覚醒剤使用の元弁護士会副会長に綱紀委が懲戒相当

札幌弁護士会の元副会長加藤恭嗣被告(51)が覚せい剤取締法違反(使用など)
罪で起訴された事件で、同会の高崎暢会長は3日、札幌市で記者会見し、
綱紀委員会が事件の調査を終え、加藤被告には「懲戒処分が相当だ」
との報告書をまとめたと発表した。
高崎会長は報告書を受け4日にも懲戒委員会に審査を申し立てる。
最も重い除名処分となれば、加藤被告は最低でも3年間、弁護士活動ができなくなる。
初公判は7日の予定。
 高崎氏によると、加藤被告は既に保釈されたという。
 起訴状によると、加藤被告は9月、自宅に覚醒(かくせい)剤約0・9グラムを隠し持ち
使用したほか、8月には、札幌市内のホテルでインターネットで知り合った女(29)
=同罪で執行猶予付き有罪判決が確定=に覚醒剤約0・2グラムを譲渡したとされる 

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091203/trl0912031706009-n1.htm
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20091204ddlk01040256000c.html

弁護士懲戒専門のブログです

えら~~~い!札幌弁護士会綱紀委員会さん

私は弁護士の懲戒について毎日のように記事を書いていますが
今回の逮捕された札幌の弁護士はとんでもない事件ですが
弁護士会の対応で過去にこのように素晴らしい対応はありません

(1)お詫びの会長会見


札幌弁護士会
http://www.satsuben.or.jp/
            

      お 詫 び
 2009年9月18日、札幌弁護士会の会員であり、当時副会長であった加藤恭嗣弁護士が、
覚せい剤所持の被疑事実で逮捕されました。同弁護士は、覚せい剤を所持していた事実を認めて
おります。
 違法薬物の根絶が社会的な課題とされている折、司法の一翼を担う弁護士がこうした事件
で逮捕されたということは誠に遺憾であります。それに加え、札幌弁護士会役員の職にあった
者の行為であることにつきましても、責任を痛感し、皆様に深くお詫び申し上げる次第です。
 なお、同弁護士は、9月19日付けをもって札幌弁護士会の副会長を辞任いたしました。
また、弁護士としての身分につきましては、速やかに然るべき手続を開始いたします。
 私どもとしては、今回の事態を極めて重く受け止め、直ちに不祥事の再発防止に向けた
取り組みに着手いたしました。それとともに、札幌弁護士会としての人権活動や市民への
サービス向上に一層努力し、できる限りの信頼回復を図って参りたいと考えております。
                   2009年9月20日
                札幌弁護士会 会  長 高崎   暢 

大阪、愛知、群馬、金沢で今年弁護士が逮捕されましたが
このように会長声明を出した弁護士会はありません
今日もまだホームページに載っています

(2)早い綱紀委員会の立ち上げ、審査


普通、弁護士が逮捕されても弁護士会は裁判の推移を見守るというだけというのが
各弁護士会のスタンス
この間の愛知県もそうです

刑事事件で有罪になれば自動的に弁護士登録は抹消
元弁護士になりますから懲戒処分などめったにしません(注参照)

だから弁護士会は常に裁判の推移を見守る
ついでに言うなら弁護士お得意の≪推定無罪≫

有罪判決が出なければ懲戒処分はできない
有罪になれば弁護士ではないから懲戒などできない
こういう理屈です
裁判が終わるころには世間も忘れてますし・・

フイリッピン逃亡脱税弁護士も懲戒処分はありません
田中森一元弁護士も今服役中ですが懲戒処分はありません
痴漢で捕まった弁護士はたくさんいますが
罰金払って略式起訴の後の懲戒処分です
飲酒運転交通事故の弁護士も刑事処分が終わってからの懲戒処分でした(業務停止4月)

過去、横浜弁護士会の弁護士が覚せい剤所持で逮捕され現在は弁護士を辞めていますが
懲戒処分はありませんでした

懲戒請求というのは懲戒請求人が必要になります
今回は弁護士会が懲戒請求人となったのです

そしてすばやい対応と審査
綱紀委員会は普通月に1回の開催です
早いものでも半年や1年はかかります
今回は9月の事件で12月に綱紀審査を終えた
ほんと素晴らしい!

裁判が始まる前に懲戒処分が出たことは過去ありません

ほんとうに、真摯に事件と向き合っている真面目な弁護士会です

どこかの弁護士会も見習ってほしいな~

懲戒委員会の決定があと残りますが、それでも綱紀調査が終わるというのは
すごいスピードです
良い前例を作っていただきました
今後、札幌のようにと言えます・・・
ありがとうございました

長いことブログやってますが弁護士会ほめたの初めてやわ!

札幌弁護士会のみなさん。御苦労さまでした

(注)奈良弁護士会の河辺幸雄元弁護士について逮捕後、除名処分
   2002年8月があります。横領金額が巨額でたくさんの被害者が出た事件
   奈良弁護士会が同じような事件での懲戒処分(戒告)が遅かったため
   それを知っていたら河辺弁護士には依頼しなかった
   被害者が増えたと被害者は奈良弁護士会を訴えた
   この訴訟で奈良弁護士会の弁護士は弁護士会を訴えることはできないと
   被害者に冷たい態度、第1審は弁護士会に対する損害賠償は認めなかった