国際ロマンス詐欺の被害回復に関するネット広告の内容に問題があったとして、千葉県弁護士会は30日、会に所属する大友道明弁護士(75)について懲戒処分に向けた手続きを始めたと発表した。今後、県弁護士会の懲戒委員会が審査し、処分を決める。 県弁護士会によると、大友弁護士は2022年10月ごろ、国際ロマンス詐欺や株投資詐欺などの被害回復をうたったネット広告の中で「すべてお任せ頂ければ丸っと解決いたします」などと表示していた。広告を巡り、県弁護士会には依頼者などから「被害が回復されない」などの相談が多数寄せられていたという。 こうした広告について、県弁護士会の綱紀委員会は「ロマンス詐欺の被害回復は極めて困難」とした上で、日本弁護士連合会が禁止する「誇大または過度な期待を抱かせる広告」や「虚偽または誘導にわたる情報の提供」などに該当すると判断した。 大友弁護士は28日、毎日新聞の取材に「被害金の回収が難しいことは事前に説明した上で契約している」と話した。
国際ロマンス詐欺を取り扱う法律事務所のネットを利用した広告に対し千葉県弁護士会業務広告調査委員会規則により、会員弁護士に対し『命令書』が千葉県弁護士会HPに公表になりました。
千葉県弁護士会ホームページ
千葉県弁護士会業務広告調査委員会規則 (以下、 単に 「規則」とい う。)第7条4項の報告及び規則第7条5項による常議員会の議決を 経て、日本弁護士連合会の 「弁護士等の業務広告に関する規程」(平 成12年3月24日会規第44号。以下 以下、単に 「規程」という。)第 12条5項に基づき、 令和5年2月25日配達の命令書において、別 紙対象者に対して下記事項を命じた(以下、単に「本件命令」という。)。 しかし、別紙対象者が本件命令に従わないため、 規則第8条2項の 報告及び規則8条3項による常議員会の議決を経て、規程第12条6 項に基づき、 当該事実及び理由の要旨を公表する。
記
対象者の法律事務所に関するウェブサイト(URL: https://otomo, bengo.com/ ミラーサイトを含む。以下「本件サイト」という。)上 に、 令和5年3月13日までに、 仮に対象者を含む弁護士に依頼した としても「国際ロマンス詐欺」 などの詐欺被害の被害回復が現実には 難しく、 多くの場合、 被害を全く回収できないか、ごく少額の回収に とどまることが多いとの実情を有することについて広く閲覧者が認 識できるように、明確な注意喚起を18ポイント以上の文字サイズで 掲載せよ。
令和5年3月24日 千葉県弁護士会会長 篠崎 純 印
(別紙)
(対象者)
事 務 所
千葉県千葉市中央区本千葉町4-14 内海ビル2階
対 象 者
大 友 友道 明 (登録番号23423)
(理由の要旨 )
1 「国際ロマンス詐欺」 などの詐欺被害の実情として、 対象者を 含む弁護士に依頼したとしても、 被害回復が現実には難しく、 多くの場合、 被害を全く回収できないか、ごく少額の回収にとどまることが多い。
2 相談者等に対しては、上記リスクを告知すべきであるのに、 本件サイトにはそのような告知は見当たらなかった 、
そこで、 当会は、 明確な注意喚起を本件サイト上で行うことを 命じることが相当であると判断し、 本件命令を対象者に発出した。 本件命令発出後、 対象者は、本件サイトの中に命じた内容を掲 載したものの 「詐欺被害を弁護士に依頼するメリット」の項目 に掲載されており、 「だからこそ 「だからこそ、 依頼する弁護士は慎重にお選 び下さいませ。」との一文を追記して掲載した(以下「本件修正」 という。)。
本件修正は 明確な注意喚起とは到底いえず また 上記リス クの告知として機能しておらず、 対象者であれば例外的に被害回復を図ることができるかのような印象を与える結果となってお り、相談者等に対して上記リスクを積極的に告知して二次被害を 防止しようとする本件命令の趣旨に反している
これを放置すれば、 詐欺被害者の二次被害が生じる蓋然性が極 めて高いため、 当会は、 被害発生防止のため特に必要があると判 断し、 本件命令を発出した事実及び理由の要旨を公表する。
(8月4日付)
以上