「非弁」 とは  何ぞや !!?

先般より連載して 弁護士利用促進なる名目レポート」 を配信していますが、今回、「そもそも、非弁 は何故ダメなのか」 につき、我々が持つ視点、一般市民の視点として記事を今回、配信します。

 

非弁 の意味

非弁という文言、今回、はじめて聞く方も居るかもしれません。一応、関係しそうな
URL 示します。先ずはご自身の解釈と比するなど、ご確認ください。

コトバンク URL

 

各界の解釈説明などには、以下のURLがあります。ご参考まで。

日本弁護士連合会 URL

行政書士ガイド URL

公益財団法人 不動産流通推進センター URL

 

非弁行為を禁止する法律は以下のURLに記載があります。

弁護士法 URL 

72条 (非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

27条 (非弁護士との提携の禁止)

 

 非弁行為の禁止

弁護士法には非弁行為の禁止を指し示す条文があります。

「非弁は法律で禁じられている」から ダメ!  これは、法の遵守論です。

我々は「そもそもなんで非弁がダメなの?」なる趣旨を重視しています。

 

依頼者(当事者)の被害

「非弁は何故ダメなのか?」については、法学者さんやら法曹界関係者から見れば、色々な理由や概念が挙がってくるでしょう。

しかし、我々は 依頼者(当事者)の被害 防ぐ目的が根底であり、最も重要と捉え 「主眼」 にしています。

 この論拠の一つには、最高裁の判例に示された内容があります。

裁判所 裁判例情報 URL

上記判決文 URL

 

この最高裁(大法廷)判決内容で「非弁を禁じる趣旨」の解釈は以下の通りです。

「弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とし、ひろく法律事務を行なうことをその職務とするものであつて、そのために弁護士法には厳格な資格要件が設けられ、かつ、その職務の誠実適正な遂行のため必要な規律に服すべきものとされるなど、諸般の措置が講ぜられているのであるが、世上には、このような資格もなく、なんらの規律にも服しない者が、みずからの利益のため、みだりに他人の法律事件に介入することを業とするような例もないではなく、これを放置するときは、当事者その他の関係人らの利益をそこね、法律生活の公正かつ円滑ないとなみを妨げ、ひいては法律秩序を害することになるので、同条は、かかる行為を禁圧するために設けられたものと考えられるのである。しかし、右のような弊害の防止のためには、私利をはかつてみだりに他人の法律事件に介入することを反復するような行為を取り締まれば足りるのであつて、同条は、たまたま、縁故者が紛争解決に関与するとか、知人のため好意で弁護士を紹介するとか、社会生活上当然の相互扶助的協力をもつて目すべき行為までも取締りの対象とするものではない。」

 

依頼者(当事者)の被害とは、依頼者の主観もあり、一義的に判断はできないかと思います。本人が満足すれば被害にならない・・というよりは、表沙汰にならない、なりにくい。犯罪すなわち刑事法で言うところの「詐欺」に似ているかもしれません。

 

各法令解説や判例説明を見ると「業」「報酬」が重要視されていることが判ります。
FILE 1

イメージ 1

 


上記はイメージ図ですが、このように直接有償で介在するなり、もしくは商いとして直接的関与が証される事実の存在が “取締り対象” とするか否か、実情なようです。

しかし我々は、これでは 「報酬」 「業」 の線引きが余りに グレーゾーン 過ぎるのではないか?という一抹の疑問を持っています。

 

弁護士法で禁じる「非弁行為」に該当するか否かは、前出の最高裁判決によれば

「 たまたま 、縁故者が紛争解決に関与するとか、知人のため好意で弁護士を紹介するとか、社会生活上当然の 相互扶助的協力 をもつて目すべき行為までも取締りの対象とするものではない。」です。

「たまたま」 「相互扶助的協力」 を我々は重視すべきではないか、と考えます。

 

我々がグレーゾーンと示すのは以下の場合が先ずあります。
FILE 2」

イメージ 2

 

一例ですが、この状況は現在の非弁行為取締り、困難ではないでしょうか。

 

しかし、「たまたま」では無く、「相互扶助的協力」 を前面に打ち出して、別途商売として報酬の歩合を含めたやり取りする仕組みがあったとしても、いとも簡単に「合法」と化して取締りの対象にならないのは腑に落ちません。

報酬が動く状況(目的)を別に構築さえすれば、無罪放免(合法)なのですから。

 

企業や団体の「相互扶助的協力」

相互扶助的 という名目があれば、何でも良いのでしょうか?

依頼者(当事者)が法的対処に鑑みる事件に遭遇しない限りは知人となり得ない、営利企業や団体が広告など媒体を通じて知り合い、これを対人介在で斡旋紹介もしくは転送する場合、その事象・行為は「無報酬」であれば許容範囲と一義的に解釈すること事態、非常に不可解に感じざるを得ません。

「たまたま」 は何処へ・・・

 


責任の所在が不明瞭

弁護士が代表に就く法人団体であれば、前述行為(「相互扶助的協力」)を謳っても、法に関する職務全て可能な職責が責任者として明確に存在するならば 「市民を救うべく相互扶助手段」 として、「一定の信頼を担保」した上で、活動の許容範囲をもつことも 已む無し かもしれません。

「一定の信頼を担保」しておかなければ、宮崎県弁護士会綱紀委員会如く 「特段に禁じていない」 が乱発されそうですし・・・ね。

 

ところが弁護士が代表勤めるわけでもない営利企業が誘導した先の団体で 「法人格(企業)ではない」 「誰が法的責任を負う立場に居るのか不明」では、トラブル・問題を発した時、どのような対応が取れるのでしょうか。

 

個別の問題とされて、トカゲの尻尾きり・・ 挙句の果て、更に「当事者の負担増」が待ち受ける。充分ありえる話ではないでしょうか。

 

市民は法にアマチュアしかりです。それが、弁護士資格を持たずとも、経験積む手馴れたセミプロに “ 論 ” で対抗できるでしょうか?

アマチュアしかりの我々市民は、信頼して託すわけですから、相手を疑うような証拠確保(当初からの音声録音)など“記録をする”習慣なんてほとんど無いでしょう。

 

勿論、「弁護士職の名義貸し」的な法人格・団体の行為などは本記事からは論外です。これは監督すべき日弁連や各単位弁護士会そもそも倫理指導や管理すべき実態が破綻・崩壊しているものであり、是正対策は早急に必須です。“信頼” を法規定に掲げる以上は。

 

このような紹介や斡旋する営利企業代表や団体の意思決定責任者が弁護士職責であり、責任の所在が明示されるならば、“然るべく” 論があるのかもしれませんが。

  

法は完璧なものにあらず

話は少々ずれますが、平成3年からの暴力団対策法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)の効果、実情はいかがでしょうか?

 

当然 「効果はあり」、改正伴い「まだまだ期待できる」 のでしょう。

しかし、防犯もしくは犯罪減少の観点からみると、万全かといえば 「 ? 」ではないでしょうか。

 

この暴力団対策法が施行後、もう一面には、指定されない・できない「曖昧なる団体」による犯罪行為が相当に増えていることも事実ではないでしょうか。

一時のニュースを駆け巡った “半グレ”もそうかもしれません。

また、指定暴力団を脱退し新規団体を構成、もしくは海外グループに紛れるなど、指定団体にならない、なりにくい、掻い潜る手法繰り返す団体・・etc

法の解釈に一定のグレーゾーンは致し方ない一面も当然あるのかもしれません。

 

しかし、これが法曹界、特に人を護るべき「弁護士業界」でグレーゾーンを利用し、もしくは利用されるとしたら「無軌道な実態」、これを看過し放置するならば「世も末」です。

   

弁護士ドットコムニュース

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