
主に弁護士の懲戒処分を公開していますが、成年後見人に就任した司法書士の処分のみ投稿します。
事務所広島市西区横川町三丁目8番2号
司法書士 刎本真一
上記の者に対し、次のとおり処分する。
主 文
業務の禁止に処する。
第1 事案の概要
理 由
本件は、 司法書士刎本真一(以下「被処分者」という。)が令和4年6月〇日から令和5年 1月〇日までの間、受任していた成年後見業務等において、業務上管理していた成年被後見人等の預貯金を私的に流用したとして広島司法書士会から広島法務局に報告があったことを端緒 として広島法務局において立件した事案である
第2 認定事実
以下の事実が、 広島司法書士会の報告書及び広島法務局における調査結果その他の一件記録から認められる。
1 被処分者は、平成17年11月1日、司法書士となる資格を取得し、平成18年3月24日付け登録番号広島第○号をもって司法書士の登録を受け、同日、広島司法書士会に入会し、同年9月1日、簡裁訴訟代理等関係業務を行う法務大臣の認定を受け、〇〇〇〇〇〇において司法 書士の業務に従事していたものであり、懲戒処分歴はない。なお、被処分者は、6か月分の 定額会費の未納のため、 令和5年10月〇日付けで同会をみなし退会となった。
2 被処分者は、 成年被後見人Aほか7人の成年後見人として又はBから委任を受けた代理人 として、同人らの財産管理業務に従事していたが、 令和4年6月から令和5年1月までの間、 合計70回以上にわたり、自己の用途に費消する目的で、同人らの預金合計2,300万円以上を 出金し、これを横領した。
3 令和5年2月〇日、被処分者が受任している成年後見事件について、公益社団法人成年後 見センター・リーガルサポート○支部による特定原本確認が行われ、被処分者が成年被後見人等の財産を横領した事実が発覚した。
4 令和5年2月〇日、被処分者は刑事弁護人である弁護士C(以下「C弁護士」という。) とともに、〇警察署へ出頭した。
5 被処分者は、令和6年7月又は8月頃、自らの横領に係る被害者(上記2及び3の横領以 外の行為に係る被害者を含む。)に対し、 C弁護士を通じて、合計75万円を返済したが、それ以後は被害弁償を一切行っていない
6 令和7年9月○日、被処分者は、 成年後見人の財産368万円を横領したとして○署に業務 上横領の疑いで逮捕された。
第3 処分の量定
1 被処分者が、受任していた成年後見事件について、 70回以上にわたり、合計約2,300万円 以上を横領した行為は、刑法(明治40年法律第45号) 第253条 (業務上横領)、司法書士法第2条(職賁)及び第23条(会則の遵守) 並びに広島司法書士会則第80条(品位の保持等)及び第99条(会則等の遵守義務) に違反する。
2上記1の違反行為は、司法書士及び司法書士法人に対する懲戒処分の考え方(処分基準) 別表番号2の「業務上横領」に該当し、一般的な量定として「2年以内の業務の停止又は業務の禁止」が相当とされている。
3 被処分者は警察に出頭し自首しており、罪を償う姿勢を見せているものの、少なくとも70回以上、総額にして約2300万円以上という非常に多額を横領したことは、司法書士制度に対する国民の信頼を棄損する極めて悪質な行為である。また横領した金員の4弁償はわずか75万円しかされておらず、残りの金員の弁済の見込みもない。
4 そのため、被処分者には司法書士としての業務を遂行する適格性があるとは認められない。
5 よって、これらの一切の事情を考慮し、司法書士法第47条第3号の規定により被処分者を主文のとおり処分する。
令和7年12月1日 法務大臣 平口 洋
