被告が原告の弁護士に対し懲戒請求の申立て、書面の中に「原告は元暴力団関係と報道されている人と交際いる」等を記載した。これに対し原告はこの記載によって社会的評価が低下するとともに、 名誉感情が害されたと主張し損害賠償請求訴訟を提起した。その判決書

令和6年12月24日判決言渡同日原本領収 裁判所書記官 

令和6年(ワ)第7136号 損害賠償請求事件  口頭弁論終結日 令和6年11月12日 

判  

原告 田邊勝己【弁護士)

訴訟代理人弁護士  稲見友之

同         前野元国  

被   山口三尊

主  文

1 原告の請求を棄却する。 

2 訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由 

 第1 請求 

被告原告に対し141及びこれに対する令和657から済みまで3パーセント割合による金員支払え。 

第2 事案の概要等 

1 事案の概要 

原告は大阪弁護士所属する弁護士ある被告大阪弁護士原告懲戒するよう求める懲戒請求書提出原告被告懲戒求書原告暴力団関係交際いる事実摘示これによって社会評価低下するとともに名誉感情害さ主張する。 

本件原告被告に対し不法行為基づき損害賠償141不法行為ある令和657(懲戒請求提出)から支払済みま民法所定3パーセント割合による遅延損害支払求める事案である。 

前提事実 (当事者間に争いがない事実) 

(1) 原告大阪弁護士所属する弁護士ある。 

(2) 被告令和657大阪弁護士に対し原告懲戒するようめる懲戒請求(以下本件書面という)提出。 

(3) 本件書面田邊平成15以前より暴力団関係報道左手小指なく上半身入れ墨入っいる〇〇交際いる(10)。 

この懲戒事由するものない懲戒処分内容決定するたい田邊長年亘り訴外〇〇(以下「〇〇する交際いるこの人物左手小指欠損おり上半身刺青入っいる人物あり複数報道機関() 暴力団ある指摘いる(9, 10)田邊、 〇〇長年亘り昵懇ありIT技術を〇〇面談せる人脈有しいる記載 (以下これら記載本件記載という) ある。 

当事者の主張 

(1) 原告の主張 

本件記載これ閲覧する一般読者からする原告暴力団と 報道いる長年にわたり交際昵懇ある受け取られる文章あり原告社会評価低下せるこの表現被告によって 大阪弁護士提出懲戒請求によって原告社会評価低下せる事実公然摘示する行為あっ特定多数読者伝播おり事実摘示する意見 論評ないのであり原告名誉損する不法行為該当する。 

原告本件記載により名誉感情侵害精神苦痛被っ。 

原告被告不法行為によって社会名誉毀損かつ精神苦痛受けその損害141相当ある。 

(2) 被告の主張 

ア 弁護士懲戒請求手続非公開あるから本件記載特定多数伝播する可能ない。 

本件書面読者弁護士あるから原告暴力団あると報道いる人物交際いる事実摘示からいっそれによって原告社会評価低下ない。 

本件記載公共及び公益目的認められるまた本件記載真実ある被告真実ある信じことについて相当認められる。 

したがって仮に本件記載原告名誉毀損するものあっとして違法阻却れるため不法行為成立ない。 

名誉毀損する表現あっ必要相当あれ違法れる本件記載必要相当認められるから不法行為ない。 

本件記載社会通念許される限度超える侮辱いえないから名誉感情侵害による不法行為成立ない。 

カ 損害発生について争う。 

第3 当裁判所の判断 

1 名誉毀損による不法行為の成否について 

本件書面被告大阪弁護士に対して原告懲戒するよう求め出し書面ある弁護士懲戒請求係る手続非公開あるから本件特定多数閲読することない本件書面閲読する大阪護士において懲戒請求手続関与する綱紀委員委員及び懲戒委員限られるこれら委員職務守秘義務負っいるからこれら委員を通じて本件記載内容特定多数伝播することほぼありいといえる(これら委員守秘義務違反本件記載の内容口外するどし場合特定多数伝播することあり得るいえるそのよ うな事態通常考え難い仮にそのことによって原告損害生じることあるすれその責任守秘義務違反負うべきある)

これら 事情よれ仮に本件記載原告社会評価低下得る表現含む ものあっとして特定多数伝播する可能乏しいことから本件記載原告社会評価低下せるいえ名誉毀損による不法成立ないいうべきある。 

これに対して原告綱紀委員委員及び懲戒委員委員多数上りまた委員交代することあることから特定ある主張する。 

しかし本件書面閲読する委員多数上るいえない委員交代ることあることをもって閲読する特定あるいえないしたがっこのに関する原告主張採用できない。 

また原告弁護士事務弁護士ある委員事務所事務検察庁職員印刷業者本件書面閲読するとして特定本件書面閲読する主張するこれら本件書面閲読する直ち認められない仮に本件書面閲読する機会あっとしてこれら職務守秘義務負っいるから本件記載内容特定多数の者伝播する認められないしたがってこのに関する原告主張採用でき。 

名誉感情の侵害による不法行為の成否について 

本件記載原告暴力団関係親しい関係あること摘示するものあり弁護士ある原告にとってその人格価値損なうものいえ原告名誉感情害するいえるもっとも本件記載弁護士懲戒するようめる懲戒請求記載ものあり原告懲戒請求手続において記載に対して反論自ら言い分主張することできること考慮する 本件記載社会通念許される限度超える侮辱行為当たるまではいないいうべきある。 

したがって本件記載について名誉感情侵害による不法行為成立な い

第4 結論 

以上によれ原告請求理由ないから棄却することとして主文おり判決する。 

大阪地方裁判所25民事部  裁判官 﨑 純一郎

田邊勝己弁護士 登録番号21018 弁護士法人カイロス総合法律事務所大阪事務所