弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2011年2月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・和歌山県弁護士会・楠見宗弘弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・預り金流用

元和歌山県弁護士会長

懲 戒 処 分 の 公 告

 和歌山県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。          記

1 処分を受けた弁護士氏名 楠見宗弘

登録番号 15178

事務所 和歌山市五番丁10  楠見宗弘法律事務所  

2 懲戒の種別  業務停止5月

3 処分の理由の要旨

1)  被懲戒者はAから懲戒請求者Aから和解のために預かった100万円を和解を成立させないまま預かってわずか1日で預かり口座から払い戻し自己の債の返済のために流用して費消しAが請求しても返還しなかった。

(2)  被懲戒者は懲戒請求者Bから事件処理を適切に行わないとして弁護士費用や鑑定費用の返還を求める紛議調停を申し立てられ2010210150万円をBに返還する調停が成立したにも関わらずこれを履行せず全く返還しなかった。

(3)被懲戒者の上記各行為のうち(1)は弁護士職務基本規定38条に違反し(2)は弁護士と弁護士会に対する信頼を害するものでありいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する

4 処分の効力を生じた年月日 2010年11月22日 2011年2月1日   日本弁護士連合会

 

弁護士職務基本規定 (預り金の保管)第三十八条

弁護士は、事件に関して依頼者、相手方その他利害関係人から金員を預かったときは、自己の金員と区別し、預り金であることを明確にする方法で保管し、その状況を記録しなければならない