お元気ですか。お手紙ありがとうございます
今年のGW後も肌寒く京都でも朝晩は暖房を入れています。
 
さて、弁護士が懲戒を出されて登録換えができるか?いわゆる懲戒逃げの問題です。返事が遅くなって申し訳ございません
日弁連の「弁護士懲戒手続の研究と実務」という本があります。
懲戒処分が出されていて登録換えができるかということについて触れらえています。
「対象弁護士」
登録換えをするには法第10条により所属弁護士会に届け出て、その受付された旨を証する書面を得、新たに入会しょうとする弁護士会を経て日弁連に登録換えを請求しこれが認められたことを要する
所属弁護士会に対する右の届出は登録換えが日弁連に認められることを停止条件とする条件付き退会届であるから登録換えの請求手続き中といえどもその弁護士は従来の所属弁護士会に所属していることになる。
したがって登録換えの請求後、登録換えが認められるまでの間は従来の所属弁護士会の懲戒手続きにおいてその弁護士は対象弁護士となる。
懲戒請求後、綱紀委員会の調査手続き前に登録換えが認められると弁護士は旧所属弁護士会との関係で対象弁護士としての適格性を失い「懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする」との議決がなされることになる。
③調査開始に伴う登録換え等の制限
事案が懲戒の手続きに付されることにより対象弁護士は手続きが結了するまでは登録換えまたは登録取り消しの請求をすることができなくなる。
「懲戒の手続きに付された」と手続きが結了する意味が明らかにされなければならない。
イ 「懲戒の手続きに付された」の意味
綱紀委員会の手続きに付されたときをいうのか(非限定説)懲戒委員会の手続きに付されたときをいうのか(限定説)の考え方が分かれていたが平成1169日付で日弁連会長から各弁護士会会長宛てに通知した。
「弁護士会は所属の弁護士または弁護士法人について懲戒の事由があると思料されるとき又は懲戒請求があったときは懲戒の手続きに付し綱紀委員会に事案の調査をさせなければならない」と限定され綱紀委員会に事案の調査をされることをもって「懲戒手続きに付された」ときであることが事実上あきらかとなった。より具体的には「懲戒の手続きに付された」とは弁護士会の会長が綱紀委員会に事案の調査を命じる旨の決裁をしたと解される
 
これは懲戒請求者が弁護士会に懲戒請求を出し弁護士会長名で綱紀委員会に懲戒の調査を求めたときに弁護士は他の弁護士会に登録換えはできないと解されるのです
 
あなたの場合、懲戒請求が先かそれとも懲戒が出そうだから先に登録換えをしたのかどちらが早いかになります。
しかし、あなたの場合、懲戒請求を登録換えした長崎県弁護士会が受けたので懲戒請求者に不利益はなかったとも解されます。そして重要なことは懲戒請求者には懲戒を求める権利を有していないことにあります。弁護士自治で懲戒請求者はこのような非行があったと通知することはできますが処分しろとかの権利は有していないことになります。
 
また、懲戒を出されて弁護士が登録換えも退会もできないとなるのかについてたとえば懲戒請求者が悪意や処分にまで至らないことが明らかな内容であった場合に登録換えが止められるのか、綱紀委員会の議決まで1年くらいはかかります。そこまで待てと言えるかこれは弁護士会の判断でないかと思います。
懲戒に付されるとは懲戒委員会に審議を求める、つまり綱紀委員会で懲戒相当との議決があった時懲戒の手続きに付されたとは綱紀委員会に調査を出したときということです。
 
岩手で弁護士がエスカレーターで女性のスカートの下を盗撮するという事件が」ありました。弁護士はすぐに岩手から仙台に登録換えしましたが岩手県弁護士会は業務停止6月の処分を出しています。
第一東京の弁護士が児童買春して逮捕されるという事件がありました。逮捕時点では第一東京でしたが新聞発表では静岡になっていました、懲戒逃げといってもいいでしょう。
ある方が静岡に懲戒を出して業務停止3月を静岡県弁護士会が出しています。
青森県で懲戒請求を出された弁護士が勤務先の法律事務所を辞めたということが現在あります。情報では東京方面に新しい勤務先を探しているとの情報もありますが所属は青森で連絡先は個人の家です。電話もありません。ひょっとすると所属弁護士会が登録換えを止めているのではないかという噂もあります
懲戒逃げで逃げおおせた弁護士はいないということです。弁護士に非行があれば追っかけて懲戒請求を出せばいいということでしょう
 
元日弁連の会長が亡くなりました。
住専の社長に就任していた時に不正行為があったと懲戒請求が出されていました。元会長は退会届を出しましたが所属の大阪弁護士会は退会を預かりとしました。この後、バタバタとみっともないことがあったのですが退会を出して懲戒逃れということはありませんでした。
 
確かにあなたの国選弁護人は懲戒逃れのように所属弁護士会を変更しました。このような弁護士なんでしょう。だからあなたの裁判の弁護も怠慢なものだったと思います。
 
 
返事遅くなりましてすみません。
岡山に行くことが多くなりました。
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                     京都より