相手方からの弁護士報酬を取った弁護士に返還請求訴訟
相続事件の相手からも弁護士報酬を差し引いて振り込んだ沖縄の比嘉正憲弁護士に対して不当利得返還請求、慰謝料を求めた裁判。
弁護士報酬を勝手に差し引かれた相続人たちは東京簡裁に訴訟を提起8月20日裁判の予定でしたが前日被告の比嘉正憲元弁護士から移送申立がありました。
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比嘉先生のお元気なお声
◆事件の移送の申立  被告比嘉正憲
本件事案は、被相続人○○の取引銀行が沖縄県宜野湾市に在り被相続人及び相続人らの本籍は沖縄県であり且つ原告を除く関係者も沖縄県宜野湾市に居住し、言わば被告人及び証人となるべき者を始め証拠関係もすべて沖縄県又は沖縄県宜野湾市に存在するという状況であり、事件関係者の衡平、訴訟経済の観点から本件は被告の居住地を管轄する沖縄簡易裁判所で審理するのが至当と考えられるので、同簡易裁判所への本件移送されるよう民事訴訟法第17条に基づき申立てします。
民事訴訟法(遅滞を避ける等のための移送)
第17条
第一審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者及び尋問を受けるべき証人の住所、使用すべき検証物の所在地その他の事情を考慮して、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる
◆ 原告らの移送の申立の却下を求める意見書
意見の趣旨  本件移送申立を却下する、との決定を求める。
意見の理由
はじめに被告は、民事訴訟法17条(当事者間の衡平を図るための必要性)に基づき、本件訴訟を前訴裁判所に移送することを求めている。以下、それらについて意見する。
第1、本案事件は財産上の訴えであり、原告の住所地が義務履行地であることは明白である。同法5条1号により貴庁に本案事件の管轄権があるから、被告の申立は認められるべきでない。
第2、 当事者間の衡平を図るための必要性
被告は証拠関係、証人等が沖縄県内にあるとを主張しているが、これはあくまでも本案事件の発端となった別相続事件の事であり、本案事件の争点たる、被告が主張する「委任契約の存在」を証明するものが存在するのかは、甚だ疑問である。
原告2名は共に有職者であるが、被告は無職である。被告は本年5月28日付で沖縄弁護士会から除名処分を受け、さらには同年7月18日、業務上横領の容疑で逮捕されている。今後、被告が刑事事件の被疑者という立場故、行動に制約が伴うことを理由としても、民事訴訟法によるところの、当事者の負担を軽減させるため、期日における答弁書その他の準備書面の陳述擬制(158条、277条)、電話会議システムの方法による弁論準備手続(170条3項)、書面による受諾和解(264条)、和解に代わる決定(275条の2)等の諸制度が設けられており制度上、一度も貴庁に出頭することなく紛争を解決することもあり得るのであるから、被告の抱える諸事情を斟酌しても、本件事案を貴庁で審理することによって当事者間の衡平が害されるおそれがあるとはいえない。
また本案事件は、複雑な事件とは考えられず、多数回にわたる審理は必要でないと思料される。むしろ、移送することにより衡平が害されるというべきである。よって、本件移送申立は同法17条の要件を欠くから失当である。以上より、被告らの主張には理由がないので、被告の申立ては却下されるべきである。
東京簡易裁判所の判断
                『主文』 本件移送の申立を却下する。
 

 

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