依頼人の金487万円横領、元弁護士を書類送検
2015年06月04日 読売新聞
民事事件の依頼人に振り込まれた金を着服したとして刑事告発されていた小林正憲・元弁護士(63)について、栃木県警が業務上横領容疑で宇都宮地検に書類送検していたことが分かった。
送検は5月28日付。
小林元弁護士は2009~12年、宇都宮市の男女2人から消費者金融を相手取った5件の過払い金返還請求訴訟の依頼を受けたが、自身の口座に振り込まれた過払い金約487万円を返還せず着服した疑いがあるとして、13年12月、破産管財人の白井裕己弁護士が業務上横領容疑で宇都宮中央署に刑事告発していた。
小林元弁護士は依頼された民事事件を放置したとして13年6月、県弁護士会から懲戒処分を受けた。同年7月に宇都宮地裁が破産手続きの開始を決定して破産が確定し、その後弁護士資格を失った。
栃木では非行で有名な弁護士でした。
日弁連広報誌「自由と正義」2013年9月号に掲載された弁護士懲戒処分の
公告栃木県弁護士会の小林正憲弁護士の懲戒処分の要旨
3回目の懲戒処分ですが、今年の8月に自己破産を申請して弁護士資格が無くなりました。2009年ごろからどうしたことでしょうか事件放置が相次ぎました。弁護士会はもっと早く対応できたと思いますが多くの被害者が出てようやく対応をはじめました。
懲 戒 処 分 の 公 告
栃木県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士
氏名 小林正憲 登録番号 18773
事務所 宇都宮市桜 小林正憲法律事務所
2 処分の内容 業務停止2月
3 処分の理由
被懲戒者は2006年7月28日、懲戒請求者から借地上の車庫を使えるよう地主と交渉することを依頼されこれを受任し着手金30万円を受領した。しかし被懲戒者は事件処理に着手せず懲戒請求者からの度々の問い合わせの電話にも一切応答せず、6年近くもの長期間、事件処理に着手しないまま放置した。
被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規定第35条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
4 処分の効力を生じた年月日
2013年6月25日
2013年9年1日 日本弁護士連合会
小林氏 弁護士資格失う 依頼放置問題
破産開始決定が確定
(8月21日 朝刊) 下野新聞
依頼された土地トラブルを6年近く放置したとして、県弁護士会(橋本賢二郎会長)から業務停止2カ月の懲戒処分を受けた小林正憲氏(61)に対する破産手続きの開始決定が20日までに確定した。
小林氏は弁護士法に基づき弁護士資格を失った。同会によると、自主的な申し出以外で弁護士資格を失うのは初めて。同会は今後、外部有識者も交えた検証委員会を発足させ、原因究明や再発防止策をまとめる方針。
民事事件を放置された依頼者らが着手金などの返還を求め、債権者として宇都宮地裁に破産手続きの開始を申し立て、地裁が7月19日に小林氏の破産手続き開始を決定。小林氏から異議申し立てがなかったため、8月17日付で確定した。弁護士法で破産者は弁護士の資格を持たないと定められている。
小林氏が弁護士資格を失ったことについて同会の橋本会長は「極めて遺憾であると同時に、非常に重く受け止めている」とコメント。検証委員会は近く、6、7人程度で発足させる。
一方、小林氏の代理人を務める木村謙弁護士は「あらためて小林氏を信頼してくれた依頼者におわびする」と謝罪した。
(7月4日の報道)
依頼放置:被害訴え、さらに40件−−
県弁護士会 /栃木
毎日新聞 2013年07月04日 地方版
依頼人から受けた事案を放置したとして、県弁護士会(橋本賢二郎会長)から業務停止2カ月の懲戒処分を受けた同会所属の小林正憲弁護士(61)について、3日現在、同様の被害を訴える問い合わせが同弁護士会に約40件来ている。 先月の処分後、「手続きが放置されて、時効になってしまった」「債務の弁済のために数百万円を預けたのに、何の音沙汰もない」などの訴えが寄せられているという。同弁護士会は被害者救済チームを作って対応し、放置されていた事案の今後の手続きや預け金などの返還をする方針。預け金や着手金が行方不明になっている件については、依頼者と相談の上、業務上横領容疑などでの刑事告発も検討している。処分以前に相談が寄せられていた約20件についても、相談者に書面で救済方針を伝えているという。
橋本会長は「被害の泣き寝入りを出さないよう、会を挙げて救済に当たりたい」とコメントを出した。
2015年 今年の逮捕者 今年の不届き者