顧問弁護士を務める会社で権限がないのに代理行為を行ったなどとして福岡県弁護士会は、19日、日本弁護士連合会の元副会長ら弁護士2人を業務停止の懲戒処分にしました。 業務停止1年6か月の懲戒処分を受けたのは、元福岡県弁護士会の会長で日本弁護士連合会の副会長も務めたこともある木上勝征弁護士です。
福岡県弁護士会によりますと、木上弁護士は顧問を務めていた会社で、病気によって代表者の意思が確認できない状態だったにも関わらず、成年後見人の選定などの適切な対応をせず、2014年から5年間にわたって権限がないまま代理行為を行ったなどとされています。
1 処分を受けた弁護士氏名 木上勝征 登録番号11150 木上法律事務所
2 懲戒の種別 業務停止1年6月 3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、懲戒請求者Aの顧問弁護士であったところ、懲戒請求者A社の代表者Bが2014年3月20日に意思疎通ができない状態になったため、遅くともその時点以降のB又は懲戒請求者A社からの委任行為は無効であり、また、同日以降、Bの意思確認をしておらず、そもそもBの意思確認ができない状態であったにもかかわらず、無期限のまま、懲戒請求者A社の代理人として、懲戒請求者Cが同年10月20日付けでないsた懲戒請求者A社の株主として経営参加を求める請求を拒否したほか、同年12月22日付け及び2015年5月13日の株主名簿書換請求を拒絶し、さらには2016年3月30日に懲戒請求者Cから申し立てられた株主総会招集許可申立事件において代理人として活動し、同年12月22日に懲戒請求者Cから提起された株主権確認請求事件において訴訟活動を行った。
(2)被懲戒者は、Dを懲戒請求者A社の代表取締役に選任する取締役会議決議は、取締役会の招集者であるBの意思能力に問題があり、招集通知を発送する能力を有しないため無効であり、Dが適正な手続に従って正当に代表取締役に選任されたのではないことを当然知っていたにもかかわらず、上記(1)の株主総会招集許可申立事件においてDが2016年5月15日に懲戒請求者A社の取締役会で代表取締役に選任されたと称して、Dから委任状を取り直して裁判所に提出するなどし、懲戒請求者A社の代理人として訴訟活動を行った。
また、被懲戒者は、上記(1)の株主権確認等請求事件において、懲戒請求者A社代表取締役D名義の委任状を裁判所に提出して訴訟活動を行った。
(3)被懲戒者は、2011年8月2日、懲戒請求者A社から実印、認印、理事長印及びゴム印を預かったが、2019年12月6日に懲戒請求者A社から上記実印等の返還を求められたにもかかわらず、遅滞なく返還しなかった。
(4)被懲戒者は、2013年1月17日、懲戒請求者A社から2000万円を預かったが、2019年12月6日に懲戒請求者A社との顧問契約を解除した後、懲戒請求者A社から返還を求められたにもかかわらず、上記金員を遅滞なく清算して返還しなかった。4処分が効力を生じた日 2024年3月18日 2024年7月1日 日本弁護士連合会
3 処分の理由の要旨 被懲戒者は懲戒請求者Aの父Bが発行済株式数の過半数を有し、定款で累積投票を排除している株式会社Cの定時株主総会の運営についてCの代表取締役Dと株主総会対策を協議するに当たり、取締役選任決議において1株につき1票を割り当て持ち株の範囲内で、これを選任予定の取締役6名を上限として単独または複数の候補者に対して投票し、投票数の多いものから6名を取締役とする方法をとることによってDと対立するBが議決権の多数を占めることが確定している状況で自派取締役を選出しようとする方策が法律的根拠を欠くことをしてきしないばかりか、1999年11月28日、顧問弁護士として総会に出席し、定款に基づき議長となったDがBの反対にもかかわらず、上記方法を実行しようとする議長を支持し、その結果正当な方法により有効な取締役選出がおこなわれ、上記議決方法による取締役選任決議の取消しが確定するまで訴訟手続を要するに至らしめたものである。 4 処分の効力が生じた日 2001年8月30日 2001年11月1日懲戒
横浜市に本社がある家電量販店の顧問弁護士が、この量販店の株のインサイダー取引をしていたとして、証券取引等監視委員会が課徴金の支払いを命じるよう、近く金融庁に勧告する方針を固めたことが関係者への取材で分かりました。
勧告の対象となるのは、ジャスダック上場で横浜市に本社がある家電量販店の顧問を務める60代の男性弁護士です。
関係者によりますと、この弁護士は去年、家電量販店が新たに株を発行して資金を調達する公募増資を行うことを知り、持っていた量販店の株を売却したということです。公募増資が公表されれば株価が下がることが多く、弁護士は公表前に売り抜けて数十万円の利益を得ていた疑いがあるということです。
このため証券取引等監視委員会は、弁護士がインサイダー取引をしていたとして、課徴金の支払いを命じるよう近く、金融庁に勧告する方針を固めたということです。
弁護士が所属する事務所は「本人が不在のため答えられない」としています。NHKhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20140418/t10013860431000.html
2013年11月1日 日本弁護士連合会
1処分を受けた弁護士氏名 小口恭道 登録番号12095 内幸町法律会計事務所2 処分の内容 業務停止1月
3 処分の理由の要旨(1) 被懲戒者は懲戒請求者A株式会社及び同B株式会社の法人税違反被告事件の私選弁護人であった。しかるに被懲戒者はA社が上記非行事件の実行行為者であるC及びDに対してA社に課せられた罰金額及び重加算税額合計3億8000万円余りを請求する上記被告事件と同一の事件というべき損害賠償請求事件においてC及びDの代理人として職務をおこなった.(2) 被懲戒者はA社及びB社の顧問弁護士であったが両社とCらとの間の潜在的な利害対立を認識して両社の顧問を辞任した。それにもかかわらず被懲戒者はA社及びB社とCらとの代理人をしてA社やB社を相手方とする損害賠償請求事件等5件の民事訴訟事件を受任した被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4 処分の効力を生じた年月日 2010年6月7日
1処分を受けた弁護士氏名大石剛一郎 登録番号 21096 木下・大石法律事務所 2 処分の内容 業務停止3月(平成29年7月14日 業務停止2月に変更)
1 処分を受けた弁護士氏名 山崎正美 登録番号 17901 金沢みらい法律事務所 2 懲戒の種別 戒告
3 処分の理由の要旨 被懲戒者は、2012年6月29日、自らが顧問弁護士を務める医療法人Aの関係者から、理事長であったBの遺言書の扱いにつき相談を受けた際に検認を行うべき旨の回答をすべきところ、上記遺言書は当分他に漏らさない方がいい旨の回答をした。また被懲戒者は2013年1月24日、Bを被相続人とする遺産分割に関し上記遺言書の存在を認識しながら、Cの代理人として遺言書がない旨記載した遺産分割調停申立書を裁判所に提出した。さらに、被懲戒者は2015年12月3日DがCに対して申し立てた遺産分割調停事件の調停期日においてCの代理人としての遺言書が存在しない前提で調停に対応し、また同日、DがA法人に対して申し立てた遺産分割調停事件の調停期日においてCの代理人としてBの遺言書が存在しない前提で対応し、また同日DがA法人に対して提起した持分払戻請求訴訟の口頭弁論期日においてA法人の代理人として、Bに遺言書がない旨の答弁書を陳述した。4処分が効力を生じた日 2020年10月8日
1 処分を受けた弁護士氏名 吉原紀子 登録番号 39378 吉原法律事務所
2 処分の内容 業務停止3月
処分の理由の要旨(1)被懲戒者は2013年4月1日、懲戒請求者株式会社Aから、B株式会社に対する損害賠償の交渉等を受任し、2014年4月22日に懲戒請求者A社を原告、B社を被告とする損害賠償請求訴訟を提起したが12回にわたり開かれた期日のうち7回の期日を復代理人を手配するなどしないまま出頭せず、また同年12月18日の弁論準備手続期日において裁判所から準備書面及び書証の提出を要請され、その後再三にわたり督促されたにもかかわらず、裁判所から指示された内容の書面を提出しなかった。
(2)被懲戒者は2013年5月、懲戒請求者A社から従業員の横領事件等の相談を受けたことから、月額顧問料を20万円とする顧問契約を懲戒請求者A社と締結したが、上記(1)の訴訟事件における実質的回収可能見込額をはるかに超え、また上記横領事件について簡易な告訴状の作成、警察署への同行等をしたにすぎないにもかかわらず上記(1)の訴訟事件の着手金等20万円のほかに、同月から2015年3月までの間に、懲戒請求者A社の事業規模や上記業務内容等と比較して到底見合わない合計280万円の顧問料を受領した。(3)被懲戒者は上記(1)の訴訟事件について懲戒請求者A社の事前の了解を得ないまま辞任し、2015年10月23日、裁判所に対し訴訟代理権消滅通知書を提出した。4処分が効力を生じた日 2019年5月23日
1 処分を受けた弁護士 氏名 菅谷幸彦 登録番号 24173菅谷・来司法律事務所
2 懲戒の種別 戒告 日弁連異議 業務停止1月
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、成人向けDVDの製作、販売を業とするAと2012年3月に顧問契約を締結したところ、A自身が上記DVDに出演する女性をウエブサイト上で直接募集していることを上記契約時締結当初から認識していたにもかかわらず、上記募集が公衆道徳上有害な業務に就かせる目的での労働者の募集として職業安定法違反にならないかについて必要な調査を行わず、Aに対し違法行為を行うことをやめさせるよう助言等しなかった。4処分が効力を生じた日 2020年1月22日