井垣元判事を懲戒請求 少年審判全文掲載で |
神戸市で1997年に起きた連続児童殺傷事件をめぐり、今年4月発売の月刊誌「文芸春秋」に掲載された少年審判の決定全文を外部に提供したなどとして、元神戸家裁判事の井垣康弘弁護士が、所属する大阪弁護士会に懲戒請求されたことが26日、分かった。井垣氏が明らかにした。
請求したのは個人で、5日付。懲戒処分は弁護士法で、所属弁護士会に誰でも求めることができるとされている。
決定全文は、共同通信社の編集委員が寄稿する形で4月10日発売の同誌に掲載。大阪弁護士会の松葉知幸会長が、同誌の発行元の文芸春秋と、同編集委員に抗議する声明を送付している。
京都新聞
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裁判官として扱った事件内容を週刊誌に掲載した元神戸家裁判事の井垣康弘弁護士に対して所属する大阪弁護士会に懲戒請求が出されました。
大阪弁護士会は週刊誌に抗議をされましたが、果たして身内の弁護士に
出された懲戒請求をどうするでしょうか
大阪弁護士会会長談話
神戸家裁が文芸春秋に抗議文 連続殺傷事件の決定全文掲載で
神戸新聞NEXT 4月10日(金)18時22分配信
神戸市須磨区で1997年に起きた連続児童殺傷事件で、当時中学3年の加害男性を「医療少年院送致」とした神戸家裁の決定全文が、10日発売の月刊「文芸春秋」5月号に掲載されたことを受け、神戸家裁は10日、文芸春秋と記事を寄稿した佐々木央・共同通信編集委員、事件を担当した元判事で、決定全文を提供したとされる井垣康弘弁護士に対し、抗議文を送った。
抗議文は「裁判官が退職後も背負っている守秘義務に反する行為」と厳しく指摘し、「少年審判に対する信頼を著しく損なうものであり、事件関係者に多大な苦痛を与えかねない」などとしている。
抗議文は「裁判官が退職後も背負っている守秘義務に反する行為」と厳しく指摘し、「少年審判に対する信頼を著しく損なうものであり、事件関係者に多大な苦痛を与えかねない」などとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150410-00000007-kobenext-soci
井垣弁護士が家裁の決定文を漏洩した事件について報道されています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150410/k10010044161000.html
(NHK)
平成9年に神戸市で小学生連続殺傷事件を起こした当時中学3年生の少年を医療少年院に送ることを決めた、神戸家庭裁判所の少年審判の決定文の全文が、10日に発売された月刊誌「文藝春秋」5月号に掲載されました。 全文は、この少年審判を担当した井垣康弘元裁判官から提供を受けた、共同通信の編集委員が寄稿する形で掲載され、少年の詳細な成育過程など、当時、裁判所が公表した決定文の要旨には記されていない内容が含まれています。
これを受け、神戸家庭裁判所は井垣元裁判官に対し、「裁判官が退職したあとも負う守秘義務に反する行為だ。少年法で非公開とされている少年審判に対する信頼を著しく損ねるうえ、事件関係者にも多大な苦痛を与えかねないもので遺憾だ」とする抗議文を送りました。また、文藝春秋と共同通信の編集委員に対しても書面で抗議しました。
これについて井垣元裁判官はNHKの取材に対し、「社会に問題を投げかける意味で、決定全文の公表に踏み切った。当時、裁判所が公表した要旨では、少年が『重大な事件を起こした子』ということは分かるが、どういう育ち方をして事件に至ったのかというプロセスの部分、成育歴の部分だけぽっかり抜け落ちているため、少年という人間に対する理解が社会的には不十分なままで捉えられていると思う。成育歴の部分も読んで、理解を深めてもらいたい。家庭裁判所の批判は全く当たらないと思っている」と話しています。
一方、「文藝春秋」編集部は、「神戸の事件は今も続く重大な少年事件の原点であり、全貌を知ることで社会がくみ取れる教訓が多いと考え、全文を掲載しました」というコメントを出しました。
また、共同通信は、「被害者感情や少年が社会復帰していることなどに配慮し、共同通信では決定全文の内容を報じていません。編集委員が寄稿する形で掲載された詳しい経緯など、事実関係を調査中です」というコメントを出しました。
これを受け、神戸家庭裁判所は井垣元裁判官に対し、「裁判官が退職したあとも負う守秘義務に反する行為だ。少年法で非公開とされている少年審判に対する信頼を著しく損ねるうえ、事件関係者にも多大な苦痛を与えかねないもので遺憾だ」とする抗議文を送りました。また、文藝春秋と共同通信の編集委員に対しても書面で抗議しました。
これについて井垣元裁判官はNHKの取材に対し、「社会に問題を投げかける意味で、決定全文の公表に踏み切った。当時、裁判所が公表した要旨では、少年が『重大な事件を起こした子』ということは分かるが、どういう育ち方をして事件に至ったのかというプロセスの部分、成育歴の部分だけぽっかり抜け落ちているため、少年という人間に対する理解が社会的には不十分なままで捉えられていると思う。成育歴の部分も読んで、理解を深めてもらいたい。家庭裁判所の批判は全く当たらないと思っている」と話しています。
一方、「文藝春秋」編集部は、「神戸の事件は今も続く重大な少年事件の原点であり、全貌を知ることで社会がくみ取れる教訓が多いと考え、全文を掲載しました」というコメントを出しました。
また、共同通信は、「被害者感情や少年が社会復帰していることなどに配慮し、共同通信では決定全文の内容を報じていません。編集委員が寄稿する形で掲載された詳しい経緯など、事実関係を調査中です」というコメントを出しました。
井垣康弘元裁判官、現在は弁護士です。大阪弁護士会 2005年登録
井垣康弘のブログ
私は、今71歳になる弁護士です。大阪の豊中で個人事務所を開いています。(無料を含む)法律相談に応じていますが、ご連絡はFAXでお願いします。遅くとも1週間で、何らかのお返事をします。
経歴ですが、大阪生まれです。年齢からお分かりのように、大阪大空襲を経験しました。満5歳の時です。米軍のB29による焼夷弾で大阪が全部焼けました。すごかったですよ
(子どもの目には、綺麗でした)。
京都大学法学部を出て、司法試験に合格し、裁判官になりました。最後の任地は神戸家裁少年部で、例のサカキバラ事件を担当しました。
65歳で定年退官し、以来大阪で弁護士をしています。
裁判官は、お互いに他の裁判官の審理を見ません。弁護士になって初めて他の多くの裁判官の審理を見た訳ですが、「いい加減な裁判官が多い」ことには心底驚きました。
私は、裁判官として、定年までの8年間、非行少年の事件を専門に扱って来ました。いわゆる神戸の少年Aもその内の一人です。死刑相当の重大事件でしたが、Aは15歳でしたから、保護教育を受けさせて、今は28歳の普通の社会人になっています。
経験に基づき、社会が真剣に取り組めば、少年非行をほとんどゼロにすることも可能だと思うようになりました。万引で捕まり、厳しく叱られて、それっきり自発的に犯罪と縁を切るというような軽微なケースは無くすことができませんが、それは本人にとっては、貴重な社会勉強ですから、あっても別に構わないと思います。 家裁の裁判官の審判を受ける少年というのは、手当をしなければ際限なく犯罪を繰り返す危険極まりない子どもたちです。
そのような子どもたちは、小学3年生のころから中学2年生に掛け、5年間に亘り、非行少年になるように育てられて行きます。親の放任と教師の切り捨てにより、読み書きそろばんが殆ど分からないままの子どもたちは、前途に何の希望も抱けず、自殺や引きこもりに進む子もいますが、一部は確実に非行に突き進みます。
親から虐待を受け続けた子も同じです。被虐待児は、主に暴力で人を従わせる犯罪→恐喝や強盗に走ります。
非行少年に育つ子どもたちの著しい特色は、親と教師から捨てられているだけでなく、社会の全ての大人から何のケアーも受けていないことです。祖父母などの親戚、友だちの親、近所のおじさんおばさん、その他一切の大人たちから何の援助も受けていません。
逆から言えば、誰でもいいが、誰か1人の大人と仲良くしてもらっている子は、非行性の進んだ子どもには育ちません。その意味で、社会が非行少年を育てているとも言えます。
逆から言えば、誰でもいいが、誰か1人の大人と仲良くしてもらっている子は、非行性の進んだ子どもには育ちません。その意味で、社会が非行少年を育てているとも言えます。
皆さんにお願いがあります。地元の人を誘って小学校3年生の授業参観に行ってください。授業が分からず「ボー」としている子が3人ほど見付かります。その子らと「仲良し」になってください。そしてその子らのニーズに沿ったケアーをしてやってください。地域の子どもの養育には地域の大人も、親や教師ともども連帯責任を負うというスタンスです。
少年院に送られた非行少年は、法務教官から抱きしめられ、「君たちは日本の宝だ」とささやかれて育て直しを受け、1年ほどで鬼の顔から仏の顔に変わりますが、子どもを非行少年に育て上げた上で、その更生を役人に任せて置けば良い問題だとは到底思えないのです。