司法試験合格者数「増やせ」「減らせ」 弁護士間で対
 
今後の司法試験の合格者を毎年1500人以上とした政府の方針について、弁護士らの有志団体が3日、近年の水準に照らして「今年は2100人程度を合格させるべきだ」との見解を明らかにした。一方、全国18の弁護士会は「大幅に減らすべきだ」との共同声明を7月末に発表。弁護士の間で意見が分かれている。

司法試験の合格者数は近年、2千~2100人ほどで推移していたが、昨年は1810人。今年は9月に合格発表がある。かつて毎年3千人という目標を掲げていた政府は、法律家の質を維持するために6月、毎年1500人以上という方針を決めた。

これに対し、2100人程度の合格を求めたのは、弁護士有志らでつくる「ロースクールと法曹の未来を創る会」(久保利英明代表理事)で、「国民と社会はより多くの法曹を求めている」と主張。司法試験委員会などに合格者を増やすよう求める要請書を送った。一方、大幅減を求めているのは埼玉や兵庫県などの18弁護士会で、「企業や自治体で法曹の需要があると言われながら顕在化していない」としている。(金子元希)

 
今約36000人の弁護士がいますが、90%は大都会です。毎月40~50人は弁護士を辞めます。高齢になったり死亡したり懲戒処分を受け辞める
からです。年間500人くらいは弁護士を辞めますから1500人ということは1000人程度しか増えないということです。
まったくこの議論は不毛です。仕事を受ける方の側の人間しか物を言わない。言わせていないからです。
消費者である一般の人の声がまったく届いていません。
弁護士の総数を減らすという人たちの意見は自分たちがどうすれば金を稼げるか、無能でも弁護士業界に生き残れるか、競争をしないで金を稼げるかしか考えていません。
仕事がないというのは自分は無能ですと自分で言ってることに気が付かないのでしょう。
仕事が無いなら弁護過誤やってみなさい。明日から行列ができます。
いい弁護士を増やして、無能な弁護士を追放する。
そのためには競争をさせる。
日弁連の独占をやめて第二日弁連を作り互いに切磋琢磨させる。
刑事専門と民事専門で分けるなど分業化、専門化していくというのは
いかがでしょうか
弁護士を増やせといってきたのは自由法曹団だったのですが
 
自由法曹団通信997号
日弁連臨時総会に向けて
愛知支部  尾 関 闘 士 雄
1 議案に賛成すべきである。
1.     司法制度改革審議会では、三〇〇〇名で合意がなされている。同審議会は、国会において、全会派賛成にて、設置されたものであり、いわば国民の声である。
 弁護士制度、法律事務の独占、弁護士自治などは、すべて国民のためのものであり、弁護士のためでも、利益のものではないこと明白である。
 従って、我々弁護士は、国民の声に反対してはならない。
2.     自民党の報告書(確かな一歩)では、フランス並みの法曹人口を明記しており、民主党の司法政策では、先ず早急に年間三〇〇〇人を実現し、さらに、段階的にこれを拡大すると述べられている
フランス並みとは、ほぼ国民一九〇〇人に弁護士一人の割合であり、日本の人口に割り直すと六〇〇〇〇人余である。フランス並が審議会でも国民の間でも、ほぼ合意されると、予測すべきである。
 日本でも、東京では国民一四七七人につき、弁護士一人であり、既にフランスを超えている、大阪では、国民三六二六人につき弁護士一人である。フランス並みは驚くべき数字ではない。
3.     いま、弁護士は、社会生活上の医師である、という表現が盛んである、これは分かりやすい表現である、医師では、最先端の医学水準で高度の医療を行う大病院から、下町の町医者まで存在し、医師はそれぞれ治療活動をしている。
 弁護士も医師と同じように、経済社会の最先端で活動するもの、下町で庶民を相手に町弁で活動するものがあって当然である。
 最近、審議会では、弁護士は経済活動におけるパトナーという言葉を使用している。この表現も、意味が深い。
 経済活動におけるパトナーとは何か。弁護士は十分役割をはたしているか。たとえば現在不動産の証券化が叫ばれSPC法人法、特定不動産共同事業法が制定され、また企業の金融において銀行の貸し渋りの中で間接金融から直接金融への転換が模索され、昨今の商法、証券取引法の改正による社債発行の規制緩和で、中小企業での社債発行が頻繁になろうとしている。また非公開会社の整備の法改正が検討されようとしている。株式会社が公開と非公開に区分され、非公開会社の運営が法に従って行われなれば弁護士の活動が大きく期待される余地は大きいと思う。会社設立、増資についても同じである。経済活動での弁護士の役割は大きいと思える。
4.   不動産登記に関しても、弁護士はもっと関与すべきである。埼玉訴訟(埼玉のある弁護士と埼玉司法書士会との訴訟で、登記についての弁護士の代理権が争われた)が参考となる。たとえば、最近多くなった不動産信託の登記などを見るに、手続きだけでなく、実体法の知識が十分でないと完全な処理と言えない例がある。
 税金の分野にも弁護士はもっと進出すべきである。税金問題は会計ではない。国と国民との間、金銭債務関係であり、法律問題である(課税要件事実と法律効果=税額の関係であり、民事の金銭債務の発生原因と本質的には同じである)。
 税理士は国税庁に監督、管理されており、納税者の立場で税務当局に対抗できるのは弁護士以外にいない。
 法の支配の担い手は、実体法にも手続法にも精通した弁護士であるべきである。
 行政の補助職である司法書士や、税理士に代わって弁護士が活動領域を拡大する、この視点が重要であり、弁護士法七二条問題もこの視点で対応すべきである。
5.     このように、弁護士の活動分野は沢山あり、弁護士の将来は明るい。
 フランスなみ弁護士数におじける(まま)のは誤りである。もっと積極的に発展的に将来を展望すべきである。そして資格さえとれば以後は安楽で豊な生活が保証される考えは捨てるべきである。
 以前には現役で司法試験の(まま)合格しても、経済的な理由で民間会社に就職した例もあった。すべての時代に弁護士が豊であったものではない。
6.     我々は、一〇〇万人署名を国民に訴え多くの賛同を得、署名を頂いた。一〇〇万人署名の内容はすべて弁護士の大幅の増員無くしては、実現できないものである。 ここで、日弁連執行部の提案に反対することは、署名をくれた多くの人々を裏切るものである。
  以上