イメージ 1
連休いかがお過ごしですか、連休は弁護士のネタはありませんので裁判傍聴日記をお届けします。少し長くなりますがご辛抱ください
[偽装結婚裁判で出てきた有名坊主のDVと重婚]「京都地裁」
今年6月に京都祇園の中国系クラブが摘発を受けました。クラブの中国人ホステスが日本人と偽装結婚をして滞在許可を不正に取得していたというもの、逮捕され公正証書原本不実記載・同行使の容疑、相手の男性は京都の自衛隊員(53歳)男性も逮捕され同じ容疑に詐欺も加わった。自衛隊に結婚したという申請をしたので家族手当をもらったことが詐欺にあたるという容疑。中国人ホステスには懲役2年の求刑、男性も2年の求刑だった。争うこともなく判決は求刑通りで二人に執行猶予が付き、中国人ホステスは9月に強制送還となった。3回の裁判、罪状認否、被告人質問、求刑、判決すべて傍聴しました。あっと驚く内容がありました。新聞には掲載されなかった事実
①不思議な警察の対応
歓楽街を主管するのは地元の警察署です。とくに風俗営業法違反や入管法違反や外国人の不法滞在に関して地元の警察署の縄張りです。京都一番の歓楽街祇園は東山署です。ところが今回祇園のクラブの摘発は京都府下南部のJ署、歌舞伎町の摘発に府中の警察が出てきたようなものだ。そしてクラブの摘発ならクラブの従業員全員の調査、取調べがあるのが普通なのだがJ署は1人だけめがけてきた。
② 裁判で出てきた有名坊主のDV
中国人ホステスが偽装結婚に走った理由が裁判で明らかになった。
中国瀋陽の地方都市で生まれたA子は20歳の時に仏教系大学の留学生として来日した。約10年前その大学に講師として来ていたのがとなりの滋賀県の超有名寺院、西国三十×番札所の住職のOだった。当時Oは36歳前後、すぐにA子を見初め結婚を前提としてき合うこととなった。当時A子は処女であった(本人談)O住職はA子を自分の寺の従業員として登録し在留許可を申請した。天台宗の高僧でもあり地元でも名士の坊主ということで入管もすぐに許可を出した。O住職は結婚しており3人の子どもがいた。A子の愛人生活が始まった。O住職が京都に来るのは天台宗の会議などで月に1回か2回のみ、またO住職の寺は滋賀県の山の頂上にあり車も八合目くらいまでで後は階段を20分ほど上らなくてはならない修行の山寺。O住職も回峰行という深夜に山を歩く荒行をしたとプロフイールに書いてある。また地元関西を中心に講演活動などをして[仏の慈悲]を説いておられます。
③中国瀋陽で結婚式・披露宴を挙げたO住職
結婚を前提に中国人留学生と付き合ったO住職、いつしかA子から結婚をせがまれます。O住職は単身中国に行き結婚式。披露宴を挙げます。当然、妻子もあることですら1人です。中国では僧侶と結婚することはほとんどありません。なぜなら文革で寺というもの宗教というものが禁止され、復活した一部の宗教では戒律も厳しく妻帯することはありません。一般大衆も僧侶と結婚することは誰も信じないでしょう。O住職は携帯電話会社の社長という触れ込みで彼女の親や親戚に挨拶をします。中国の彼女の親や親戚は大変喜んだそうです。
④ 帰国後、妻子がいることがバレてDVが始まる
中国で結婚式を挙げ帰国後、入籍もしてくれない。そしてO住職に妻子がいること
がA子にわかってしました。O住職は妻子と分かれると離婚届けを持参しました。
彼女は信じていましたがいつになっても離婚も入籍もありません。僧侶には僧名という
名前が本名以外にあります。離婚届けには僧名が書かれてあり本気で役所に提出するつもりなどなかったようです。この頃からO住職がA子に対しての暴力が始まりました。夜、O住職は彼女のマンションに行き殴る蹴るの暴力を行ないました。ところが次の日になると土下座をしてA子に謝ります。A子は顔を殴られて店に出れない日もあった。またO住職が買い与えた携帯電話にGPS機能を付けマンションを1歩でも出ると携帯電話やメールをして今どこにいるのかとA子の行動を監視していたようです。偽装結婚裁判で語った検察側、弁護側の質問でA子は首を絞められた、包丁を突きつけられたと証言しています。A子はついに家出を決意します。このままでは殺されるかもしれない。しかし在留資格書類はO住職が持っている。このままでは不法滞在になってしまう。彼女が考えたのは店の客で自衛隊員のBさん。独身の彼なら助けてくれるのではと考え結婚届を京都市南区の区役所に提出した。公正証書原本不実記載・同行使で二人は逮捕されました。自衛隊員は懲戒免職となり退職金もパーになりやっと罪の大きさを知ります。A子は約3月間拘置所に入れられ保釈なしで最後は入管の施設に入れられ強制送還となりました。
なおこの事件は10月の初めに週刊新潮に掲載されO住職の中国での華やかな披露宴の写真がでかでかとグラビアで紹介されています。)新潮の記者の質問にO住職は[重婚はむこうに彼女のおばあさんがいる。喜ばせたくてセレモニーはした。DVは子ども相手でも”なんでわからんのや”という時は手をあげにゃいけませんわ][いい勉強ができた今後は宗教活動に専念していきたいです]と語った。
新聞に数行しか載らない裁判の記事
偽装結婚の裁判の中でこのような事が語られていたとは驚きです。
検察も彼女には同情的でした
裁判の裏にはいろんなドラマがあるんですね、勉強になります。