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横領容疑で逮捕され実刑判決が出た弁護士に業務停止1月の懲戒処分を出した東京弁護士会
 
(201379日)
成年後見人制度悪用し横領・弁護士に実刑
成年後見人として管理していた預金1270万円を着服したとして、業務上横領などの罪に問われた東京弁護士会所属の弁護士関康郎被告(52)の判決が9日、東京地裁であり、鹿野伸二裁判長は懲役2年6月(求刑懲役4年)を言い渡した。
以上新聞報道
2013年 1月24日 逮捕
2013年 7月9日  有罪判決
2013年10月9日  業務停止1月発行
               
 
(弁護士の懲戒処分専門のブログです)  
弁護士が刑事事件で逮捕され有罪判決が出れば弁護士資格が無くなります。
また、逮捕された弁護士に懲戒請求が出されていた場合には審査が止まります。有罪判決が出れば弁護士資格はく奪になりますから懲戒審査してもしょうがないのです。よく横領事件で逮捕されて所属の弁護士会が所属弁護士逮捕にあたってのコメントを出します。その中で除名を含む厳しい懲戒処分を出しますとコメントします。しかし実際に懲戒処分を受けた弁護士はほとんどいません。
なぜなら逮捕されたら一旦懲戒の審議はしないと決められています。そして有罪判決が出てまた審議を開始しても弁護士資格が無くなる方が早いので実際に懲戒処分を受けた弁護士が少ないのです。(控訴しない場合)
 
今回の関康郎弁護士は後見人制度を悪用してお年寄りから約1200万円を騙しとったのです。そして懲役26月の実刑判決を受けました。まともな弁護士ならここで自ら弁護士登録を抹消するのです。弁護士会も自分から登録を抹消するだろうと思っていました。最後の武士の情けで処分出される前に自分から辞めろです。ところが、関康郎弁護士は判決を不服として控訴しました。横領した1200万円を弁済したから実刑は厳しい執行猶予をくれということです。
 
弁護士を辞めて反省して執行猶予を求めるというのではありません。弁護士はまだやります。盗った金は返した、だから執行猶予にしてくれということです。
控訴した場合には弁護士会は推定無罪の論理で弁護士を辞めろとは言えません。有罪判決が確定するまで弁護士です。関先生まだ弁護士をやるのということで本日も実刑判決が確定していないからとまだ現役の弁護士なのです。それならばと東京弁護士会は事件放置で業務停止1月を出したのです。本来この懲戒処分は不要だったはず。
まともな弁護士なら逮捕された時点で弁護士辞めます。
 
弁護士の横領事件の過去の判例を見てみると、横領金額1000万円程度で弁済をすれば執行猶予が付きます。(福岡・愛知・大阪)
しかし弁護士は辞めています。
関康郎弁護士だけが実刑です。弁護士を辞めてないからです。(たぶん)
 
過去、大阪の弁護士が脱税で外国に高飛びし、怖い人が追いかけてきて自分から逮捕された事件がありました。1審有罪(実刑)控訴審有罪、そして弁護士は無罪だと最高裁まで頑張りました。その間弁護士でした。大阪弁護士会は最高裁判決の前にどこまでねばるんだ!ええかげんにせい!と除名処分を出しました。
 
関康郎弁護士は執行猶予が出るまで頑張るのだと思います。
52歳ですから何とか執行猶予3年から4年取れれば満期で56歳前後、まだまだ稼げます。そのころは世間も忘れてますから密かに復帰しても大丈夫という魂胆、弁護士会も仲間の弁護士に除名は出さないでしょう。執行猶予判決が出てその期間は弁護士資格が抹消になりますが執行猶予が明ければまた弁護士をやるつもりなのでしょう。そのことは東弁も知っているから今後処分は何もしないのではないでしょうか。退会命令ならまだ戻れます(弁護士2名の保証人必要)除名処分は復帰は厳しいでしょう。
 
関康郎弁護士、さて望み通りの執行猶予が控訴審で取れるでしょうか
今日も一応現役の弁護士さんです
 
それでは今回の懲戒処分の要旨です。
いつもの自由と正義ではなく東弁会報のリブラで掲載された懲戒処分の要旨です。 
 お馴染みの事件放置です。
 
懲戒処分の公表
本会は下記会員に対して弁護士法第57条に定める懲戒処分をしたのでお知らせします。
被懲戒者    関康郎(登録番号23497
登録上の事務所 東京都千代田区麹町
        麹町法律会計事務所
懲戒の種類   業務停止1
効力の生じた日 2013109
懲戒理由の要旨
被懲戒者は平成22326日頃、懲戒請求者から損害賠償請求事件及び不当利得返還請求事件を依頼され、これらの事件を受任したにもかかわらず損害賠償請求事件につき何らの着手もしなかった。また不当利得返還請求事件については平成23324日以後、懲戒請求者に対し何等の報告、連絡をしなかった。そのため懲戒請求者は1年以上にわたって裁判の進捗状況がわからなかったので、自ら調査したところ被懲戒者は本人尋問、証人尋問を請求しながら、本人、証人に日程の連絡をせず、不出頭扱いとされ被懲戒者も尋問期日に不出頭であったため不当利得返還請求事件が平成24628日に判決予定であることが判明した。
被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規定第35条「速やかな事件の処理」及び弁護士職務基本規定第36条「事件処理の報告及び依頼者との協議による事件処理」に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
20111016
東京弁護士会長   菊池裕太郎