弁護士の懲戒処分を公開しています
「日弁連広報誌・自由と正義」20151月号に掲載された弁護士の懲戒処分の要旨、第二東京弁護士会・藤勝辰博弁護士の懲戒処分の要旨
201395
第二東京弁護士会綱紀委員会 事前公表・

 

 

弁護士が預かり金1億5千万円着服 第二東京弁護士会
2013.9.5 19:37
 依頼者からの預かり金計1億5千万円を着服したとして、第二東京弁護士会は5日、同会所属の藤勝辰博弁護士(55)を懲戒処分する方針を明らかにした。 同会によると藤勝弁護士は平成23年3月ごろ、東京都内の会社社長の妻から離婚事件を受任。妻は離婚後の生活費の確保などを目的に同7月~24年2月、夫の会社の口座から計1億5千万円を藤勝弁護士の口座に入金したが、藤勝弁護士はほぼ全額を流用したとしている。 同会の調査に対し、藤勝弁護士は「事務所経費の支払いや投資費用に充てた」と着服の事実を認めている。「保有する海外金融商品の解約を進めており、間もなく返済できる」とも話しているが、商品の保有はこれまでの調査で確認されていないという。藤勝弁護士が預かり金の返還に応じなかったことから、会社社長が8月、同会の市民相談窓口に連絡。同会の調査で着服が発覚した。
 弁護士が依頼者の預かり金を着服する事件が相次いだことに伴い、同会は今年5月、被害拡大の恐れがある事案では懲戒処分の結論が出る前に事前公表を行うとする新たな会規を制定。今回初めて適用した。
 問い合わせは同会市民相談窓口(電)03・3581・22××

 

懲 戒 処 分 の 公 告

 

第二東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 処分を受けた弁護士氏名 藤勝辰博 登録番号 20613 事務所  東京都新宿区西新宿3
 こころね法律事務所
2 処分の内容     除 名
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、Aから離婚等請求事件を受任するにあたり、事件の見通し、処理の方法ならびに弁護士報酬及び費用について適切な説明をせず、委任契約書を作成しなかった。被懲戒者は夫Bの経営する株式会社Cの取締役を務めるAが将来社の離婚給付及び役員報酬の確保のためにC社の金員をBの承諾を得ずに送金することを認識しながら、201174日から2012228日にかけて10回にわたりA上記金員合計15000万円を被懲戒者の預り金口座に送金させた。被懲戒者は上記預り金口座の他には弁護士業務に用いる口座を設けておらず、報酬金等の自己の金員と預り金とを区別して保管しなかった。被懲戒者は上記金員を自己の用途に費消し、その後、C社から返還を求められても返還しなかった。
(2)被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規定第14条、第29条、第30条及び第38条並びに改正前の所属弁護士会の会規に違反し弁護士法56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
被懲戒者の費消した金額は多額であること被懲戒者は20147月に共同受任した弁護士への報酬分配金を理由なく保持したとして業務停止2月の懲戒処分を受けていること等考慮し、除名を選択する。
4 処分が効力を生じた年月日 20141028201511日  日本弁護士連合会