『自力救済』懲戒処分例
弁護士が法的手続きを得ないで行う行為。または容認した行為、それなら弁護士などいらないではないかと思いますが、なお懲戒処分はほぼ戒告しかありません。
【自力救済とは】
自力救済は禁止
処分例 ①  懲戒処分の公告 2015年5月号
1 懲戒を受けた弁護士氏名 中田康一 登録番号 21201
事務所 東京都港区赤坂3   中田総合法律事務所
2 処分の内容 戒告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は2014120日株式会社AからA社が所有し懲戒請求者が占有する建物に関し相談を受け少なくとも上記建物を第三者が占有していることを認識しながら、その入り口の鍵を交換するよう助言した。 4 処分の効力を生じた年月日 2015524
201591日 日本弁護士連合会
 

処分例②  懲戒処分の公告 2008年11月号
1 処分を受けた弁護士 小川正和 登録番号25456 第一東京弁護士会
東京都港区西新橋3   小川総合法律事務所
懲戒処分の種別  戒告
要旨
被懲戒者は2005年12月上旬、顧問弁護士を務める管理会社A社より、建物の賃借人である懲戒請求者の賃料不払いについて相談を受け同月20日ころ建物所有者を紹介され上記建物賃貸借に関する紛争処理を受任した。同月28日A社の従業員は上記建物のドアノブにカバーを被せノブ操作を不能にする方法で上記建物を封鎖して被懲戒者に事実を知らせた。被懲戒者は懲戒請求者から封鎖を解くよう要求されたにもかかわらず拒否し自力救済が講じられたままの状態が継続しているのに滞納家賃の支払い請求を続けた。また2006年2月17日には占有移転禁止、執行官保管及び債務者使用の許諾等を内容とする仮処分決定を得、同年3月1日にはその執行がされたのであるから少なくともこれ以降は、懲戒請求者が上記建物を使用できるよう工夫配慮すべきあるのに漫然とこれを怠った。処分の効力の生じた日2008年8月4日2008年11月1日 日本弁護士連合会
 

処分例③  懲戒処分の公告 2013年7月号
1 懲戒を受けた弁護士氏名  竹下一郎  登録番号 38028
事務所 松江市東本町5 竹下一郎法律事務所
2 処分の内容         戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は2011年7月21日Å協同組合の代理人として債務者である懲戒請求者が所有するマンションの競売を申し立てたが、その頃、懲戒請求者の承諾を得た賃借人が上記マンションの価格を減少させるおそれのある大規模な改修工事を行っていた。そこでA組合は同月27日立ち入り禁止と記載したA組合、警察署及び被懲戒者の連名による張り紙を上記マンションに張り付けることにした旨被懲戒者に告げた。これに対し被懲戒者は警察署の承諾を得た旨のA組合の説明について事実確認を怠り、警察署の承諾がなかったにもかかわらず差支えないとの回答をし上記張り紙が張る出される結果を生じさせた。4 処分の効力を生じた年月日 2013年4月5日20137月1日日本弁護士連合会
 
処分例 ④ 懲戒処分の公告 2015年7月号
処分を受けた弁護士 滝本太郎 登録番号 18596
 事務所  神奈川県大和市中央2  大和法律事務所
2【処分の内容】 戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は2013年6月4日A有限会社からA社が懲戒請求者に賃貸した建物
について賃貸借契約を解除したい旨の相談を受け、翌日までの間にA社に鍵業者を紹介し再三現場に赴き懲戒請求者と直接対応する等してA社が上記建物の鍵の付け替え等の占有侵奪行為をすることに加担した。
処分の効力が生じた日  2015年3月31日2015年7月1日 日本弁護士連合会
処分例 ⑤ 懲戒処分の公告 2017年6月号

1処分を受けた弁護士 長島 良成  登録番号 18379 事務所 東京都千代田区五番町5 長島良成法律事務所

2 処分の内容     戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、懲戒請求者らがAから賃借している土地のための事実上の通路として利用し、植栽を行っていた当時Aが所有していた土地に関して、懲戒請求者らとAとの間で、懲戒請求者らが通行及び植栽をなす利用権を有するか否か等をめぐる事実的法的主張の対立が生じていたところ、依頼者であるAが上記植栽を伐採する等の行為について、例外的に自力救済が許容される特別の事情の有無を判断する基礎となる客観的事実は認識しており、弁護士としてその客観的事実を最高裁判所の判例の基準に照らして合理的に判断すれば、例外的に自力救済の許容される要件が備わっていないことは容易に判断できたにもかかわらず、上記行為が違法な自力救済に当たらないとの著しく不合理な法的見解に基づいて、B弁護士と共に2013年10月30日付け及び同年11月13日付け書面において、懲戒請求者らに対して、上記土地の利用状態を解消しなければA側においてその解消を実現すべく上記行為を行うことを通告し、また上記法的見解をAに示すことによって、上記植栽の伐採等のAの違法な自力救済行為を推進し助長した。
処分が効力を生じた年月日 2017年年3月8日2017年6月1日日本弁護士連合会
処分例⑥ 懲戒処分の公告 2011年9月号

1 処分を受けた弁護士氏名 平塚 雅昭 登録番号22944愛知県弁護士会  事務所 平塚雅昭法律事務所 

2 処分の内容 戒告

3 処分の理由   被請求者はAの財産等の管理及び処分を巡ってAの長男である懲戒請求者と激しく対立していたAの次男であるB及びAから依頼を受けAの代理人の立場で関与していた。被懲戒者はAが懲戒請求者によってBの元から連れ出され病院に入院させられていることを知って2007211日Bらと一緒に病院を訪れ主治医の許可なく緊急やむ得えない特段の事情もないのに病院職員の静止を振り切ってAを病院から連れ去った。4 処分の効力を生じた年月日2011年6月1日 2011年9月1日   日本弁護士連合会

処分例⑦ 懲戒処分の公告 2017年10月号
1 処分を受けた弁護士氏名 磯野清華 登録番号 38828 事務所 東京都港区三田2法律事務所シュヴァリエ
2処分の内容 戒告
3 処分の理由の要旨 
被懲戒者は、201511Aから夫Bの不貞行為の相手方である懲戒請求者に対するBとの関係解消請求及び慰謝料請求を依頼され、受任したが、事前に書面等
による受任通知を送付することなく、同月13日午後930分から午後10時頃の間に、懲戒請求者の自宅近くの駐車場で待ち伏せするような形で懲戒請求者に
いきなり声を掛け交渉を開始し、その後、その者の氏素性を明らかにしないままAが依頼した探偵事務所の調査員及びAをファミリーレストランにおける交
渉に同席させ、懲戒請求者の帰宅の要望を拒否し、懲戒請求者に対し、不貞行為を認めて謝罪することAに対する損害賠償として225万円を支払うこと、今
後二度とBと連絡を取らないこと、違反した場合は500万円を支払うこと等ことを求め、懲戒請求者はこれを内容とする合意書に署名捺印した。
4処分が効力を生じた年月日  20176292017101日日本弁護士連合会
処分例⑧懲戒処分の公告 2018年2月号
処分を受けた弁護士氏名 柴田収 登録番号 40260 事務所 弁護士法人岡山テミス法律事務所
2【処分の内容】業務停止1
3 処分の理由の要旨                                
(1)被懲戒者は、懲戒請求者Aの当時の妻Bから、懲戒請求者Aの不貞行為を理由に離婚及び戒請求者A及び懲戒請求者Cに対する慰謝料請求の依頼を受け受任したところ、懲戒請求者A不貞の現場を押さえた後で最寄りのファミリーレストランで離婚等の交渉をすることをB及びDらと決定し、2015123日午後7時前頃、懲戒請求者Aらがホテルの駐車場で車から降ところ、Dが懲戒請求者Aらに付いてくるよう申し向け、ファミリーレストランに移動し懲請求者Aらと対面する形で被懲戒者を挟んでB及びDが並んで座り、被懲戒者が懲戒請求者A不貞行為を認めるか確認して懲戒請求者Aらがこれを認めると、被懲戒者は懲戒請求者Aに対離婚の申出に応じること、子どもの親権者はBとすることを話し、養育費の金額を提示して後の協議とし、また懲戒請求者Aらに対し慰謝料として2人で500万円の請求をし、合意できない法的解決になることを伝えた上で再度協議することとして懲戒請求者Aらに被懲戒者の作成し合意書にそれぞれ署名、押印させた。
(2)被懲戒者は、懲戒請求者Eの夫Fから懲戒請求者E貞行為を理由に婚及び慰謝料を請求する旨の依頼を受け受任したところ、懲戒請求者Eの不貞の現場を押さえて離婚等の交渉にもっていくこと等をD及びFと決定し、2016213日午後11時過ぎ頃、駐車中の車内で懲戒請求Eとその不貞相手G密会していた現場にDF3人で囲み、ファミリーレストランに移動し懲戒請求者Eらと対面する形で、被懲戒者、FDが座り、懲戒請求者Eらに不貞行為の慰謝料として懲戒請求者E500万円、G300万円をそれぞれ支払うの合意書に署名、押印等させた。また、被懲戒者はGが退席した後、懲戒請求Eに対して離婚届の用紙を示し、署名、押印するよう求め、離婚に応じない場合には週明けには直ちに法的手続を採る旨告知し、同月14日日曜日の午後4時前頃、懲戒請求者Eに離婚届け及び離婚協議書に署名、押印させた。(3)4処分の効力が生じた日  20188172018121日 日本弁護士連合会
処分例⑨ 処分の広告 2019年3月号

田上尚志 島根県 登録番号29661 処分の内容 戒 告

処分の理由の要旨

被懲戒者は株式会社Aが賃借人となり工場を建てて操業をしている土地について、土地賃貸人から委任を受け2009年頃に上記土地の賃貸借契約を解除するとともに建物収去土地明渡請求訴訟を提起し、2012年頃に土地賃貸人勝訴の判決がなされ、確定した後、あえて拡声器を使用しなければならない事情がなかったにもかかわらず、2017年3月1日、約35秒拡声器のサイレンを鳴らしながら上記工場内へ立ち入った上、工場で作業中の懲戒請求者らに対し、3メートルないし4メートルの場所からの退去等の呼び掛け及び問い掛けを行った。4 処分の効力をじた年月日2018年12月10日 2019年3月1日 日本弁護士連合会https://jlfmt.com/2019/03/21/32165/

処分例⑩ 懲戒処分の公告 2021年2月号
1 処分を受けた弁護士氏名 小関 眞 仙台 登録番号 23697仙台中央法律事務所 
2 懲戒の種別 戒告 
3 処分の理由の要旨 
被懲戒者は、Aが所有し、A及び懲戒請求者の母親であるBが居住している建物について、Bが入院等のためその建物で生活をしていないことを知ったことからその建物等の売買契約を締結したAからその売買契約が滞りなく遂行できるようにすること等を委任されていたところ、2019年5月28日頃、Bの代理人からBが介護施設を退所して上記建物内で生活している旨の通知を受ける等していたにもかかわらず、同年6月4日、Bが本当に建物に戻っているか確認するためにAらとともにBに無断で上記建物に立ち入りBがデイサービスに行っていたために誰もいなかった建物内の玄関に被懲戒者、被懲戒者が建物を管理しており、勝手に出入りすることを禁ずる旨の張り紙を貼った。4処分が効力を生じた日 2020年10月7日 2021年2月1日 日本弁護士連合会
処分例⑪ 懲戒処分の公告 2021年11月号
1 処分を受けた弁護士氏名 泉智之 登録番号 51237事務所 徳島県鳴門市撫養町林崎字北殿町91-1泉法律事務所 
2 懲戒の種別  戒告 
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、懲戒請求者の母であるAが所有する建物に関し、懲戒請求者を相手方とする明渡し交渉の代理人であったところ、自力救済を正当化できる事情が認められないにもかかわらず、Aから上記建物の鍵の取替え作業に立ち会ってもらいたいと依頼され、これを承諾し、2019年8月1日、A及びAが依頼した鍵業者とともに上記建物に赴き、鍵業者が鍵を取り替える作業に立ち会い、Aが実力行使によって懲戒請求者の占有を排除することを助長した。処分が効力を生じた日 2021年7月15日 2021年11月1日 日本弁護士連合会
処分例 ⑫ 公告 2002年8月号
1 懲戒を受けた弁護士 丸山清 登録番号 6530 東京弁護士会
懲戒請求人は2000年6月29日、自己所有建物の改装工事をAに請け負わせる契約を締結した。しかし、同改装工事は完成予定日である同年8月20日を経過しても終了しなかった。上記改装工事の工期が遅れた理由については懲戒請求人とAとの間で争いがあり、懲戒請求人はAに対し同年10月21日付で同月23日限りで同請負契約を解除する旨の内容証明郵便を出したうえ同日建物の鍵を取り替えた。被懲戒者は同月24日Aから鍵を取り替えること及び、今後無断立ち入りされないための防止策について相談を受けAが上記建物の鍵を取り替えることを容認し後記告知書の掲示を指示した。Aが建物の鍵を取り替えて占有を回復する行為は請負代金債権の保全という意味があるものの、直ちに占有を回復しなければならない緊急やむおえない特段の事情はなかった。また2001年2月19日懲戒請求人による建物明渡仮処分命令の申立に基づきAに対し建物明渡を命ずる仮処分決定が出されていることからしてもAの自力救済が適法なものとは認められない。被懲戒者はAから相談を受けた際に自力救済が本件において違法なものとして認められるかどうかの問題点を十分検討すべきであったのにこれを怠り、安易にAが更に上記建物の鍵を取り替えることを容認した。
更に被懲戒者はAに指示し「本件現場はAの建築工事中であり何人も無断立ち入りを禁止する。若し無断で立入したときは刑事上の処置に及ぶものである」旨の告知書を本件工事現場のガラス、壁に掲示させた。そもそも争いのあるAの主張を認めさせるために自力救済をおこない、かつそれを効果的にするためにこのような文面による告知書を用いることは弁護士の行為としては行き過ぎである。4処分が効力を生じた日2002年5月9日 2002年8月1日日本弁護士連合会
処分例 ⑬ 公告 2001年8月号 
1 懲戒を受けた弁護士 荒井清壽 登録番号19772  中央総合法律事務所 東京弁護士会
2 懲戒の種別 戒告 
3 処分の理由の要旨 
被懲戒者は有限会社の大口出資者であるAの依頼を受け、1999年5月14日に社員総会が開催されたとして同社の代表取締役である懲戒請求人の代表取締役退任と取締役解任、懲戒請求人の妻の取締役解任の各登記及び前記Aの取締役就任の登記をし、更に同年6月21日午後9時頃、同社店舗にAと共に出向き、同店舗に施錠し、同社取締役A名義の「休業」の張り紙及び同日付同社代理人被懲戒者外1名の弁護士名義により「占有管理する」旨の「告示」書を同店舗に貼付したが、懲戒請求人がその後、上記施錠を解除して営業を継続していた同年7月5日午前8時30分ころ、被懲戒者は解体業者と共に同店舗を訪れ、同店店舗内設備等の解体作業を指揮し、自ら始めにハンマーでウインドーケースのガラスを打ち壊して解体作業を始めさせたものである。4処分の効力の生じた日2001年5月11日 2001年8月1日