弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2012年10月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・群馬県弁護士会・松本淳弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・毎日新聞7月24日
群馬弁護士会(石原栄一会長)は23日、会社の整理手続きに絡み不当に高額な弁護士報酬を受け取ったなどとして、松本淳弁護士(48)を、業務停止8カ月の懲戒処分にしたと発表した。
処分理由によると、松本弁護士は08年4月、県内の消費者金融会社の整理手続きを受任したが、着手金を約1億1369万円と見積もり、このうち約4195万円を受け取った。また同社などを相手取った債務整理事件を担当していたにもかかわらず、依頼者の了解を得ずに同社の依頼を受任したとしている。 同会によると、整理手続きを受任したのは高崎市の「上毛ローン上毛興信」(破産手続き中)で、「資産から見積もると報酬は数百万円程度」という。同社の破産管財人が09年12月、同会に懲戒請求を申し立てた。 同会の調査に対し松本弁護士は、受け取った報酬額が過大であることを認めているという。石原栄一会長は「弁護士の信用を失墜させる行為で大変残念。再発防止に向け会内の規律を徹底する」とコメントした。
群馬県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
1 処分を受けた弁護士氏名 松本淳
登録番号 21242
事務所 伊勢崎市日之出町 松本淳法律事務所
2 懲戒の種別 業務停止8月
3 処分の理由の要旨
(1) 被懲戒者は2003年7月頃から2007年8月頃にかけて依頼者5名からA株式会社を相手とする債務整理事件を受任した。しかし被懲戒者はこれらの債務整理事件が継続しているにもかかわらず、これらの依頼者の同意を得ずに2008年4月25日A社との間で委任契約を締結しA社の会社再建または債務整理事件を受任した。
(2) 被懲戒者は上記委任契約においてA社から受任した経済的利益を合理的な根拠なく55億円と見積もる等してその着手金を1億1369万円と定め同年5月9日から同年8月22日までの間に着手金として合計4195万7760円を取得した。
(3) 被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規定第27条第3号に上記(2)の行為は同24条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。