弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2009年7月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・長崎県弁護士会・ 片山昭彦弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・事件放置、預り金の措置が不適切、非弁提携

懲 戒 処 分 の 公 告

 長崎県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名  片山昭彦  登録番号 17842

事務所 長崎市築町4

こころ法律事務所

2 懲戒の種別 退会命令 

3 処分の理由の要旨

1) 被懲戒者は2006年7月から非弁護士であるAに対しAをを雇用していないにもかかわらず被懲戒者の法律事務所事務長の肩書及び名刺の使用を許しAが同人の自宅兼事務所にて(ア)から(エ)までの行為を行うことを制止せずにこっれを許し弁護士名義を利用させ他に4件の自己破産事件の周旋を受けて業としてAに取り扱わせるなど非弁行為を助長した。

(ア) Aが2007年3月ころ懲戒請求者及びその妻から両名の多重債務の処理について法律相談を受け自己破産の方針について法律相談を受け自己破産の方針を決定してこれを勧め独自に手続き費用内金として金20万円を受け取った行為、

(イ) Aが自己破産申立を決意した懲戒請求者らを被懲戒者に周旋し受任した被懲戒者から任されて受任通知書作成などの事務処理一切を独立して行い、被懲戒者が受領した弁護士費用100万円を分け合った行為、

(ウ) Aが被懲戒者には無断で懲戒請求者に対し懲戒請求者が名義借りをした債権者13名に対する説明及びお詫びのための費用として30万円を要求し同年4月5日にこれを受領した行為

(エ) Aが懲戒請求者が名義を借りていたBについての自己破産申立を被懲戒者に紹介し被懲戒者と共謀して同年4月19日懲戒請求者に対してBの自己破産申立費用を支払うよう強要した行為

(2)被懲戒者は非弁行為を行う(A)から(1)(イ)のとおり懲戒請求者らの自己破産申立事件の周旋を受けた

(3)懲戒請求者は2007年4月25日付で被懲戒者との委任契約を解除したが被懲戒者は懲戒請求者らに対し直ちに返還すべきと認められる弁護士費用100万円を返還せず2009年1月30日内50万円を返還したが残額については未だに返還していない

(4)被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当するが、被懲戒者が過去に懲戒処分を3回受けていること、本件非行行為が直近の懲戒処分案件の審理中におこなわれていること、今後も再非行を繰り返すおそれが大であること、Aとの関係、非弁活動及び非弁活動の助長行為が長期間にわたり常習化していること被懲戒者の反省の色が薄いこと、未だAとの関係を切断していないことなどから今後も市民に被害を与え著しく弁護士への不信を招くおそれがあることを考慮し同法第57条第1項所定の懲戒処分のうちから退会処分を選択した

4 処分の効力の生じた日 2009年4月6日 2009年7月1日  日本弁護士連合会