記者のつぶやき
「ボーダーライン 売名目的と公知目的 」
先週末、TPPの承認案に関して国会審議が少々紛糾したようだ。
こんな中、このニュースに絡み、ちょっと他事件の報道もしかり、個人的に引っかかりを感じたので 「つぶやき」としてお伝えしたい。
T P P
日テレNEWS24 「西川氏、マイク気づかず“漏れた会話”とは」 より
『 TPP(=環太平洋経済連携協定)の承認案をめぐる国会審議は、野党側が衆議院TPP特別委員会・西川公也委員長の審議の進め方などに反発し、6時間あまり中断される事態となった。こうした中、西川委員長のある発言をカメラが捉えていた。
「『TPPの真実』といわれるこの本のゲラとされるものでありますが」-民進党の緒方林太郎議員が手にしているのは、西川委員長が出版を予定していた著書の原稿。政府が守秘義務に関わるとしている交渉の経緯が書かれていると指摘した上で、西川委員長に対し、自らが書いたものなのかただした。
西川委員長「委員長は答弁する立場ではありません」 』
TBS News i 「民進党、西川委員長が出版予定の「内情」本の原稿を公開」
『民進党は、衆議院TPP特別委員会の西川委員長が執筆し出版しようとした著書にTPP交渉の内幕などが記されているとして、原稿を公開しました。
「著作権の主張を明確に認めないわけですから、慎重に取り扱う必要がなくなったということで、本日をもってマスコミや国民に公開いたします」(民進党 玉木雄一郎 衆院議員)
民進党が公開したのは、『TPPの真実』と題された475ページに及ぶ原稿で、TPP=環太平洋パートナーシップ協定について、衆議院の特別委員会の西川委員長が執筆し、出版を予定していたものだとしています。』
(以上 引用)
これらニュースを耳にして、先ず違和感を感じたことは
「なぜ、この段で既に、出版のゲラがあったのか」
である。即ち「早々、出版に備えている」 ことに対し 違和感 を感じざるを得ない。
『 475ページに及ぶ原稿 』である。よほど時間を割いていたのであろう。
ゴーストライターが纏めるにしても『真実』とあらば、内容の打ち合わせには相当時間が要するものが一般的である。
この夏の参議院選挙が予定され各党も公認やら選挙対策にご多忙の最中である。
それだけではない。にわかに、同日衆議院選挙も 囁かれて久しい。
西川委員長は衆議院議員である。これら選挙に向けた一種の『アピール』支度 ではなかろうかという素朴な疑問が違和感の起点である。
TPPは大変重要な国家戦略の一つであろうし、また、国民が負う将来の負担を真摯に鑑みなければならない問題であろう。
この議論の真っ只中、既に 『TPPの真実』 という出版の準備が整おうとしていた。
『真実』 をテーマにする、この目的は 売名 か 公知 何れの目的 にあろうか。
ES細胞窃盗容疑の告発事件
『STAP細胞論文問題』以降、昨年から『ES細胞(胚性幹細胞)が盗まれたとする窃盗事件の告発』が度々報道されていた。
コトバンク 告発とは
この窃盗事件はご周知かと思うが、現段『容疑者不詳で捜査終了』である。
スポニチ 理研ES細胞窃盗告発 容疑者不詳で捜査終了
東京新聞 ES細胞窃盗事件の捜査終結 容疑者不詳で
『神戸市の理化学研究所の研究室から胚性幹細胞(ES細胞)が盗まれたとして、窃盗容疑で告発を受け捜査していた兵庫県警は28日、容疑者不詳の窃盗事件として神戸地検に書類送付し、捜査を終えた。捜査関係者が明らかにした。』
(以上、引用)
『窃盗事件の告発』、我々がこの事実を判断するような立場に無いことは当然。しかし我々は本ブログで『真実』に対し、主眼の一つとしている。
この『窃盗事件告発』について、『真実』に対する公知範囲を逸脱している事象、つまり「告発を利用した私的な目的」は無かっただろうか・・である。
また、我々はこの告発行為が『被疑者不詳の告発』であるから故、『ES細胞窃盗事件の告発者』を批評するつもりでは毛頭ない。
『罪を憎んで人を憎まず』ゆえ、被疑者不詳の告発であったと考えられるし、
そのうえで『社会正義のため、身銭を相当負担しても、告発行為に踏み切った』のであろう。
しかし、『真実を追う』この告発者本人以外に、違う目的を持った取り巻き周辺人物は居なかったであろうか?
こんな疑念、違和感抱くにはこんな画像の情報が寄せられたことにある。
前述、西川議員の事象ではないが、「何故こんな写真が存在するの?」である。
小保方女史を被疑者と見立てた「被告発人小保方 晴子は,」と記される告発状と思しき書類の写真である。
そして今年の2月に東スポWebであるが、こんな内容が配信されていた。
東スポ WEB 『 小保方晴子氏「ES細胞」窃盗容疑で参考人聴取の裏 』
『 舞台裏を知る関係者は「被疑者不詳、つまり誰が盗んだかは分からないことにして、捜査範囲を広げた。今回の件で動いたのは兵庫県警だけではない。地検や警察庁までもが動き、立件できるか精査した。裏を返せば、受理したのだから、当局はイケると踏んでいるということだ」と話す。
(途中 略)
『告発者の石川氏は本誌の取材に「事態の推移を見守りたい」とコメントした。
(途中 略)
フリージャーナリストの津田哲也氏は「捜査中の当局にしてみれば『何を言っているんだ』となるでしょう。手記出版が当局を刺激し、このタイミングの聴取(発覚)につながったことは否めない。窃盗容疑で逮捕ということも十分あり得ます」と語る。
さらにもう一つ、県警の内部事情もあるという。
「兵庫県警は3月に人事異動があります。その直前に大ネタを挙げて、ポイントを稼ごうとするのはよくある話。その時は複雑な事件ではなく、勝算アリのケースがほとんどですね。小保方氏の件はまさにそれに当てはまります」(津田氏)
(以上 引用)
『何故、小保方女史 だけ』被疑者説として大きく指摘するのだろうか。
告発人は『幹部の責任も問うために 被疑者不詳とした』旨、写真週刊誌FRYDAYの取材では回答していなかっただろうか。
東スポの取材に答える発言の中において、『勝算アリ』『小保方氏の件は』これら被疑者不詳の事件において少なからず、また、刑事事件に「勝算」なる表現用いることは、『罪を憎んで人を憎まず』としてプロの発言からは到底受け難い表現、文言である。
被疑者が小保方氏であると“勝ち目”つまり“利益”を得るのか。
当然、ジャーナリストも言論の自由の下、批評の範囲である以上はコメントを公知すべき、存分に発信する職業であろう。
中立的な立場であればこそ。プロ(商い)ならば、なおさら。
しかし『ES細胞窃盗事件告発に係る関係者』となれば、話は別。色々な問題が多々発するのではなかろうか。
真実という名の下、刑事事件告発を利用した 売込みチャンス とも受け取られかねない。
(発信 札幌SS)