弁護士自治を考える会
弁護士の懲戒処分を公開しています。「日弁連広報誌・自由と正義」2015年10月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・栃木県弁護士会・松本勝弁護士懲戒処分の要旨
どこの弁護士会でもひとりふたりは有名な先生がいらっしゃいます。最近、懲戒処分5回目で退会命令で業界を去っていくことが多くなりました。
業界の都市伝説で5回アウト説が流れたこともありますが、栃木は5回でも退会命令、除名は出さず業務停止2年を選択しました。
栃木の松本先生5回目の懲戒処分となりました(手元の集計)
① 1986年 業務停止4月
② 2002年 業務停止5月
③ 2008年 戒告
④ 2011年 業務停止4月
⑤ 2015年6月 5回目業務停止2年。
報道がありました。
懲戒処分中に業務の弁護士、県弁護士会が再度処分 本人は「異議申し立てる」
http://search.jword.jp/cns.dll?type=lk&fm=109&agent=9&partner=BIGLOBE&name=%B2%BC%CC%EE%BF%B7%CA%B9&lang=euc&prop=495&bypass=3&dispconfig=&tblattr=1
( 引用) 7月4日 下野新聞 朝刊
業務停止の懲戒処分を受けている間に弁護士業務を行ったなどとして、県弁護士会(若狭昌稔(わかさあきとし)会長)が同会所属の松本勝(まつもとまさる)弁護士を業務停止2年の懲戒処分にしたことが3日、関係者への取材で分かった。松本氏は宇都宮市内のカラオケハウスの一室を借り事務所の女性職員を勤務させたほか、別の弁護士に引き継いだはずの業務について書面を作成していたという。同会の懲戒委員会は「厳格に守るべき職務上の基本的義務に違反する違法性の強い非行」と判断。業務停止期間の中で2年は最長という。 懲戒委が6月に行った「業務停止2年が相当」との議決を踏まえ、県弁護士会は同月23日付で処分を決定。
懲戒委の議決書によると、松本氏は2011年4月、業務停止4カ月の懲戒処分を受けた。直後にカラオケハウスの一室を借り、コピー機などを搬入。女性職員2人が継続して勤務させた。別の弁護士に仕事の引き継ぎを依頼したが、土地登記簿をめぐる訴訟の準備書面の原稿を松本氏が作成。女性職員が書面を作り、別の弁護士名で宇都宮地裁に提出されたとされる。 また松本氏は和歌山地裁などの案件で、08~09年、計約180万円を預かり金として保管しながら清算せず、依頼者側に返還しなかったとされる。 懲戒委は、「弁護士業務を行った」と判断。預かり金の問題を含め「弁護士の品位を害する非行に該当し懲戒が相当」などとした。 一方、松本氏は取材に対し「(業務を)ほかの先生に引き継いでもらったが分からないこともあるので、意見を言って手伝ったことは認める」とした。処分について納得できないとし「異議申し立てをするつもりだ」と話した。
懲 戒 処 分 の 公 告 2011年8月号
氏名 松本 勝 登録番号 15420 栃木県弁護士会
2 処分の内容 業 務 停 止 4 月
3 処分の理由
被請求者はA所有の土地上に居宅を所有するBからAを原告、Bを被告とする建物収去土地明渡等請求事件を受任した。上記土地上には上記居宅の他作業所が建っていたところ被懲戒者は上記作業所がBの所有であることを知っていながら第1審、第2審を通じて上記作業所はBの所有ではないと主張し第2審において「BはAに対し本件土地上の未登記建物について何ら権利を有しないことを確認する」との和解条項を含む、BがAに上記居宅を売り渡す旨和解を成立させた。被懲戒者は上記和解条項における「未登記建物」とは上記作業所であることを承知の上で上記和解条項を加えることに同意したにもかかわらず2009年6月30日和解を履行すべき日時及び場所においてAの代理人弁護士である懲戒請求者に対し上記作業所はBの所有であり和解調書上の未登記建物とは物置のことであると強弁し和解の履行を妨げるとともに新たな紛争を発生させた被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
被懲戒者には複数の懲戒処分を受けた前歴があり前回の懲戒処分からわずか1年3月後に今回の非行に及んだことを相当程度考慮し業務停止4月とした
4 処分の効力を生じた年月日 2011年4月20日 2011年8月1日 日本弁護士連合会
懲 戒 処 分 の 公 告
栃木県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士氏名 松本 勝
登録番号 15420
事務所 栃木県鹿沼市幸町1 松本勝法律事務所
2 処分の内容 業務停止2年
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は2011年4月20日に業務停止4月の懲戒処分を受けたにもかかわらず、その業務停止期間中にカラオケハウスの一室を賃借して同室にパソコン、ファックス機能付きコピー機等を搬入するとともに事務員2名を出勤させ、同室を事務所として使用した。また被懲戒者は上記業務停止期間中、A弁護士に引き継いだ訴訟事務に関してA弁護士が裁判所に提出した補正書及び準備書面をA弁護士に代わって作成した。
(2)被懲戒者はB株式会社の代理人として申し立てた2件の強制競売事件に関して2009年11月12日頃までに裁判所から民事執行余納金の残金及び売却代金として合計180万6126円を受領し預かり金として保管したがB社との委任関係が遅くとも2014年2月19日までにはすべて終了したにもかかわらず上記預かり金の清算をしていない
(3)被懲戒者の上記(2)の行為は弁護士職務基本規定第45条に違反し上記各行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士として品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日 2015年7月1日 2015年10月1日 日本弁護士連合会
弁護士職務基本規定
(預り金等の返還)
第四十五条 弁護士は、委任の終了に当たり、委任契約に従い、金銭を清算したうえ、預り金及び預り品を遅滞なく返還しなければならない。