疑惑 「警察官の不祥事」 ②

 

今月2日、北海道警警察官34人処分の不祥事に関して記事を発信しました。

記事  新書庫「さまざまな不祥事」  疑惑 「警察官の不祥事」 ①

 

 
なお、上記記事の中で記載する引用先リンク先(日テレWeb24)が期間を過ぎ、削除された模様です。同ニュースがYouTubeの下記リンク先で公開されています。

 

タイトル  虚偽の調書作成で北海道警が34人処分

 

 

「また、警察官が虚偽の調書を作成していた問題で北海道警は27日、警察官34人を処分­した。34人は交通違反の現場にいなかった警察官を立ち会ったかのように装うなどして­、調書を作成していたという。」(本掲載より引用) 

 

そして今週、毎日新聞が道警不祥事について、情報公開により更に「法令違反」につきこんな報道がありました。

 

記事  <北海道警>警官懲戒、7件非公表 法令違反の疑い (毎日新聞)

 

 

 『一覧によると、今年公表されていなかった懲戒処分は12事案で、うち法令違反が疑われるのは少なくとも7事案。警察署所属の巡査部長が今年8月26日、「部外異性に強制わいせつをした」として減給6カ月(10分の1)、7月22日には警察署の巡査が「撮影機能付き携帯電話を使用し、卑わいな行為をするなどした」として減給6カ月(同)となっている。このほか、ひき逃げなどの交通違反が3件、住居侵入、万引きが各1件。

 

 道警は、警察庁の「懲戒処分の発表の指針」を基に公表の是非を判断。指針では(1)職務に関する行為(2)私的行為のうち停職以上の行為(3)内外に及ぼす影響などを勘案し、国民の信頼を確保するため、発表が適当と認められる懲戒処分--を公表するよう定めている。

 

法令違反が疑われる事案を公表しなかった理由について、道警監察官室は「指針に基づいて検討し、発表する事案ではないと判断した」と説明。逮捕すべき事案はなかったとする一方、書類送検の有無や事案の詳細については「調査や捜査の結果、事件として立件すべきものはきちんと立件しているが、個別の案件については回答を差し控える」と述べるにとどめた。』

 

(毎日新聞2015年12月13日午前10時配信 より引用)

 

疑惑「警察官の不祥事」のつづき、首都圏の警察官不祥事です。

 

今回の毎日新聞による報道を踏まえ、お伝えしていく首都圏の警察官不祥事は「非常に不可思議な処分」に留まっております。首都圏の警察官不祥事は、前回 「交通違反 警察官署名が増える写真」 だけで留まりません。

 

毎日新聞には、同志社大教授の意見も掲載されています。

 

『強制捜査権を持つ警察は高い順法精神が求められる。公表の是非は国民の常識に照らして判断すべき、恣意的な判断をすべきではない』

 

 

被害届や事件記録など捜査関係書類や警備体制の書類など大量持ち出し

 

 首都圏にある警察署、地域課勤務の40代男性警察官(巡査部長 ※事件当時  巡査長)が、大量な捜査書類(複写・原本・毀棄文書等 ※ 百数十事案に亘る)を署外に持ち出し放置した事件があり、懲戒処分に至らない内規による「所属長注意」処分に留まっていることがわかった。

 

500枚以上に亘る警察資料、個人情報満載の捜査書類

 

持ち出した警察書類は、被害届や事情聴取の記録、微罪処理票など原本、複写、毀棄書面問わず署外に持ち出され放置されていた。

 

これら書類には、刑事事件の被害者だけでなく被疑者や証言関係者の住所氏名、また、事件状況や供述内容まで記されたものが多数含まれていた。

 

他にも、国際会議等の警護状況などの関係書類や「取扱注意」「使用後破棄」なる付記(捺印)がある警察資料なども多々持ち出されていた。

 

勉強のため

 

関係者によると、男性警察官は「自分の勉強のため」と話していたという。

 

警察官の書類持ち出し事件

 

警察官が捜査関係書類を持ち出し(持ち帰り)は報道されることも暫しありますが、報道に至らない事件も含めれば「警察資料の不適切扱い処分」は相当数あり、決して、珍しい事件とは言えないかもしれません。

 

昨年ですが、秋田県警でも本件と酷似した「書類持ち帰り」事件は報道されました。

 

秋田県警「捜査書類の持ち出し」  共同通信の情報公開で判明

 

 秋田県警の警察官(30歳代 巡査長)は捜査書類約200枚を許可無く署外(庁舎外)に持ち出していた、として 本部長注意処分 を受けていた。巡査長は「自分の勉強のために持ち出した」と話しているという。

 

 
秋田県警は 「本部長注意処分」 ですが、首都圏の警察本部では内規による 「所属長注意処分」 です。

 

ちなみに「所属長」は、警察署なら署長、本部などは、おおよそ課長を指し示します。

 

「本部長」は、皆様ご周知のことと思いますが各道府県の警察本部トップです。(警視庁は警視総監)

 

この内規による「所属長注意処分」は、程度が非常に軽い場合(うっかりミスなど)適用される処分です。

 

 

 

 (警察職員規律違反 取扱規程)
 
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なぜ、違う処分なのでしょう。

 

発見者は、秋田県警、首都圏警察本部の事件ともに警察職員ではありません。

 

持ち出した理由も同じ  「自分の勉強のため」 です。

 

 

 

それにしても ・・ 本当に「自分の勉強のため」でしょうか

 

もっとも「勉強のため」 と聞くと、「まぁ仕方ない・・かな」 と多少聞こえかねません。

 

ただ、どれだけの数の警察官が 「勉強のため」 と警察書類を署外に持ちだし、且つそのまま放置するのでしょう? これは 「私利私欲」 と認識しないのでしょうか。

 

共に3、40代警察官です。 普段の職務に対して “標準” に追いつくための新人などではありません。

 

 

 

そもそも規程を遵守して勉強するのが当然でありますが

 

警察の中でも比較的、規則的な勤務の地域課、この警察官が「勉強のため」持ち出すなら私用の予定すら目処が立てられない、刑事職や機動隊など警察官はどうしているのでしょうか。更に、現場勤務にない警察職員との格差は生じないのでしょうか。

 

だいたい、昇進したら上がる棒給も国民の血税から捻出されるものです。実際、首都圏警察官は、巡査長から巡査部長に昇進してますが ・・・・なぜか。

 

 

 

し・か・し

 

この首都圏警察官の事件は「捜査書類を署外に持ち出し」 だけではありません。

 

にも関わらず、懲戒処分では無く内規処分でも非常に軽い 「所属長注意処分」 で済むとは・・・なぜでしょう。

 

 
弁護士職務による介在

 

相違点

 

秋田県警と首都圏警察官の事件では、状況にも相違点があります。

 

それは「発見された警察書類の引渡し」です。

 

秋田県警       「発見した 市民 が届ける」

 

首都圏警察本部   「弁護士 が 介在 している」

 

 

 

首都圏警察官の 「捜査書類持ち出し事件」 については、東京弁護士会所属の弁護士が 「警察書類の授受」 を弁護士職務で行いました。

 

とは言え単純に、弁護士が介在すると 軽い処分 になるのではありません

 

事後、弁護士の ある発言 で 「警察書類授受」につき、 疑念 が持ち上がります。

 

 警察書類は数年に亘って大量に持ち出されたもの

 

首都圏警察官と代理人弁護士は、「警察本部に全て引き渡す」条件で、発見者と書面(署名捺印あり)を交わし、「大量の警察書類」を受領します。

 

 

 

 (受渡確認書)
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その際、弁護士は送り先を記したレターパック宛名欄を複写し発見者へ渡します。
 (レターパック表紙)
 
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警察書類を渡さなかった

 

ところが、弁護士は自らレターパック宛名欄の複写を発見者に渡しながらも事後、こんな発言を示します。

 

 (弁護士の答弁)
 
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「(警察書類を)渡さなかった」・・? 当然ながら、警察本部に警察書類を一切渡さなかったら、軽かろうとも内規処分 「所属長注意」 自体が有り得ないでしょう。

 

しかしながら・・

 

も・し・も  「全部」 を授受現場で複写した郵便(レターパック)で送付していなかったら、対象警察官は「監察による調査に向け、予め不都合な書類を分別」できます。

 

 
警察書類の持ち帰り放置

 

もっとも、この至る招く結果の被害や弊害は、そもそも 被害届や聴取した書面や証言者 など、本来、秘匿としたい人の情報、第三者にとっては話したくない話さない情報 厚意で証言を協力した情報 までも結果、だだ漏れしてしまうことでは無いでしょうか?

 

首都圏の警察本部が本件、『法令違反』『守秘義務違反など』に鑑みない、問わないこと自体、公的機関として過去の反省が活かされることなく、非常に信頼無き隠蔽体質が続く 何よりの表れ ではないでしょうか。

 

 
以下は、約2年前の埼玉県警非違事象に関係した記事です。
 (Yahoo 記事)
 
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本件、「警察書類の授受」について真偽の程は、弁護士による「渡さなかった」はそもそも、記載ミスや誤解した解釈 などでは無かっただろうか。

 

市民多数に亘る、情報の漏洩被害があっても、正直にならない訂正できない謝罪しない、が弁護士職務の 「真実」 解釈、鉄則であろうか。尚も以降、弁護士は一切訂正せず「曖昧な答弁」に終始していきます。当然ながら、対象警察官 も然り。

 

 『反則キップに警察官署名が増える写真』『大量の警察資料放置』にとどまることなく、まだまだ存在する首都圏の警察官不祥事とあわせて・・つづきは次回。

 

(記者: 札幌SS,東京TT)