退職代行サービス「モームリ」の運営会社について警視庁はきょう、代行サービスの利用者に弁護士を斡旋しキックバックを受け取った弁護士法違反の疑いがあるとして、家宅捜索に入りました。 ■退職代行「モームリ」家宅捜索 警視庁が家宅捜索に入ったのは退職代行サービス「モームリ」を運営する株式会社アルバトロス(東京・品川区)と代表取締役の自宅などの関係先です。 捜査関係者によりますと退職代行サービス「モームリ」は退職を希望する利用者に提携する弁護士をあっせんし弁護士からキックバックを受け取っていたとして、警視庁がきょう弁護士法違反の疑いで家宅捜索に入ったということです。
■「モームリ」とは? 退職代行サービス「モームリ」は、利用者が勤務する会社からの退職を希望している際に、会社側に退職の意思を「モームリ」が代行して伝えるサービスで、本人が会社へ連絡をとらずに退職ができるというものです。 会社のホームページには、累計で4万件以上の退職を確定させた実績とノウハウがあるとしているほか、会社への代行連絡や退職手続きサポートや労働事件に強い顧問弁護士の紹介などが記載されています。 ■一部報道で弁護士法違反疑惑も 一方で、「モームリ」を巡っては一部で退職代行の行為が弁護士法における非弁行為(弁護士以外が法律業務を行うこと)にあたるのではという指摘や、利用者に弁護士を斡旋しその見返りにキックバックをもらっていたのではないかという疑惑が報じられていました。
■HPのQ&Aには 「退職代行って違法なの?」 この点、「モームリ」のホームページには違法性(非弁行為)について「弁護士以外が交渉を行えば違法になります。ただ本来退職に『交渉』は一切必要ありません。 退職意思の通知で問題なく退職は確定すると法律で定められています。 当社は『通知』に徹しているため違法性は一切ございません」と記載されています。
■「弁護士法違反」か・・・ 退職代行の問題点は 退職代行サービスを巡る問題点について、ガイア総合法律事務所の安沢尚志弁護士は、仮にキックバックを受け取っていた場合には、弁護士法違反に該当する可能性が高いとしたうえで、「紹介料」として報酬額に上乗せされていた場合は、結果として利用者が支払う額が高額になってしまうことも問題であると指摘します。 また、仮に非弁行為が行われていたとすれば、法律について理解が乏しい人物が交渉を請け負うことで、利用者にとって不利な契約を結んでしまう可能性があり、さらにそれによって生じた不利益については利用者からモームリ側に責任を追及することが難しくなるのではないかとも指摘しています。
