弁護士の懲戒処分を公開しています
20141月「日弁連広報誌・自由と正義」に掲載された弁護士の懲戒処分の要旨・東京弁護士会・関康郎弁護士の懲戒処分の要旨
少し長くなりますがご辛抱ください、この弁護士の懲戒処分が今の弁護士業界の縮図です。
 
今回、処分を受けた関康郎弁護士は昨年、後見人制度を悪用して横領事件を起こし逮捕されて有罪判決を受けています。
 成年後見人制度悪用し横領・弁護士に実刑
20137
成年後見人として管理していた預金1270万円を着服したとして、業務上横領などの罪に問われた東京弁護士会所属の弁護士関康郎被告(52)の判決が9日、東京地裁であり、鹿野伸二裁判長は懲役2年6月(求刑懲役4年)を言い渡した。
 
関康郎弁護士に実刑判決が言い渡されたのが20137月です。
普通の弁護士はここで弁護士登録を抹消するのですが、関康郎弁護士は量刑不当だと控訴しました。 そして保釈されました。
109日に出されたのが今回の業務停止1月の懲戒処分
関 康郎 23497 東京 業務停止1月 処分日109
 
実刑判決を受けたらなら登録抹消です。こんなムダな懲戒処分はいらないのですが控訴して保釈となってまだ弁護士やるのかそれならと東弁は業務停止1月を出しました。  
なぜ関弁護士は量刑不当だと控訴したのでしょうか
横領弁護士には弁済したら執行猶予判決、弁済しなかったら実刑と相場があったからです
 
『横領事件等・執行猶予が付いた例』弁済あり
(弁護士会ではなく仲間や事務所が弁済したと思われる)
① 家木祥文(大阪)成年後見人・横領1900万円・懲役3年執行猶予5年 
② 中川 真 (静岡)成年後見人・横領1460万円・懲役3年執行猶予4
③ 徳田恒光(香川)成年後見人・横領420万円・懲役2年執行猶予5
④ 廣嶋聡(愛知)成年後見人・横領1500万円・懲役3年執行猶予5
⑤ 渡辺和也(福岡)相続財産・横領1900万円・懲役3年執行猶予5
 
『横領事件・実刑判決・弁済ナシ』
① 渡邉栄子(岩手) 詐欺・横領5400万円 懲役4
② 福川律美(岡山) 詐欺・横領9億円   懲役14年 
③ 松原 厚(東京)成年後見人・横領4200万円 懲役5年 
④ 島内正人(福岡)詐欺・横領・横領2600万円 懲役5
⑤ 高橋浩文(福岡)詐欺・横領・横領47000万円 懲役14年 
⑥ 谷口玲爾(広島)詐欺・横領・横領2億円  懲役5年 
 
関康郎弁護士は1270万円と弁護士の横領事件では横領額は少なく?弁済もしています。
『なんでワシだけ実刑やねん!』と思ったのでしょうね。
 
そして東弁は次の懲戒処分を出します。
無資格NPOと提携し債務整理、弁護士懲戒処分
 借金返済のアドバイスを行うNPO法人から700件もの債務整理のあっせんを受けたとして、東京弁護士会は4日、同会所属の山下基之弁護士(55)を業務停止10か月の懲戒処分にした。 この山下基之弁護士と関康郎弁護士は同じ事務所です。二人だけの事務所でした
麹町法律会計事務所所属弁護士二人の事務所で一人は横領で1審実刑判決でもう一人は業務停止10月です。
 東京弁護士会 山下基之 登録番号20283 麹町法律会計事務所
業務停止   業務停止2013124日~2014103
 
そして関康郎弁護士も麹町法律会計事務所から独立いたしましました。
 東京弁護士会 関康郎 登録番号 23497 大森駅前法律事務所
東京都大田区南馬込6 梅の木荘102号室
現在、関康郎弁護士の業務停止は終わりましたので日弁連弁護士検索では何も記載がありません。関先生は現在大田区の『梅の木荘』という高級マンションの1室で法律事務所を開設いたしました。麹町法律会計事務所は今年の10月まで業務ができる弁護士がいません。
東京弁護士会は派閥単位で運営されています。期成会という派閥に康郎関弁護士と山下弁護士は所属しています。期成会の仲間たちは山下弁護士に対する懲戒処分は不当だと異議申立てをしています。
この先、関康郎先生の二審の裁判が始まるのですがなるべく長くやることでしょう。その間は弁護士として稼げます。裁判中は推定無罪ですので東弁も退会命令や除名など出しません。めでたく執行猶予が付きましてもその期間はお休みになります。まだ若い関先生ですので何とか3年くらいの執行猶予にならないかなということでしょうがどうでしょう。
関先生にとって無罪を勝ち取ることがベストのですが・・・
(懲戒処分は麹町法律会計法律事務所の時です) 
懲 戒 処 分 の 公 告
東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士
氏 名          関 康郎
登録番号         23497
事務所          東京都千代田区麹町4
             麹町法律会計事務所
2 処分の内容       業務停止1月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は2010328日頃、懲戒請求者から懲戒請求者を被告とする不当利得返還請求事件を受任したが2011324日以降懲戒請求者に対し上記事件について何ら報告及び連絡をしなかった。
(2)被懲戒者は2010328日頃懲戒請求者及びA社を原告とする慰謝料請求事件を受任したにもかかわらず着手しなかった。
(3)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規定第36条に上記(2)の行為は同規定第35条に違反し上記各行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日
 2013109
20141月1日   日本弁護士連合会
2014年3月6日 官報
登録抹消情報
1月25日 法17条1項 登録抹消 関康郎 (東京)