【川崎中1殺害事件】弁護士が少年被告の実名口走る
2016年3月4日 9時0分
昨年2月に川崎市の多摩川河川敷で中学1年生の上村遼太さん(13=当時)が殺害された事件の公判が2日、横浜地裁(近藤宏子裁判長)で開かれた。主犯格の少年A被告(19)は懲役9年以上13年以下の不定期刑が確定したが、今回は共犯で傷害致死の罪に問われた少年B被告(18)の裁判初日だった。
Bは短髪で紺のトレーナーを着て出廷。きゃしゃな印象を受ける体格だった。目を引いたのは、まだ10代なのに後頭部に白髪が交じっていたことだ。逮捕されて約1年が経過するなかで、かなり精神的に疲弊したことがうかがえる。
公訴事実については争わないので、争点はBに刑事処分を科すか、家裁に移送し保護処分を科すかになる。つまり少年刑務所に行くか、少年院に行くかが争われる。
検察側は冒頭陳述で「保護処分にする特段の事情もないので、刑事罰を科すべきと考えている」と裁判員に向かって説明。弁護側は保護処分を主張。「成育歴も考慮してほしい」とBの経歴を述べた。
Bの両親は入籍することないまま“離婚”。その後、母親は別の男性と結婚し、妹をもうけるが離婚。フィリピン、米国での生活を経て帰国したが、なじめず高校を不登校に。そんななかAと知り合う。また事件前には窃盗事件を起こし、保護観察処分になっていた。
証人としてAが出廷。自分の裁判でも述べた事件の経緯を淡々と説明した。ハプニングが起きたのは弁護側の尋問時。河川敷でAがBにカッターナイフを渡した状況の確認をした際だった。Aは無言でカッターをBに差し出したと証言したが、弁護士は「家裁では別のことを言っていた。『○○○やって』と指で指示したんじゃないですか」と、Bの名前を言ってしまったのだ。
少年事件なので通常はAもBも名前が出ない。法廷は時が止まったかのように静まり返り、裁判長は頭を抱えた。その後は滞りなく尋問は終了。来週には結審する裁判だが、先が思いやられる展開だ。
引用先
弁護士自治を考える会です
懲戒が申し立てられたら、「戒告」となる可能性があります
守秘義務違反の処分例
人には少年の名は出すなという日弁連