【弁護士報酬審査基準】⑥ 刑事事件の着手金・報酬 第一東京弁護士会法律相談マニュアル

第二節 刑事事件
(刑事事件の着手金)
第30条 刑事事件の着手金は以下のとおりとする。 
・刑事事件の内容 起訴前及び起訴後(第1審及び上訴審をいう以下同じ)の事案簡明な事件 
・着手金 50万円以下 
・その他 起訴前及び起訴後の前段以外の事件・再審事件及び再審請求事件 
・着手金 弁護士と依頼者との協議により定める額 
2 前項の事案簡明な事件とは、特段の事件の複雑さ、困難さ又は繁雑さが予想されず、委任事務処理に特段の労力又は時間を要しないと見込まれる事件であって、起訴前については事実関係に争いがない情状事件、起訴後については公判終結までの公判終結までの公判開廷数が2ないし3開廷程度と見込まれる情状事件(上告事件を除く)上告審は事実関係に争いがない情状事件をいう
(刑事事件の報酬金) 
第31条 刑事事件の報酬金は、次のとおりとする。
・刑事事件の内容  
・事案簡明な事件 (起訴前)結果不起訴 求略式命令  (報酬金)50万円以下
・事案簡明な事件 (起訴後) 刑の執行猶予 求刑された刑が軽減された場合 報酬金50万円以下 
・前段以外の刑事事件 
(起訴前)不起訴 求略式命令(報酬金)弁護士と依頼者との協議により定める
(起訴後再審事件を含む)無罪・刑の執行猶予(報酬金)軽減の程度に応じて弁護士と依頼者との協議により定める額
・(検察官上訴が棄却された場合)(報酬金)弁護士と依頼者との協議により定める 
2 前項の事案簡明な事件とは、前条の事案簡明な事件と見込まれ、かつ結果において予想された委任事務処理量で結論を得た事件をいう
3 刑事事件及び第36条の少年事件の報酬金の決定に際して、東京三弁護士会の運営する当番弁護士センターにおける運用基準を斟酌しなければならない。
(刑事事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合)
第32条 起訴前に受任した事件が起訴(求略式命令を除く)され、引き続いて同一弁護士が起訴後の事件を受任するときは、第30条に定める着手金を受けることができる。ただし事案簡明な事件については、起訴前の事件の着手金の2分の1とする。
2 刑事事件につき同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、第30条及び第31条の規定にかかわらず、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することに努めなければならない。
3 弁護士は追加して受任する事件が同種であることにより、追加件数の割合に比して1件あたりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で軽減することに努めなければならない。
(検察官の上訴取下げ等)
第33条 検察官の上訴取下げ又は、免訴、公訴棄却、刑の免除、破棄差戻若しくは破棄移送の言渡しがあったときの報酬金は、それまでに弁護人が費やした時間及び執務量を考慮したうえ第31条の規定を準用する。
(保釈等)
第34条 保釈、勾留の執行停止、抗告、即時抗告、準抗告、特別抗告、勾留理由開示等の申立事件の着手金及び報酬金は、依頼者との協議により、被疑事件又は被告事件の着手金及び報酬金とは別に、相当な額を受けることができる。
(告訴・告発等)
第35条 告訴、告発、検察審査の申立、仮釈放、仮出獄、恩赦等の手続の着手金は1件につき、20万円以下とし、報酬金は、特段の事情がある場合依頼者と協議の上これを請求することができる。