弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2026年3月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・神奈川県  弁護士会・鈴木健弁護士の懲戒処分の要旨

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処分理由 詐欺被害救済を謳うだけで非弁提携し依頼者に損害を与えた

□弁護士を業務停止1年□ 10月31日読売新聞神奈川版朝刊
県弁護士会は30日、SNS型投資詐欺などの被害回収をうたって被害者と契約しながら無資格者に業務をさせていたとして同会所属の鈴木健弁護士(56)を業務停止1年の懲戒処分にしたと発表した。
発表によると、鈴木弁護士は昨年2月下旬~同6月頃、無資格者に法律業務をさせ、着手金が入る口座に着手金とみられる約2億4300万円が入金され、そこから二つの会社に計1億3200万円が支払われていたが、鈴木弁護士は把握していなかったという。
同会は31日~11月28日(平日)に臨時窓口)を設け鈴木弁護士への依頼者を対象に相談を受け付ける
以上読売新聞神奈川版
鈴木健弁護士の相談窓口のLINEアカウントから依頼者に送られてきたメッセージ=依頼者提供(一部画像処理)

 

 

懲 戒 処 分 の 公 告

神奈川県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

         記

1 処分を受けた弁護士氏名 鈴木 健   登録番号 25621 

事務所 神奈川県横浜市中桜木町2-2 港陽ビル THE HUB 横浜 桜木町322 

鈴木健法律事務所 

2 懲戒の種別業務停止1年 

3 処分の理由の要旨

(1) 被懲戒者は、2024年2月末頃から詐欺被害事件の扱いを開始したところ一定期間、自己ホームページ説明文やホームページ上に「解決実績多数」 「弁護士費用が返金額を上回ることがないように返金見込み額を提示します」 「キャンセルはお受けいたしかねます」 等と表示し、また、「返金請求診断という操作ではどのような条件を選択、一律「お金を取りせる可能性があります」 と表示されるようにした。 

(2) 被懲戒者は、上記(1)の事件を受任する当たりSNS通じた非対面型詐欺については、 被害金額を回収できる可能性は 極めて低いにもかかわらず被懲戒者ホームページを見て架電してきた相談対し、かかる説明をせず、受任した場合に どのよう手続行うのかやその手続によ被害回復への見通し等説明をせず、他方で、仮に口座開設者の特定ができたとしても、戸籍を特定して親に請求等することが弁護士業務として妥当とは考えられないのに被懲戒者と直接の雇用関係ないAら事務職員とされる者らその旨の説明をた。

(3)被懲戒者は上記(1)の事件を受任するに当たり、被害状況の聴取や事件の処理の立案及び説明の全てをAらに委ねた上、Aらが被害回復なされないリスクを説明せずむしろ直接被害金の返還義務のない加害者の親族や勤務先に連絡するとの方法を示したり具体的な根拠がない回収可能性が高いと見通しを示したほか、実際には行っていない弁護士会照会の手続を進めている旨の虚偽の報告したりするなど不当な対応を看過した。

(4) 被懲戒者は、上記(1)の事件を受任するに当たり、Aとの間で、着手金の10パーセントを報酬として受け取るという話をし、着 手金が振り込まれる被懲戒者預り口自ら管理せず、事務職員とされる者らに自由にアクセスできるようにさせ、事務職員とされる者らにおいて、上記口座に着手金として振り込まれた金額中から、初懲戒者にその10パーセントより少ない額を振り込み被懲戒者が知らない間に2つの会社に合計1億3200万円を送金した。

(5) 被懲戒者は、被懲戒者に依頼することを考えて架電してきた相談者に対し、事件の見通し等の説明、 着手金の提示及び減額、 契約締結等を弁護士法第72条から第74での規定に違反すると疑う足りる相当な理由ある者であるAらに行わせ、弁護士名での口座凍結書面の提出等の業務も被懲戒者が関与しないままAら行い、かか る業務体制の下、上記(1)の事件を2024年2月下旬から3月下旬にかけて100件程度 2024年2月下旬から同年6月頃までにかけて通算で少なくとも300件程度受任した。

(6) 被懲戒者は、2024年4月2日及び同月5日、懲戒請求者Bから詐欺被害の返還請求案を受任し、 同年5月31日までに着手金300 円余りを受領したが、 上記(5)の業務体の下、懲戒請求者Bに対し、3か月以上の間連絡せず、同年7月に一旦連絡が付いた後も返答約束た期限内に連絡をせずその後も懲戒請求者Bと連絡を取らな。 

(7) 被懲戒は、懲戒者のホームページを通じて電話相談を申し込んだ懲戒請求者Cを通じて電話相談を申し込んだ懲戒請求者Cから、2024年6月5日、詐欺被害金の返還請求事案を受任したところ、上記(5)の事業体制の下、委任契約締結前の事案の聴き取りや方針の説明を専ら事務職員とされる者が行った。

8)被懲戒者は、懲戒請求者Dから詐欺被害救済事件を受任したところ、上記(5)の業務体制の下、懲戒請求者Dに対する聴き取り、事件処理や見通しの説明、契約締結、報告等を事務職員とされるEが担当し、Eが懲戒請求者Dに対し口座開設者の本籍地えお調べて親や親族に弁護士が請求に行く、5割返ってきた例もある等の説明をし、被懲戒者において説明内容を把握せず、指導監督しなかった。

(9)被懲戒者は、懲戒請求者Fから詐欺被害金の返還請求事件を受任したところ、上記(5)の業務体制の下、加害者に対する請求書の作成及び送付、加害者との連絡、懲戒請求者Fへの報告聴き取り等を事務職員とされるGと連絡が取れなくなって以降上記事件を進展させず、懲戒請求者Fに対して被懲戒者や事務所と連絡が取れなくなった事情を説明しなかった。

(10)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士等の業務広告に関する規定第3条及び弁護士職務基本規程第9条に、上記(2)の行為は同規程第29条に、上記(3)の行為は同規程第19条に、上記(4)の行為は同規程第12条に、上記(5)の行為は同規程第11条に、上記(6)の行為は同条、同規程第35条及び第36条に、上記(7)の行為は同規程第11条に、上記(8)の行為は同条、同規程第19条及び第29条に、上記(9)の行為は同規程第11条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2025年10月29日 2026年3月1日 日本弁護士連合会

【弁護士懲戒処分】非弁提携の懲戒処分例 一覧表2026年3月更新