接見交通権:「画像撮影は含まれず」地裁小倉支部判決
毎日新聞 2015年02月26日 19時47分

 福岡拘置所小倉拘置支所(北九州市小倉北区)で接見中に撮影した被告の画像を支所側の要請で消去させられたのは接見交通権の侵害に当たるとして、福岡県の田辺匡彦(まさひこ)弁護士(61)が国に330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁小倉支部は26日、請求を棄却した。田辺弁護士は控訴する方針。

 野々垣隆樹裁判長は「撮影は接見交通権に含まれず、面会室での撮影禁止が弁護活動を不当に制約するとまでは言えない」と述べた。
 判決によると、田辺弁護士は2012年2月、被告に「支所職員から暴行を受けた。証拠に残してほしい」と言われ、携帯電話のカメラ機能で被告の顔を撮影したが、支所職員に消去を求められ、その場で画像を消去した。
 田辺弁護士は判決後「撮影に伴う拘置所側の弊害すら示しておらず、極めて不当な判決」と話した。法務省は「国の主張が認められたと理解している」としている。
 接見時の写真撮影の適否を巡る判決は昨年11月の東京地裁に続き全国2例目。東京地裁は「被告らを撮影して記録することは必要不可欠とまでは言い難い」と判断した一方、途中で面会を中止させた行為は接見交通権の侵害に当たるとして国に10万円の賠償を命じた。
昨年11月の東京地裁の判決時の報道
<東京地裁>被告と接見中止は違法 拘置所内の撮影は認めず
毎日新聞 117()2137分配信
 拘置所内で被告を撮影したことを理由に接見を中止させられたのは違法として、東京弁護士会の竹内明美弁護士が国に1000万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は7日、国に10万円の支払いを命じた。「裁判の証拠に使う目的での被告の撮影は認められていない」と主張の大筋を退けた一方で、接見を中止させた点は理由がなく違法と認めた。
 竹内弁護士は2012年、東京拘置所で被告と接見。カメラの持ち込みは禁止されていたが、被告が体調不良で、勾留取り消しなどの証拠として保全する必要があるとして写真撮影した。撮影に気付いた拘置所職員から消去を求められたが、応じなかったところ接見は打ち切られた。 刑事訴訟法は、容疑者や被告が立ち会いなしで弁護士と面会できる接見交通権を保障しており、撮影が接見に含まれるかが最大の争点となった。沢野芳夫裁判長は「被告らの状態を撮影して正確に記録することは、必要不可欠とまでは言い難い」などと述べた。一方、国側が接見を中止させた理由とした証拠隠滅やプライバシー侵害の恐れなどについては抽象的な危険に過ぎないとし、「接見を中止させることはできない」と指摘した。

 接見時の撮影や録音を巡っては、法務省が07年、カメラや携帯電話の使用を禁じる通達を出し、拘置所側は撮影行為があった場合には懲戒請求を起こすなどしている。これに対して日本弁護士連合会は、反論の意見書や申し入れ書を出すなど反発。今回のように訴訟へ発展するケースもあるという。 判決後、弁護団は「評価のできない部分が多々あり、控訴する」とコメントした。
接見時の撮影は禁止されています。決まっていることは守りましょう。撮影をしたいのなら法務省と話しあうべきではないでしょうか決っている事が気に入らないと撮影をし接見を中止されたら損害賠償だと騒ぐ。左翼系弁護士はこういう方法を取ります。
福岡県の田辺匡彦弁護士も竹内明美弁護士(東京)も懲戒処分
覚悟の行動だと思いますが、福岡県弁護士会も東弁もこの弁護士に対し懲戒請求が出されたという報道はありません。
 
接見時に撮影し懲戒処分された例
1 懲戒を受けた弁護士
氏 名        小 山 哲
登録番号       35165
事務所         大垣市室町2
             弁護士法人ぎふコラボ西濃法律事務所
2 処分の内容         戒 告
3 処分の理由
(1)  被懲戒者は2010615日拘置支所内の弁護人面会室において弁護人として被告人Aと面会した際、拘置支所が刑事等により当該面会室での撮影を禁止していることを知りながら面会室内に持ち込んだデジタルカメラでAの姿を動画撮影した。
(2)  被懲戒者は2010622日拘置支所内の弁護人面会室においてAと面会した際、拘置支所が掲示等により当該面会室での撮影及び電話を禁止していることを知りながら、当初からAAの妻Bとの交通及び交信を行う目的で携帯電話及びビデオカメラを面会室に持ち込んだ上、ABとの間での通話を行わせるとともにABに向けて発言する様子を撮影した。
(3)  被懲戒者は20106月下旬頃、上記(1)及び(2)の行為によって撮影した映像をDVDにコピーし、コピーしたDVDBに郵送した。 
(4)被戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日
  2013年4月1日