【判決書】原告岡村晴美(愛知)被告KDDI 発信者情報開示請求訴訟 東京地裁

令和6年(ワ)第18388号 東京地裁
原 告 岡村晴美(小魚さかなこ) 

代理人 桜町直樹
被 告 KDDI(株) 

代理人 星川勇二、星川信行、渡部英人、佐野雄一、工藤慶太

「A」と称するアカウント
1 令和6年4月10日午前一時57分
  「雑魚」、「弁護士が調子に乗り。ハッピー米山(弁護士、医師、元知事、買春常習者)の見識を疑う。買春に目を瞑る似非フェミニスト岡村晴美。キモいもの同士気が合うのだろう。」
2 令和6年4月13日午後6時8分
  「本当にその通りで、小魚を信じた、狂信者がメンタルやられて精神的被害を受けましたね。小魚は精神的加害者です。信者から非難を浴びそっぽを向かれるでしょうね」

主 文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由
第1 請求
 被告は、原告に対し、別紙目録(1)記載の各年月日及び時刻頃に同目録記載の各アイ・ピー・アドレスを被告から割り当てられ、別紙目録(2)記載の各アイ・ピー・アドレスのいずれかに接続していた者の氏名又は名称、住所、電話番号及び電子メールアドレスを開示せよ。

第2 事案の概要
 略

第3 争点に対する判断
1 争点(1)(本件通信1の発信者等)について
  原告は、本件日時1の頃に本件アイ・ピー・アドレス1を被告から割り当てられ、別紙目録(2)記載の各アイ・ピー・アドレスのいずれかに接続していた者が本件通信1の発信者である旨主張する。
  しかし、被告は、本件日時1に本件アイ・ピー・アドレス1を被告から割り当てられてられ、同目録記載の各アイ・ピー・アドレスのいずれかに接続していた者は複数存在する旨主張しており、その者が1名に特定されると認めるに足りる証拠はないし、また、本件通信1が同目録記載の各アイ・ピー・アドレスのいずれかに接続してなされたと認めるに足りる証拠もない。したがって、本県日時1の頃に本件アイ・ピー・アドレス1を被告から割り当てられ、同目録記載の各アイ・ピー・アドレスのいずれかに接続した者が本件通信1の発信者であると認めることはできない。
2 争点(4) (本件投稿2による権利侵害の明白性)について
  前記第2の1の事実関係に加え、証拠及び弁論の全趣旨によれば、本件投稿2は、父母の離婚後の親権者に関する規定等を見直す民法等の一部を改正する法律案について閣議決定がなされた後、父母の離婚後の共同親権の導入に反対していた原告を信じていた者が精神的被害を受けているとして、原告について、「狂信者」に対する「精神的加害者」と表現して揶揄するものであると認められる。

しかし、このような表現が著しく侮蔑的なものであるとまではいえず、本件投稿2の前提となった他の投稿の内容を考慮しても、本件投稿2が社会通念上許される限度を超える侮辱行為であるとまではいえない。

原告は、本件アカウントにおける他の投稿から、本件投稿2が専ら原告を攻撃する意図でたことが明されらかである旨をも主張するが、仮にそのような意図でなされたものであるとしても、本件投稿2自体が社会通念上許される限度を超える侮辱行為であるとまでいえない。

  したがって、本県投稿2により原告の権利が侵害されたことが明らかであるとはいえない。

3 結 論
よって、原告の請求は、その余の点について検討するまでもなく、いずれも理由がないから棄却することとし、主文の通り判決する。

令和7年1月26日
  東京地方裁判所民事第43部 裁判官 安江一平 印

(注)「A」と称するアカウントは判決文には記載されています。

判決書にはありませんが、他にも「10年間浪人してなった弁護士の成れの果て」「岡村晴美弁護士を懲戒しちゃおう」「岡村晴美の頭の方が心配だな」「岡村晴美、太田啓子が程度の低い弁護士、噓ばかり」「嘘つきの常習者」等 

原告の主張(本件アカウント者より)

当該表現は匿名のかけに隠れた第三者(対象アカウント使用者)が不特定多数の閲覧するインターネットという媒体において、原告を「加害者」であると貶め揶揄するものである。

仮に共同親権導入に反対している原告に対する、導入賛成の立場からの言説であることを考慮したとしても、当該表現を「制度に関する建る建設的な議論、健全な意見表明」などと評価することはできない。(以下省略)