
神奈川県弁護士会所属の弁護士は24年5月、自身のX(ツイッター)で他人の投稿を引用しながら、李さんについて「女性自認の身体男性」「法的女性でもないみたい」と投稿した。
李さんは24年11月に自身がトランスジェンダーであることをホームページで公表。性別に関する投稿や中傷に悩まされていることを明かし「カミングアウトするしかありませんでした」と記した。 李さんは、トランスジェンダーだと暴露する「アウティング」に当たる投稿をされたとして、甲府市議の女性に損害賠償と投稿の削除を求める別の訴訟も東京地裁に起こしている。
引用毎日新聞https://mainichi.jp/articles/20260527/k00/00m/040/039000c
令和6年ワ19041 損害賠償請求事件 12部乙 神吉康ニ裁判長
原告 李琴峰
被告 滝本太郎
被告は原告に対し22万払え
100分の7被告負担
仮執行宣言
被告が原告の性別についてネットに公表した行為に対する損害賠償事件だけでなく、以前から女性スペースの問題について論争があった事も一因ではないでしょうか。また同じリベラル系弁護士でも意見が異なるというもの興味深い事件です。
この問題の過去の報道から
滝本太郎弁護士が、さまざまな妨害にも屈することなく、女性スペースを守る会の「防波堤」となった経緯を、性同一性障害特例法の違憲性の大法廷がもたらすもの―さまざまなひとたちの合意はどう見つけられるのかではお聞きした。今回は特例法の大法廷をめぐる疑問について答えていただいた。
「前に私が記事に書いたのですが、特例法の手術要件をめぐる議論は、なんで違憲性が問われているかが、わからなかったんですね。性別変更の審判ができる条件として『生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること』と定められています。
原告の代理人は、特例法には『手術』をせよという文字はない、ホルモン治療によって生殖機能が著しく低下している場合は、性別適合手術が不要なのだと主張されていました。そうであるならば、その個々の法文の解釈の問題にすぎないでしょう? なぜ憲法が違憲かどうかという話になっているのか、さっぱりわからなかったのです」。こう滝本さんに水を向けてみた。
「いや。問いの立て方は逆です。手術要件は憲法違反ではない、違憲ではないという判決が出た場合に、それでも性別適合手術をしなくても性別変更をしてもいい、男性器をつけたまま『女性』になってもいいという判決を出してもらうために、そのような主張をしているのだと思いますよ。
まず、ありえる最高裁の判断は4種類だと思われます。
1『憲法違反である』です。この場合は、特例法の手術要件はすぐに死文化して、どの家庭裁判所の類似の事件でも、『法的女性』に変更可能です。
2『違憲状態である』です。この場合は、すぐには手術要件は無効にはなりませんが、国会に法律を変更する義務が生じます。
1憲法判断を示さない。そのうえで本人のホルモン治療が「生殖腺の機能を永続的に欠く状態にある」にあたるとする。違憲とはしないが、実質的に手術することなく性別変更が可能になります。
2「合憲である、認めない」
「それでは違憲であるという判断をしなくても、性別適合手術なしで、性別変更が可能になる場合があるということですね。なるほど思い至りませんでした。不思議なことをいうなぁと思っていたのです」
「そうです。ホルモン治療で、『生殖腺の機能を欠く』『永続的』といってよいのかという問題です。男性器をつけたまま法的女性になったあとにホルモン治療などをやめても、法的女性ではあることになります。診断書は1日で取れるところもあるから、性犯罪目的の人が使い、女性トイレや女湯に入る可能性が結構あると思います。法的女性ですから、警察は『女性と認識している』だけの人より、はるかに腰が引けてしまうでしょう。
それにしても、抗告人代理人の「性別のあり方が尊重される権利」は、「日常生活で否定されない権利」「他者に求めることが許される」という論法には驚きました。他者にももちろん、人権があり、内心の自由があるのは当然なのですが」。
「でも、『性自認』を尊重するってそういうことですよね。差別を禁止してそこに罰則をつけるとなると、相手がいう性別、つまり性自認に一切異論を唱えてはいけないということを意味しますよね」と私がいうと
「それではいけないのです。トランス女性が男トイレに入っていると、時に男が揶揄し暴力を振るわれる。これこそが排除・差別行為でしょう。実は『トランス女性の利用公認を』という主張は『男子トイレから出ていけ』という意味でもあり、それこそが排除・差別行為だと思います。トランスジェンダーへの対応としては、女子トイレの利用公認ではなく、男子トイレを共用トイレに戻すので適切でしょう。できれば小用を見ずに個室に入れるようにしつつ、です。男は違和感があっても恐怖感はないのですし。
それから、この法廷の問題点は、『相手方』が居ないことです。手術要件を外して法的性別を変更できる国々で起こっている様々な混乱や、スポーツの分野でも思春期を過ぎた人は女性としては出場できないなど、『正常化』に舵を切ってきていることが、まったく裁判所に伝わっていない。そもそも特例法は、希望して性別適合手術をするひとについての法律だという主張が伝わっていない。裁判所は、原告の辛さ・困りごとだけを聞いて、反論も聞くことがない。おかしいです。」と滝本さん。
「そうでしょうね。私も困っていると聞くと、本当に気の毒だなと思ってしまって、性別変更させてあげればいいのにという気持ちになってしまいました。でも個別のケースを救うことと、そのことによって法律を変えることはまったく別のことであって、法律を変えることは社会に影響を及ぼさざるを得ません。『相手方』とは、具体的には誰になりますか?」
「そうなんですよ。この裁判には、国が参加していません。国が利害関係人として、参加すべきなんです。経産省トイレ裁判では制度上、国が被告だったのですが、これは氏や名の変更と同様に、相手方がない裁判なのです。だが法制度の違憲性が論点ですから、関与しないで良いはずがない。
このままでは法務大臣、総理大臣の政治責任になりますね。仮に2019年1月の判例と同様に『合憲、認めない』という結論だったとしても、反対意見が幾つも出るでしょうから問題を残します。女性を守る議連が、法務省に参加申出をするよう求めたがまだ申し出ていない、今からでも世論を盛り上げて法務省、内閣府が動かないと。最高裁がそれを認めずに違憲判決をだしたら、それこそ『最高裁の暴走』です。拒否できるものではないでしょう。」
こういうケースで、国が何も主張していないとは驚きました。勉強になりました。最後に滝本さんにいい残したことを聞いた。
「女性スペースを守る会ほか、諸団体と有志で、署名をやっています。違憲とはしないで、各党は手術要件を外す改正案を出さないで、とお願いするものです。でも、メデイアがこちらの主張も署名活動もとんと報道してくれず、弱っています。ぜひここをクリックして、違憲判決をしないようにお願いする署名をしてください」
滝本さん、貴重なお話を有難うございました。
引用 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/a113274195d18ccf7997338a34a71cb1a4df7b38
性スペースを守る会」めぐる訴訟
飯田光穂・ライター|2022年11月28日2:25PM
LGBT法案の「性自認」に対する慎重な議論を求め活動する「女性スペースを守る会」(神奈川・大和市)をSNSで「悪質トランス差別団体」と投稿したことで謝罪や損害賠償を要求された男性が11月14日、債務不存在確認訴訟を提起し、記者会見を開いた。この男性は大阪公立大学人権問題研究センターの特別研究員、劉靈均(りゅう・れいきん)氏(写真左)。経緯は以下の通りだ。
「女性スペースを守る会」は、同会ホームページによると「LGBT法案のうちの『T=性自認による差別は許されない』という文言が身体の性別よりも性自認を優先させることに繋がり、身体の性別によって社会的な不利を被ってきた女性の人権を更に後退させる恐れがある」と主張する団体。「T」とは、生まれた時に割り当てられた性別と性自認(ジェンダーアイデンティティ)が一致していないトランスジェンダーのことだ。トランスジェンダーの女性が女性トイレなど「女性スペース」を使うことに慎重論を唱えている。
この会の姿勢をユーチューブ番組で批判した女性装の安冨歩・東京大学教授を、同会は9月22日、名誉毀損で提訴。劉氏は同25日、この件について〈悪質トランス差別団体「女性スペースを守る会」は今度安冨歩先生に提訴した。安冨先生を支持します。#LGBT〉とツイートした。
これに対し「女性スペースを守る会」は、「悪質トランス差別団体」発言が名誉毀損にあたり、刑事・民事上違法な行為であることは明らかだとして①当該ツイートの削除、②謝罪広告の掲載、③9月30日から削除するまで1日5000円の損害賠償の支払い、を請求する文書を劉氏の勤務先大学に送付。劉氏はこれらの要求に対し「債務不存在」として確認訴訟を起こし、今回の会見に至った。
排除は性被害を招く
同会の主張は、トランスジェンダー女性からシスジェンダー(生まれた時に割り当てられた性別と性自認が一致している)女性への性犯罪を懸念しているように読み取れるが、劉氏は会見で「女性スペースを『全ての女性を外見により選別・審査・検閲するスペース』にすることは本当に女性を守ることではない。見た目による選別は本当の性犯罪への注意力を減らす」と反論する。
実際、性被害に遭う確率はトランスジェンダー女性のほうがシスジェンダー女性よりも高い。トランスジェンダー女性を女性スペースから排除すると性自認の暴露や性被害につながってしまう。性犯罪をなくすために必要なのは、女性スペースからトランスジェンダー女性を排除することではなく、性や人権に関する十分な教育と性犯罪を許さない法整備だ。
また、劉氏代理人の神原元(かんばら・はじめ)弁護士は、「差別を指摘された側が名誉毀損で訴えることは名誉毀損罪を定める刑法230条の悪用だ」と指摘。本件については「公正な論評の法理」を適用するべきだと述べている。「公正な論評の法理」とは①その行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったこと。②意見ないし論評の前提としている事実が重要な部分について真実であることの証明があったこと。③人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでないこと。つまり、劉氏のツイートは女性スペースを守る会への論評であり、公共的な事項に関する表現の自由として憲法上の権利が尊重されるという主張だ。
「女性スペースを守る会」の代理人、滝本太郎弁護士は取材に対し、「原告らこそが、女性らが主張する表現の自由を『悪質なトランス差別団体』とレッテル付けして侵害している。『悪質トランス差別団体』と守る会を表現することはもちろん名誉毀損にあたる」と主張。さらに「今後の対応としては、会の皆と相談する。守る会について〈まさに差別団体です。差別加害者が被害者ポーズをとっている点も悪質。〉などとツイートした著名人についても検討し始めている。裁判所に迷惑をかけることは最低限としたいが」とし、同会を批判した他のツイートについても法的手段をとることをほのめかした。
なお、「女性スペースを守る会」は「女性トイレの維持及びその安心安全の確保について国に意見書を出すことを求める陳情」を都議会へ提出したが、9月15日に満場一致で「不採択」となっている。
(『週刊金曜日』2022年11月25日号)
神奈川県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士氏名 滝本太郎
登録番号 18596
事務所 神奈川県大和市中央2-1-15 パークロード大和ビル5階 大和法律事務所
2 懲戒の種別 戒告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、自ら懲戒請求者となり、2021年9月29日、弁護士である懲戒請求者らと同一の事務所に所属する弁護士を対象弁護士として懲戒請求をなし、綱紀委員会が2022年8月3日、懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当とすることを認めるとの議決を行い、同年9月13日付けで、議決結果と議決書が被懲戒者に通知されたところ、同月14日インターネット上で、自らの法律事務所が事務局となっている団体の投稿を引用する形で、A弁護士の事案の議決結果を紹介し、同月16日には上記団体のホームページにて上記議決書を公開させ、同月、2023年1月及び2月の3回にわたり被懲戒者とA弁護士が対峙する当事者となっている3件の訴訟において、上記議決書を書証として提出し、新聞及び雑誌の取材を受けた際に話したことにより、全国紙及び雑誌の記事で上記議決結果を紹介させた。
被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規程第3条の趣旨、第70条及び第71条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2025年1月27日 2025年6月1日 日本弁護士連合会

