西日本新聞 10月10日 朝刊
福岡県弁護士会所属元弁護士
依頼事件を多数放置
福岡市の50代の男性が、福岡県弁護士会に所属していた80代の男性元弁護士に自己破産手続きを依頼し、約70万円の費用を支払ったにもかかわらず、約2年半、放置されていることが9日、男性などへの取材で分かった。元弁護士は昨年、別の業務放置が発覚し、弁護士会から戒告の懲戒処分を受けて引退、引き継ぎを受けたとされる同じ事務所の若手男性弁護士も手続きをしていないという。複数の関係者によると、元弁護士に依頼された多数の案件が放置された状態という。
依頼者の男性は多重債務を抱え、2005年に元弁護士の事務所を妻と訪問。夫婦で自己破産の手続きを頼んだ。対応した男性事務員は「弁護士費用73万円を払えば手続きを始める」と説明したという。
支払いを終えた09年12月、元弁護士と面会し「(費用を)完納したので裁判所で自己破産手続きをします」と告げられ、事務員が「3カ月ほどで手続きが終わる」と説明。この後、元弁護士から「高齢のため業務を終了する。同じ事務所の弁護士が業務を引き継ぐ」との文書が送られてきたため、同封されていた若手弁護士への委任状に押印して返送した。
夫婦は3カ月おきぐらいに手続きの進み具合を尋ねていたが、全て事務員が応対。「書類に不備があった」「手直ししないといけない」などと繰り返し、現在も手続きは行われていないという。
元弁護士は昨年1月、住宅ローンの返済が困難になった別の依頼者からの相談を事務員に任せきりにして放置した、との理由で、弁護士会から戒告処分を受けた後、弁護士登録を抹消した。
男性の元には今年9月、業務を引き継いだとされる若手弁護士の代理人弁護士から「弁護士間で十分な引き継ぎがなされておらず、複数の案件が処理されていない。確認のため連絡を取りたい」との文書が届いた。男性が代理人と面会したところ「未処理の案件が多数あり、資料を整理している状況」などと説明されたという。
元弁護士は裁判官出身で、福岡高裁の総括判事などを経て1997年に弁護士登録。取材に対し、元弁護士の長男は「現在、重病のため入院している。本人からは、受任していた業務は全て若手弁護士に丁寧に引き継いだ、と聞いている」と説明。一方、若手弁護士は「十分な説明も受けずに多量の業務を引き継ぐよう言われ困惑している」と話した。
自己破産の依頼を2年半放置された男性は「借金苦から逃れたいと考え、必死に弁護士費用を捻出した。このままでは、生活設計が立てられない」と憤る。福岡県では、預かり金をだまし取るなど弁護士の不祥事が相次いでおり、他の弁護士から「再発防止に取り組んでいる最中なのに」と嘆く声が聞かれる。
男性が元弁護士の事務所を最初に訪れたのは7年前だが、元弁護士との面会は費用を払い終えた2009年末の1度だけ。それ以外は全て事務員が対応し「費用は振り込みでなく、郵便書留で支払ってほしい」と言われたこともあったという。
男性と妻は今年2月、引き継ぎを受けたとされる若手弁護士に説明を求める文書を郵送。弁護士から「会って説明をしたい」と電話がかかってきたが、事務所で説明したのはやはり事務員だったという。
福岡市のある弁護士は「費用は口座振り込みが一般的。書留で払ってほしいという理由が分からないし、ほとんど事務員が対応したというのも不適切だ」といぶかる。
男性の債権者との折衝は相談を始めた7年前から弁護士が当たることになっており、男性は「借金の利息などがどうなっているのかも分からず不安だ。支払った弁護士費用だけでも返してほしい」と求める。これに対し、若手弁護士は「私は費用を受け取っていないし、一部の帳簿もなくなっている。無理に引き継がされた案件が多すぎて引き受けられない」と話す。
同県内では昨年3月以降、依頼者からの預かり金を着服したとして3人の弁護士が資格を失った。1人は約4億6900万円を詐取、横領したとして福岡地裁で公判中。
依頼者の男性は多重債務を抱え、2005年に元弁護士の事務所を妻と訪問。夫婦で自己破産の手続きを頼んだ。対応した男性事務員は「弁護士費用73万円を払えば手続きを始める」と説明したという。
支払いを終えた09年12月、元弁護士と面会し「(費用を)完納したので裁判所で自己破産手続きをします」と告げられ、事務員が「3カ月ほどで手続きが終わる」と説明。この後、元弁護士から「高齢のため業務を終了する。同じ事務所の弁護士が業務を引き継ぐ」との文書が送られてきたため、同封されていた若手弁護士への委任状に押印して返送した。
夫婦は3カ月おきぐらいに手続きの進み具合を尋ねていたが、全て事務員が応対。「書類に不備があった」「手直ししないといけない」などと繰り返し、現在も手続きは行われていないという。
元弁護士は昨年1月、住宅ローンの返済が困難になった別の依頼者からの相談を事務員に任せきりにして放置した、との理由で、弁護士会から戒告処分を受けた後、弁護士登録を抹消した。
男性の元には今年9月、業務を引き継いだとされる若手弁護士の代理人弁護士から「弁護士間で十分な引き継ぎがなされておらず、複数の案件が処理されていない。確認のため連絡を取りたい」との文書が届いた。男性が代理人と面会したところ「未処理の案件が多数あり、資料を整理している状況」などと説明されたという。
元弁護士は裁判官出身で、福岡高裁の総括判事などを経て1997年に弁護士登録。取材に対し、元弁護士の長男は「現在、重病のため入院している。本人からは、受任していた業務は全て若手弁護士に丁寧に引き継いだ、と聞いている」と説明。一方、若手弁護士は「十分な説明も受けずに多量の業務を引き継ぐよう言われ困惑している」と話した。
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依頼男性「費用返して」自己破産の依頼を2年半放置された男性は「借金苦から逃れたいと考え、必死に弁護士費用を捻出した。このままでは、生活設計が立てられない」と憤る。福岡県では、預かり金をだまし取るなど弁護士の不祥事が相次いでおり、他の弁護士から「再発防止に取り組んでいる最中なのに」と嘆く声が聞かれる。
男性が元弁護士の事務所を最初に訪れたのは7年前だが、元弁護士との面会は費用を払い終えた2009年末の1度だけ。それ以外は全て事務員が対応し「費用は振り込みでなく、郵便書留で支払ってほしい」と言われたこともあったという。
男性と妻は今年2月、引き継ぎを受けたとされる若手弁護士に説明を求める文書を郵送。弁護士から「会って説明をしたい」と電話がかかってきたが、事務所で説明したのはやはり事務員だったという。
福岡市のある弁護士は「費用は口座振り込みが一般的。書留で払ってほしいという理由が分からないし、ほとんど事務員が対応したというのも不適切だ」といぶかる。
男性の債権者との折衝は相談を始めた7年前から弁護士が当たることになっており、男性は「借金の利息などがどうなっているのかも分からず不安だ。支払った弁護士費用だけでも返してほしい」と求める。これに対し、若手弁護士は「私は費用を受け取っていないし、一部の帳簿もなくなっている。無理に引き継がされた案件が多すぎて引き受けられない」と話す。
同県内では昨年3月以降、依頼者からの預かり金を着服したとして3人の弁護士が資格を失った。1人は約4億6900万円を詐取、横領したとして福岡地裁で公判中。
また、元弁護士の事件です。そしてまた福岡県弁護士会の弁護士です。
西日本新聞のスクープ記事です。丁寧に取材をして被害者の声を聞いて
記事にされました。福岡県弁護士会所属の詐欺容疑で公判中の高橋浩文元
弁護士についても西日本新聞社は大きく取り上げています。
さてこの事件については今後の展開について記事にしていきたいと
思います。
弁護士氏名も分かっております。次記事をお待ちください