裁判所に書類を提出しないなど業務放棄 千葉県弁護士会が所属弁護士に退会命令

 裁判所への書面の提出や出頭といった業務を放棄したなどとして、千葉県弁護士会は6月30日、所属する男性弁護士に退会命令の懲戒処分を下したと発表しました。  

6月24日付けで退会命令の懲戒処分を受けたのは、千葉市中央区にある「千葉セントラル法律事務所」の鈴木大祐弁護士(48)です。  県弁護士会によりますと、鈴木弁護士は2021年から2023年にかけて、依頼を受けた損害賠償請求の訴訟事件で、裁判所に必要な書面を提出しなかったほか、指定された口頭弁論期日に出頭もしませんでした。  

また、依頼者にその期日や判決内容を知らせず、尋問や控訴の機会を失わせたことで、依頼者は原告が申し立てた債権差押命令の発令により、給料の差押えを受けたということです。  

鈴木弁護士はこのほか、県弁護士会などの会費14カ月分、65万円以上を滞納していて、県弁護士会は除名の次に重い退会命令の懲戒処分を下しました。  なお、鈴木弁護士は、県弁護士会からの聞き取りなどの連絡に一切応じていないということです。

チバテレ(千葉テレビ放送)https://www.youtube.com/watch?v=ZLnAODrXPTw

弁護士自治を考える会

退会命令の決め手となったのは会費滞納です。滞納分を早く払えば業務停止2年程度にしてくれますが、業務停止期間中も会費は必要となります。

過去に懲戒処分があります。

懲 戒 処 分 の 公 告 2013年5月号

 千葉県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する

1 懲戒を受けた弁護士氏名  鈴木大祐

登録番号 29698

事務所  千葉市中央区中央1

 千葉セントラル法律事務所

2 処分の内容 戒告

3 処分の理由

(1)被懲戒者は2008年1月に懲戒請求者から個人再生手続申立事件を受任しその後申立てを行い2010年3月に再生手続き不認可決定がなされ、再生手続きは廃止となった。被懲戒者は再生委員から懲戒請求者がいわゆる履行テストとして再生委員に送金した金員のうち再生委員の報酬を差し引いた残金について被懲戒者が指定した口座宛てに2010年3月15日に13万9580円同年4月19日に4万9580円の送金を受けそれぞれの送金日にその旨の通知をファックスで受けた。しかし被懲戒者は同年4月頃、被懲戒者の事務所において懲戒請求者から履行テストの金は全額返ってこないのかとの質問に対し、返ってこないと説明した

(2)被懲戒者は2010年4月に懲戒請求者から再度の個人再生手続きの申立てを依頼されこれを受任したが2011年4月に懲戒請求者は債権者から貸金返還請求訴訟を提起された。被懲戒者は直ちに再生手続きの申立てをせず、また上記訴訟について懲戒請求者から応訴のための委任状を取り寄せていながら答弁書を提出せず期日に出席しなかった。

(3)被懲戒者は上記訴訟の認容判決が言い渡された後、漫然とこれを放置し懲戒請求者に対して執行手続きが進んでいる等の虚偽の説明をした。その結果懲戒請求者は給料の差押えを受けた

(4)被戒者の上記行為はいずれも弁護士職務基本規定第35条に違反し第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4 処分の効力を生じた年月日  2013年2月14日 2013年5月1日   日本弁護士連合会