当ある。 

また親権刑法2261主体たりうるかその規定から不明確ある12とともに国際人身売買取り締まるため定められものあるから1国外移送目的は、 国際人身売買同様違法有するもの解すべきあるなどという所論独自見解あっ到底採用できない。 

判決認定事実1犯罪事実認定事実よれ被告人本件連れ去 行為刑法2261該当すること明らかあっ本件同条1適用判決法令適用誤りなく論旨理由ない。 

4 量刑不当の主張について 

所論要するに、 原判決の懲役2年、3年間執行猶予の刑は重過ぎて不当である、 というのである。 

そこで記録調査における事実取調べ結果併せ検討する本件ランダある被告(1) 日本人ある養育いるオランダする目的付き添っ入院病院から乗せ連れ去っという国外移送 略取事案(判示1) (2) 別居いる実家玄関引き戸ガラスって割っという器物損壊事案 (2)ある。 

本件判決量刑理由判示いるとおりある。 

(1)国外移送略取犯行見る被告病気患っいる父親B会わたい という気持ちあっもののB思うよう会わもらえない状態続いこと加え Aから離婚調停まで申し立てられ離婚迫ら被告応じなかっため調停成立終わっ夫婦関係を回復することもはや極めて困難状況なっことからB自由時間過ごしたりAやり直し3人一緒暮らすためBをオラン連れ行くしかない考え本件犯行及んものあっその動機身勝手中心あるいわざるないまたその犯行態様あらかじめ切符用意A父親Bパスポート渡すようなどという要求従わないこれ自ら保管 続けB入院いる病院夜間救急出入口付近逃走やすいよう乗っエンジンかけ運転ドア開けまま深夜、 B 病室立ち入りいるAうかがい素早くベッドいるB両足引っ張っ吊り 上げB脇腹抱える病院の廊下階段疾走乗り込み被告追い 掛けしがみついAかまわ発進A 振り切っ逃走ものあっ計画危険犯行ある。 

病院から連れ去らB腸閉塞入院中であり点滴なくよい状態回復ものの完治わけなく本件連れ去り行為結果場合によってB病状悪化する可能あっありさらにAよれ本件人見知りたりするなど変化現れというあっ前記よう本件連れ去り行為態様見れそのうなB変化首肯できB与え精神影響軽微ものない。 

さらにBベッド高くするなど警戒ものの被告B連れ去らA本件連れ去り行為により狂乱状態陥りB保護エンゲル逮捕れるまで生き心地なく精神肉体疲れ果てしまいましなど供述いるその心情理解することできこれ軽視することできない。 

加え被告1余りBオランダ連れ行き離婚調停申し立てAに対し休日などB会える約束ながら自らA信頼関係破壊るよう行為またもや同じよう本件犯行及んものあっ被告日本法的手続尊重する意思欠如いるいわざるない。 

次に(2)器物損壊犯行見る本件被告前もって訪問すること告げのにA別居ある実家留守あっこと激怒その玄関引き戸ガラ右足蹴っ割っものあっ犯行動機極めて短絡ありその犯行態様 悪質ある。 

以上よれ被告軽く見ることできない 

そうすると被告本件連れ去り行為及ぶつき病気父親B会わたいと いう意思有しこと結果B体調その他健康状態異変なくB対す愛情に関してAある認められないこと本件連れ去り行為によりA肉体精神苦痛与えこと反省後悔いる認められること今後AからB連れ去るようことない誓っいること器物損壊犯行突発われものあっ被害多額ない既に被害弁償終わっいることなど所論 指摘事情考慮判決前記量刑過ぎ不当あるいえない。 

よって刑事訴訟396により本件控訴棄却することにおける訴訟費用被告負担ないことについて1811ただし適用主文とおり 判決する